ドラゴンは酒にめっぽう弱いというなら、子ドラゴンは芋に弱い。
続きを読んでいただきありがとうございます。
なんか展開がカオスになってきました、でもにゃんにゃんしないとね! 可愛い子入れないとなぁ!(前言通り)
地図を片手に散策するおっさん。
「ねぇベル爺、ここ寒くない?」
「ん? おかしいな? もうすぐで目的地のはずだ」
「私の記憶に何一つ合致しないんだけど、ほんと何処ここ?」
目の前には地平線まで続く氷河の大地だった。
「え〜っと、まず目の前に湖があるだろ」
「氷だね」
「で、右が迷いの森だろ」
「氷だね」
「左が瘴気の谷だろ」
「氷だね」
「……」
「……」
「……ここはどこだ?」
「さぁ?」
二人は未踏の地で迷子になった。
「アイラちゃん……この地図壊れてるみたいだ」
「あれ? ベル爺、これ地図逆さじゃ無い?」
ツッコミ不在の天然二人の様子をご覧下さい。
「はぁ、こりゃたまげた、逆さ読みが正解なのか」
「みたいだね〜」
「だとすると……ほうほう此処は地図で言うと王都だな」
「へぇ〜、人間の王都って氷で覆われてるんだね」
「私がいない間に、様変わりしたなぁ。都会はすごいなぁ」
「おい! 一体いつまでそれ続けてるんだ?」
話していたら、正面にちっこい女の子がいた。
「あら? かわいい子! 名前は?」
「なぁアイラちゃん? じゃあ此処どこだ?」
「無視!?」
「……おや?」
おっさんが前を向いた時、青い髪の幼女がいた。
「よぉ! 人様の縄張りで余裕ブッこきやがって」
「余裕はこいてないけど、屁はブッこいてるな」
「はぁ? お前いつ屁したんだよ! くっせぇな!」
「5時間くらい前から」
「なっげぇな?!」
ガミガミと騒ぐ女の子だ、おっさんは説教した。
「人様をお前呼ばわりするんじゃ無い!」
「……え?」
「ちゃんと名前で呼ぶように!」
「あ、はい」
「分かればよろしい!」
え、何こいつウザ!
「なぁそこの女、こいついつもこんな感じか?」
「こんな感じです」
「……苦労するな」
「??」
あ、こいつもダメなパターンだ。
「取り敢えず此処は俺の縄張りなんだ! タダじゃ通さねぇ!」
「こんな寒い所に?」
「フッ、これは仮の姿さ! 俺は伝説のドラゴンなんだぜ!」
幼女は胸を張る、見事な平原だ。
「ドラゴンの人間姿か……」
「そうだ! 見て驚いたか! お前らなんか一飲みだぜ!」
「へぇ〜」
「……なんか反応薄いな」
「いやぁ、私ドラゴン倒してますし」
「…………は?」
「東の果てに居たドラゴンを倒したことありますね」
「え? 嘘だろ!」
「本当だぞ」
「だってこの間の正月に東の叔父さん居たもん! ピンピンしてたもん!」
「あぁ、討伐後忍びなかったので『屁リクサー』渡したら治ったぞ」
「屁リクサー?」
「私特製の薬だ!」
ちなみに、屁リクサーは芋焼酎っぽい味わいがする。
「嘘だ! 証明出来るのか!」
「証明? あぁ、あれ見せればいいか……」
そういって屁リクサーを見せる、そこには……
——ニーズヘッグオススメの一品——
「叔父さぁああん??!」
幼女は衝撃を受けた、嬉しそうに写真にうつる叔父さんが居た。
「この人だろ? 叔父さんって」
「本当だ……なんでこれを?」
「なんか屁リクサーが気に入ったらしい」
「叔父さん何してんのぉ?!!」
どこかの売れっ子シェフの様に腕を組んで良い笑顔だった。
「お前? 叔父さんと友達なのか?」
「うーん、まぁ飲み友だな」
「じゃあいいや、ドラゴンの友なら好きに通ってよ」
「おぉ、ありがとう。 お礼に芋食うか?」
なんかお礼に芋をくれた、甘くて美味しい。
「モグモグ、お前この芋うめぇな!」
「お前じゃ無いぞ、ベル爺と呼ばれている」
「そうか……ベル爺、もっとくれ!」
「仕方ない、ほれ!」
2本目を無事にキャッチ!
「なぁ、お前の芋なんでこんなにウメェんだ?」
「私が丹精込めて作ったお芋だからな!」
「すげぇ! これは叔父さんも唸る訳だ!」
「そうだろう? そうだろう! 分かってくれるか!」
おっさんは有頂天になった。
「まだ子供なのに、味の違いが分かるか! 偉いぞ! おっさんと一緒に来るか?!」
「うん、行く!」
「え?……私許可してないんだけど……」
そうして青い髪の俺様幼女が仲間になった。
驚異の会話率。
明日、できれば投稿します。
よければよろしくお願いします。