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ユグドラシルが転移してきた一番新しい世界、出現から1年ほど経過していたが出現地点が無人の島だったので人間種の被害はなく、島に生息していた虫系を含む魔物が喰い尽くされたところでトーヤが討伐 

英雄誕生の小さな島に、4種族の王とトーヤが立っていた。


「まずはお礼を言わせていただきます 2万もの同胞の仇を討って下さり感謝の念に堪えません、私は天界序列1位 全ての天使族を束ねておりますイクシードと申します お見知りおきを」

真っ白の翼、輝く金髪ロング、24~5歳に見える美を体現したような超絶美人さんの天使 思わず見とれてしまう

「こちらも礼を言わせてもらおう あのまま放っておけば我が種族もいずれ滅んでいただろう、不死とはいえ体を麻痺されて吸収されれば生きてるとは言えない。 ああ私は不死族の王フィーだ」

フィーと名乗った王は赤毛のポニーテール 蝙蝠のような翼を持つこちらも美人さんだ

「我が神族の王エメリア 我が種族の失態の始末をつけてくれたことに礼を言う」

エメリアと名乗った女性は…長い銀髪になんといっても目に付くのは胸部装甲、でかい 

「あなたは黙っててもらえます?どれだけの被害を出したと思ってるのですか…まぁ私が全力で魔力を注いだおかげでもあるんです ですので」

少女に見える魔王ヴァイスがトーヤの腕に絡みついた

「トーヤさん 約束の褒美…決まりましたか?その前に私の統治する世界 魔界に来てみませんか?私の夫として幹部達に紹介したいのです」

「はい?夫っていきなり…」

「優れた男性に女が惚れるのは当たり前のことです それに元は私の魔力…いわば私の半身とも言える貴方が夫というのは当然の事だと思いますよ」

「ふむ、その主張を認めたとして正妻の座は仕方ない、ならば私は第2妃の座をいただこうか」

フィーがヴァイスと反対側の腕に絡みつく

「何を言っているのでしょうか?正妻は私ですよね?トーヤ様」

イクシードがにっこり見つめてくる


なにこの状況 45年生きててここまで好意をもって囲まれたことなど経験ないんですが


4人の美人さんに囲まれて逆に困惑してしまう 


「我もその中に入れてくれないか これからはそなたの役に立ちたいのだ」

エメリアが縋るような眼で見つめてくる エメリア的には魔人の妻など論外であったが、致命的な失態があったため 今後の立場が危うい状況を回避するためには英雄の妻というポジションはなんとしてもキープしたい


「とりあえずひとついいすか?褒美の件だけど」

美人さんに言い寄られる事態についていけなくなり話題を変えてみた

普通のおっさんは女性に対しては保守的で逃げ腰なのだ

「この姿じゃ日本に帰っても生きていけないと思うし、今いるこの世界はどんな感じなの?」

「この世界は人間種、エルフやドワーフ、獣人などの亜人種とイレギュラーで発生した魔物などがいる世界で、剣や弓などの武器での狩りや補助的な魔法使いなどがいる。 ま、我ら神族や他の3人が束ねる種族のような強者はいないな」

「ほぅほぅ それじゃちょっとこの世界で何年か生活してみるかな、さすがにこの島は何もないから最低でも大地の実りが手に入る所で」

「それはいい考えかもしれないな!この世界を管理する我が配下の権限を譲渡させるので自由にやってくれて構わない」

「へ?世界の管理とかそんなのできないよ 無理無理」

「大丈夫だ 我が補佐するのでやってみてくれないか」

エメリアはここぞとばかりに薦めてくる 少しでも関係を深め、立場の復権ができれば御の字だ

「なるほど、それもいいかもしれませんね それでは私の方も魔界へ一度戻り、貴方の妻として活動できるように王座の引継ぎを済ませてしまいます、なるべく急ぎますのでしばしお待ちください」

ヴァイスはそう言うと俺の頬に軽くキスをして転移魔法で消えていった

「引継ぎか…たしかに必要だな 私もやってくる、待っててくれ」

フィーもキスをして消えていった

「我はこの地を管理する配下と打ち合わせをしてくる」

エメリアも消えていった


「トーヤ様」

1人残ったイクシードが正面から抱きしめてきた

「今まで人間として生きてきた貴方様にこの角は邪魔ではありませんか? 黒い翼も」

「たしかに今まで無かったから、慣れるまであちこちぶつかりそうだね」

「ヴァイスがやったように私の魔力を受け入れていただければ…貴方様のお姿は私のように天使族に近い姿になります 翼も白く美しく」

そう言うと 唇を合わせるキスをしてきた その状態でイクシードの魔力が大量に流れてきた


2分ほどのキスを終えると…翼が白くなり角が消えていた!

「ふふっこれでお揃いです」

イクシードは笑顔を見せながら離れ

「私も急いで引継ぎをしてきます 待っていてくださいね」

イクシードも消えていった


「ふぁー キスとか久々だったなぁ あれ?なんか違和感が」

2種族の魔力を与えられた為 どうやら任意で翼の色の変更や角の出し入れができるようになっていた

「天使仕様の白い翼は綺麗だけど、俺にはちょっと似合わないかな…」

魔人の姿に戻り どう動こうか考える

「引継ぎったって普通何日もかかるよな せっかくだしちょっと探検するか」

まだ不慣れな翼を使い空へと飛び立ち 自分にとっての異世界生活への第一歩を歩みだした



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