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今日はルインズ南の森を奥の奥まで探索してみようと思う。 肉なんかもやっぱり種類があった方がいいからね

魔の森産の魔牛やコカトリスもおいしいけど、角うさぎもまぁまぁだったし 他のお肉の味も知りたい


「おはよう これよろしくね」

「おはようございます 査定しますね」

今日もいつもの角と牙、 結構需要があるみたいでいつも歓迎される。 まぁ魔の森産の素材だからルインズではなかなか手に入らないからね

「そういえばトーヤさん、 ミラさんが探してましたよ?」

「あー… なんか飯に誘われてたなぁ。あの子は新人なのかい?」

「そうですね ルインズではここ半年くらい前から活動してます」

「そうなんだ 事情は知らんけど、ソロなら大変そうだな」

「トーヤさんもソロじゃないですか」

「俺はねー 自分勝手だからパーティ組むと却って動きにくくなるんだよ」

「そういうもんですか…」

「そういうもんです」

ロスター君と軽く喋ってからジールの所へ行く

「おはよう ちょっとこれ食べてみて」

手作りツナを出してみる

「おはよー なになにー?どれどれー?」

ジールは迷いなく口に運ぶ

「んー!なにこれおいしー! え?なにこれ?」

ジールが騒ぐと隣にいた受付嬢が立ち上がりこちらへ歩いてくると、スっと手を出した

「あ、味見する?」

「します!」

仕方ないのでツナを食べさせてみる 更に奥にいる受付嬢もそわそわとこちらを見ているが、接客中なので動けず ただそわそわしてた

「はああ! すごくおいしいです!これはなんていう食べ物なんですか?」

「これはツナといって、マグロという魚を長期保存できるように加工した物なんだよ」

「魚を長期保存ですか… 長期ってどれくらいなんです?」

「ちゃんと油に浸しておけば大体2週間くらいかなー」

「そうなんですか…この町は海から遠いですから、魚が食べられるのはなんか贅沢な感じでいいですね」


受付嬢の餌付けがうまくいったので情報収集だ


「この国で一番海に近い組合のある町ってどこにあるの?」

「ここからだと南東?南南東?くらいの方角にマニーという町があるよー 地図で見るとこの辺」

ジールが地図を出してくれたので確認

「ふむふむ 結構遠いな」

「そうだねー 片道馬車で4日ってとこかなー」

「組合があるって事は、その辺りでも何か狩れる魔物がいるんでしょ?」

「マニー自体は港町だけど、すぐ近所にダンジョンがあるんだよー 地下50階層まであって、200年くらい前に勇者様が踏破したって記録があるよー」

「ほっほーダンジョンかぁ ちょっと興味あるかも」

「えー トーヤさんはこの町で活躍してほしいんだけどー?」

「別にダンジョンに行ったからってそこに拠点を移す訳じゃないけどね」

「絶対だよー?おいしい物持ってきてくれたらいつでも買収されてあげるからねー」

「それは大きな声で言っちゃダメなやつ」

「あはははー」


「あの!トーヤさんおはようございます!」

後ろから声をかけられ振り向くと、普通に町娘な格好をしたミラが立っていた。後ろに人がいる気配は感じてたけど 普通に順番待ちの人かと思ってた

「おっ おはよう。 元気そうだね」

「あの!違う町に行っちゃうんですか? 今チラっと聞こえたんですけど」

「いやいや、マニーの町のダンジョンについて聞いてただけだよ。 まぁ興味はあるけどね」

「そうなんですか… あの! お話は終わったんですか?」

「ああ、終わったよ ごめんね受付で長居しちゃって」

ジールに手を上げて場所を明け渡す

「あの!少しお話を…いいですか?」

「はぁ いいけど」

「じゃああっちのテーブル席に行きましょう!」

「あ、はい」


ミラに背中を押されて離れていく2人を見ていたジールがぽつりと言った

「ミラちゃん…あれはトーヤさんを狙ってるねー?」

「でも、あの2人がくっつけばこの町に定住してくれるんじゃ?」

「なるほどー! じゃー陰ながら応援しないとね!」

隣の受付嬢と頷き合うジールだった。若く見えるが ジールも他の受付嬢も人妻なので、他人の色恋沙汰は大好物なのであった


「あの!改めて先日はありがとうございました」

「まぁ先日も言ったけど、気にしなくていいよ。 後 そんなかしこまった喋り方も辞めていいし」

「うん!それじゃあ遠慮なく ご飯なんだけど夕食でいいよね? まぁ町の食堂なんだけど」

「ああ構わないよ じゃあ夕方まで南の森に行ってくるかな」

「私も行きたい! 急いで着替えてくるからちょっと待ってて!」

ミラはそう言うと立ち上がり サササっと組合から出て行った

「返事を聞く前に行動しちゃう系か…これは扱いが大変そうだなぁ」


仕方がないのでそのまま座って組合内の人間観察。 やっぱり文明レベルの違いなのか、返り血の付いたままの服を着てうろうろしてる冒険者が結構いる

やっぱり日本人の衛生概念はこちらでは通用しないだろうな。 一般家庭にはお風呂は無いらしいし、せいぜい水場で体を拭く程度 高級宿か貴族邸くらいしかお風呂は無いみたいだ

組合員は制服を着て小綺麗にしてるけど、冒険者の大半は正直汗臭い まぁミラは臭くはないけどね


ぼやーっと観察継続中


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