おっさんアイラの実家に着く。
読んでいただいてありがとうございます。
アイシャを仲間にしたおっさんパーティーは無事にアイラの実家に着くことが出来た。
「ただいま!」
「……お邪魔します」
「アイラ怖いアイラ怖い……」
「すごいな、お城みたいだ」
アイラの家はまるでお城のように広い実家だった。
「お父様!」
そう言ってアイラは父親の元に向かった。
「アイラ! 生きていたか! 良かったぞ!」
父親は再開できたことを喜んで二人は抱き合った。
「うむ、人助けをするのは良いことだな」
「アイラによく似た別人がいる……」
「うぅ、なんて良い話なんだ」
暫し再会を喜び合った後に父親からお礼の話があった。
「我が娘の命を助けてくれた其方達に、何か褒美をせねばならんな」
「そんな滅相もないことです。 私たちはただアイラさんの実家を観に来ただけですので」
「それではこちらが困る! ベル爺よ、礼は要らぬというがせめて歓迎はさせて欲しい」
「まぁ、強いて断る理由もないですな」
「では」
そう言ってアイラの父親は手を鳴らす、アイラの実家の住み込みだろう、何人ものメイドや執事がテキパキと動いて行き、あっと言う間に歓迎パーティーが揃った。
「アイラの無事帰宅を祝して乾杯!」
「「「乾杯!」」」
宴が始まった。
「それにしても娘さんが帰宅したら毎回こんなに盛大にパーティーをするのですか?」
「いや、今回は特別だ」
「特別?」
「……言いにくいことなんだが、アイラを逃がそうとしていたのだ」
「逃す? 誰からです」
「勇者だ」
「……え?」
おっさんは冷や汗が垂れ始めた、もしかしてもしかしたらそうゆうこと?
「今回の人間の討伐隊は確かに強い、私の部下も何人もやられている」
「部下?」
「あぁ、しかもたった一人の……勇者の力が突出しすぎている」
「……」
「なんだよ放屁魔法って! 屁だぞ! なんで屁があんな殺傷能力あんだよ!」
おっさんは思った。 それ自分やん……
「あー、タイヘンデスネー」
「どうした急に片言になりおって?」
「イモタベル?」
「なぜに芋?」
おっさんは混乱した。
これってそうゆうこと? おじさんやらかしちゃった系?
おっさんは悩んだ、これまじ卍じゃね? やっちゃったんだぜ☆
「アイラちゃんのお父ちゃん」
「お父ちゃん!?」
「私に出来ることなら何でもしましょう!」
「お、おう……」
おっさんは贖罪することにした。
「それにアイラちゃん……」
「?」
「君を守ったのは運命だったのかもしれない……」
「ブフォ!」
アイラは口の物を吹き出した。
「な、何いきなり! 愛の告白?」
「どちらかと言うと罪だ」
「妻!?」
アイラの脳内には優秀な変換機能がついている。
「おじさん君達に出会って分かったよ、本当に……」
「何の話ですか?」
「哀れなおっさんの独り言さ、何の因果だろうな、アイラのお父さん」
「何だ?」
「私の名前はファウリンベル・エドワンス・フォン・グレートシュタイナーと言います」
「……なんだと?」
「みんなも聞いてくれ! 本当に短い旅だったが楽しかった! 君達に会えたことは私の財産だ」
——私はね、こんなおっさんで、臭くて、メタボで、ウザいけど——
——勇者なんだよ——
そう話した瞬間に扉が豪快に吹き飛ばされた。
「ついにここまで来た! 魔王! お前を倒しに来た!」
勇者の仲間たちだった。
「……アルフレッド、アリス、マリア、サーヤ久しぶりだね」
「……え、おっさんが何でここに?」
「道に迷ってね」
「フッ、おっさんらしいな」
おっさんは両手を広げて芋を二本同時に食った。
「君たちを魔王の元には行かせない」
「……裏切ったのか?」
「そうではない、魔王も君たちに攻撃させない」
「どうゆう事だ?」
「私は今から人間と魔族の……」
——恒久平和を宣言する!——
おっさんは倒すでもなく、裏切ることもなく、第3の選択肢を選んだのだった。
短い話になりますが、まぁもともと短いプロットだったので次で終わります。
その後おっさんが歴史的にどうなったのか簡単に話します。
できれば明日、早ければ今日中に更新します。