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「一つだけ聞いてもいいかい」

「はい、なんなりと」


事を済ませた後のまったりとした時間 気になっていたことを聞いてみよう

「どうして、元は人間の俺の妻に…なんて事になったの?それも皆して」

「元人間…というのは正直大した問題じゃないのです。どの種族も見てわかりますように、女性の方が強く優秀な者が多いのです そのような現状で序列1位である私が身を任せるのに相応しい男性は今までいませんでした。 そんな中で、誰も倒すことのできなかったユグドラシルを討伐するほどの力を持ち、そして心根が穏やかで優しい英雄が現れたのです これは一人の女として妻の座を求めるのは至極当然の事だと思います」

「まぁユグドラシルの麻痺結界に耐性があったのはわかるけど、戦って勝ったのは俺の力じゃなくてヴァイスからのもらい物であって 俺が英雄とかって事じゃないと思うんだけど」

「それも大した問題ではありません、実際にあれほどの脅威に恐れず立ち向かって勝利した という事実が重要なのです。脆弱な人間ならば、そもそも戦うことを拒否して逃げる判断するのが普通だと思いますよ」

「んー それでも俺1人がやった事じゃないってのは、俺が一番理解してるからね」

「細かいことはいいのです これは決定事項ですので諦めて 今後も可愛がってくださいね」

にっこりと微笑みながらキスをしてくる イクシードとも魂の繋がりができたようだ


イクシードが帰ってから、畑の世話をしてボーっと考え事をしていた。 まぁ倫理観についてだけど…

以前ヴァイスに言われた通り、俺はもう人間じゃないし日本にも帰れないし まぁ帰った所で生活はできないよね。 住民票とかも作れないだろうし

という事で、あっさり開き直ることにした 一夫多妻?やってやんよ! と、不思議なモチベーションが沸き上がってきた なるようになるだろう!向こうから求めてきてるんだし、嫁として誠意だけはちゃんと見せるようにしよう。

考え事は終了した



大陸の西側 帝国領土から魔の森へ侵入した冒険者チームは中層へ到達していた。直線距離でおよそ160㎞進んだあたりだ ここまで来るのに15日、1日10㎞以上のペースで踏破してきたが問題が発生していた。

魔猪の番と戦闘中に脇から別の魔物に奇襲を受け、冒険者4人が骨折などの重傷を負っていた

中間地点を過ぎているため怪我人を帰すわけにもいかず、治療用のポーションの在庫はまだあるが 骨折を治すには少なくない量が必要で、今後に差し支えるから悩んでいるのだ。

「仕方がない 1人2本ずつポーション飲んで、2日休養しよう。ここに置いていくわけにもいかんからな」

パーティのリーダーがそう言うと野営の準備を始めた冒険者達

「奴隷どもは周囲の警戒していろ」

獣人達は背負っていた荷物をおろすと 手頃な木の枝を折り、簡易的な槍を作り出し2人1組で散っていく

魔道具のせいで逃げる事はできないが、意思をコントロールする事はできない

「あいつら失敗しないだろうな…せっかく奴隷から解放される機会だっていうのに」

獣人の一人がつぶやく

「まったくだ 俺達なら骨折くらいポーション1本で治るってのに、人間種はやわだよな。そのくせ偉そうで」

「ま、うまくいってもらわなきゃこっちも困るから 人間の為ってのは腹立つが、未来の俺達のために働いてやるか」

「そうだな」

小声で会話しながら周囲を警戒する 2日休養と言ってたが獣人達に休息の時間はないだろう


その頃トーヤは、ルインズの町 ラルズの鍛冶屋に来ていた

「鍋を作ってほしい 大きいの!」

「い、いらっしゃいませ…いきなりですね」

そう、森の北側を探索中に偶然てん菜の群生地を見つけたのだ。丁寧に掘り起こし 自分の畑に移植

うまくいけば砂糖が作れるのだ!これはやらなければいけない!

そんな訳で、糖分の抽出、煮詰めるための大鍋が必要になったのだ 普通に売ってる小さい鍋じゃ量がね…

「直径1mくらい 深さは最低50㎝ 蓋もよろしく! いくらになる?」

「素材はどうします?普通に鉄なら銀貨8枚ってとこですね」

「いいよ それで頼むよ」

「わかりました。3日後に取りに来てください」

「わかったよ、先に払っておくよ」

「毎度です」

砂糖があれば食生活が一気に変わるよね これは色々と楽しみだ、記憶を掘り起こしてレシピを思い出そう。

今日の残った時間は岩塩を掘りに行くか


適度に岩塩を掘り出し帰宅 そして瞑想に入る

えっと 砂糖があればソースが作れる…いやダメだ 確か味醂使うよな、味醂は餅米がないと作れないからなぁ 試しに味醂抜きで作ってみるか 明日は果物探しだな

後は 小麦粉に砂糖バターでクッキーが作れるのか、これも明日試そう。後はなんだ…


夜は更けていく…


  

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