人の感性は人それぞれって一番よく言われてるから!
読んでいただきありがとうございます。
うーん、この展開の遅さ、次から早くします、すいません!
「アイラの家は北か……」
おっさんは地図を見ながら歩いていた。
「ねぇおじさんってなんて呼べばいいの?」
「ん? そうだなぁそういえばおっさんとしか呼ばれてなかったなぁ」
「それ本当にパーティーだったの……」
おっさんは仲間からおっさんと呼ばれていた、あまりにも名前が長いのでみんな忘れていた。
「じゃあ私があだ名を決めるわ」
「おぉあだ名か! なんか若いな!」
「え……そうなの?」
「うん、ナウいぞ!」
「え? ん? ナウい?」
「ハハハ、アイラは遅れてるな! ナウいって言うのは若いって意味だ!」
違います。
「まぁ、いいわ。それでファウリンベルからベル取ってベル爺でいい?」
「ん? 爺?」
「可愛いでしょ? 爺?」
「可愛い??」
おっさんは若い人の感性について行けてなかった。
「まぁ、それでいいか」
「じゃあこれからベル爺って呼ぶね!」
笑いながら一緒に歩く少女をおっさんは微笑んで見守る、完全にアウトの光景。
そんなゆるーく始まった旅だが、最初のイベントが来た。
魔物襲来。
「ん? 何かがくるぞ?」
「え? 何かって何?」
「うーん、あっちから臭う」
「凄い嗅覚ね……」
「一応索敵はしていたからな」
「いつの間に……」
おっさんは抜かりなく屁をこいて周りに薄く散布していた。
おっさん流索敵術「屁コイティング」である。
「ガルルルル!!」
虎のような獰猛な魔物が牙を剥き出しにして威嚇していた。
「ベル爺! 魔物だよ!」
「アイラちゃん大丈夫だ、私に任せてくれ」
そう言っておっさんは芋を食う。
「え? 何してんの?」
「芋を食うと一時的にパワーアップするんだ!」
「何そのヘンテコ能力」
「よし、エネルギー充填完了!」
そう言うと、おっさんはケツから輝く1本の刀が出て来た。
「……果てしなく汚いけど一応聞く、何それ?」
「ん? これか? これは『屁イトセーバー』だ!」
おっさんの屁は自由自在なのだ、剣だって作れちゃうぞ!
「てやぁ!」
おっさんの一閃が煌めく、凶暴な魔物はその剣筋を避けたかに見えた。
なのに着地した瞬間、泡を吹いて倒れてしまった。
「なんで? 当たってなかったよね?」
「いや、当たっていた……」
そう、避けたと思われた攻撃は届いていた。
異臭が、屁の匂いが。
「……またつまらぬ物を出してしまった」
「……なんか、私あなたがパーティーから解雇された理由が分かった気がする」
「え? 本当かい?」
そんな輝いた目で見ないで欲しい、これは確かに解雇されるわ。
だけど、そんなおっさんをアイラはなんだか可愛いと思ってしまった、アイラの感性もぶっ飛んでいる。
「まぁでも、いいんじゃない?」
「何がだ?」
「そのままでも……さ!」
「なんで?!」
おじさんは頭にハテナマークを浮かべながらアイラの発言の意味がわからなかった。
アイラはそんな首をかしげるおっさんを見て笑っていた。
明日できたら更新します。