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夜が明ける2時間ほど前 時間的には午前4時くらいにトーヤは公爵邸の離れ、獣人達が入っていった小屋に来ていた

特に見張りはいなく あっさりと中に入れた。獣人達はすでに起きていたので話を聞きだす

「どんな感じだ?」

「はい、恐らく今日には魔の森に向けて出発し、森の手前で開放して国を出ろと言われました」

「そうか、思ってたより悪い奴じゃないようだな」

「それはなんとも…帝国人に良い印象なんてないですからね」

「まずわかった、その宝石はまだ持っていろ 何かあったら使ってくれ」

「わかりやした ここから森まで2~3日だと思うんで、何かあるとすればそのくらいかと」

「わかった これは土産だ、分けて食べてくれ」

自作パンに魔牛肉と野菜を挟んだサンドイッチを渡す 獣人達は頭を下げるとサンドイッチを夢中で食べだした。

それを見つつ公爵邸を離れ、ルインズの町に向かった ルインズの町では干し肉と皮で出来た水袋、日持ちのする野菜を買い込み獣人達に与えるつもりだ

俺が作った燻製肉とかおいしいから アレに慣れると普通に売ってる物が食べられなくなってしまう

うん、間違いない


買い出しを終えて自宅に戻ったら…

「トーヤ様、私はこれから少しの間地下室に入ります」

「おや?何かあったの?」

「地脈の動きが微妙に乱れているので その場所の特定と原因の究明です」

「そっかー 管理者としてのお務めだね、わかったよ。時々差し入れに行くよ」

「ありがとうございます!」


とりあえずクッキーを渡しておいた


それからは大体予定通りに公爵邸を出発した獣人達一行は2日後には魔の森の外縁部に到着していた


「それでは、ゴルドアプルの件については、お嬢様になり替わり礼を言います。後、先日言った通り 隷属の魔導具を着けていない獣人が帝国領を動くのは問題があるので、こちら側に入らないように魔の森経由で王国へ行ってください。最後になりますが、この度の依頼の件、そしてその報酬で解放された件については他言無用でお願いします」

そう言ってグラスに直接指揮を命じられていた侍女は金貨の入った袋を渡す

「出国の道のりと解放の件はわかった。俺達も面倒な事にならないよう森の中でも他者との遭遇は避けておこう」

獣人のリーダーが金貨の入った袋を受け取り仲間に配る

「それじゃあ俺達はこれで」

獣人達はそのまま森の中に入って行った

それを見届けた侍女は、護衛騎士を引き連れ領都に引き返していった


「よう うまくいったみたいだね」

「あっ」

翼を隠した状態で獣人達に声をかけた

「今回は本当に助かりました 後これ、少ないけど金貨が入ってます、どうか納めてください」

そう言うと8人全員が金貨袋を出してきた

「何言ってんだ 今回手を貸したのは俺がそうしたかったからなんだよ。 あんたらの運が良かったってだけだ」

「しかし、ただでさえ返しきれないほどの借りが…」

「いいんだよ それにあんたらはこれから仲間達のために動くんだろ?金はいくらあっても足りないし 戦闘力を付けるためにも色々と鍛えなきゃいけないんだ、だからその金はそのために使えばいい」

「本当になんとお礼を言えば」

「ただの気まぐれだから気にするな 後はこれ、干し肉と多少の野菜、水だ どこまで行くのか知らないけど生き抜けよ」

「ありがとうございます これから王都の北にあるクリモの町を目指します。魔の森に隣接しているので稼ぎながら鍛えられると思って」

「そうか 俺は時々ルインズの町をうろついてるけど、俺の事は誰にも言うなよ?」

「もちろんです!我らは受けた恩は決して忘れません!」

「まぁ縁があったらまた会おう」

「はいっ!」

獣人達は小走りで魔の森の中へ消えていった なんかそのうちまた会いそうだな

帝国にも例え相手が奴隷であっても約束を守れる貴族がいる事に驚いたが、ま、ドルス公爵家だっけか こいつらの事は覚えておこうか


この日はここまま自宅に戻り、家畜用のスペースを整備した。 なぜなら…魔の森の東部にコカトリスなんていうのが生息してるらしく、そいつの卵が高値で取引されてるようだ。組合情報だから間違いないだろう

ゴルドアプルを使用してりんご酢がすでに完成している…なので! マヨネーズが作れそうだ!

これは期待が高まる 早速現場へ


うん、これは…

どうみてもニワトリ しかもでかい! 立ち姿で体高2m以上ある…

まぁでも全然強くなかったので見つけた1匹を狩り、巣を探した

「うおっ でかっ!」

巣には卵が3個あった 40㎝ほどのサイズだ… これ1個で相当量のマヨネーズが作れそうだ

本体も肉がおいしいらしいのでこれも調理してみよう

せっかく自宅で飼おうと場所作ったけど、こんなにでかいんなら飼育は無理だな 残念

しかしアレだ この卵…かき混ぜる容器がない、また特注しに行かないとだめだな


とりあえず調理は後回しにして、砂糖を煮詰める用に作った鍋で卵黄、卵白を分け 油と塩、りんご酢などをを準備して いざマヨネーズ!


やりました 完成です


勢いでそのままポテトサラダを作ってみたけど おいしかった

アイシスにもお裾分けしたら喜んでくれた


少しずつ食生活が充実してきている いい事だ 食べる事は生きる事だしね、おいしい物のために人は生きる気力を漲らせるのだ

次の目標はお米だな かつ丼食べたい。 情報収集せねば…



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