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蓮華色の記憶  作者: 智×悠
11/13

浴衣の君が眩しくて。

夕方の暑い道を歩いているとき、ふと上に気配を感じた。

「何!?」

上を見ると、黒い大きな影が西の方へ飛んで行くのが見えた。

カラスか?と思ったが、明らかにカラスとは違うようにも見えた。

一体あれは何だったんだ!?


テスト後は暑さでぼんやりしたまま終業式が終わった。

次の週末には少し西の光陽(こうよう)墨田(すみだ)町で、七夕祭りが行われるらしい。クラス内にも何人か行く人がいるみたいだ。

オレも行ってみたいと思っていたのだが、なかなか行ける人がおらず行けなかった。

「ねーねー蓮華、一緒に七夕祭り行きたいなぁ〜」

「ゲッ!!蓮架、本気か!?」

「私はいつでも本気やぉ〜?」

「しょうがねぇなぁ。」

こうして、墨田の七夕祭りに行くことになった。



路線バスを乗り継ぎ、墨田の七夕祭り会場にたどり着いた。

今年は人気歌手、女王BACHIの3ヶ月ぶりの復活ライブってだけあって大盛況だ。

でもオレが今冷静さを保てないのは、隣にいる悠蓮架のせいだろう。

オレンジ色の浴衣を着て隣を歩く悠蓮架は、学校で見るよりもずっと小さく見える。

「あれれ〜?智輪蓮華〜、なんでこっち見てくれないの?」

「い、いや、見るよ・・・」

眩しい。とても眩しい。

「も、もうすぐライブ会場だよ・・・」

あと少しで会場だが、その1つ前の道まで人で埋め尽くされていた。

「これじゃ女王BACHIがほとんど見えないね・・・。」

「ああ。」



いよいよ、ライブが始まるようだ。

今まで聞いたことのないような歓声とともに女王BACHIが登場した。

しかし、何かがおかしい。

「なぁ、悠蓮架。おかしくないか?女王BACHIってあんな変なオーラ纏っとったっけ?」

「やおな。あんな毒々しいオーラは前までなかったよな!!」

確かに、前と違って曇った血のようなオーラが覆っていた。

心配をよそにライブは始まった。

1曲、2曲と続き、3曲目が1番人気の曲で、女王BACHIが飛び上がるパフォーマンスがあるのだが、飛び上がった途端、会場が異様な気配に包まれた。

前の方にいた人たちの大半が倒れ込んでいるようだ。

叫び声のような救急隊の声によると、原因不明の湿疹のような症状が多数発生しているという。

一旦ライブは中断したが、オレたちはステージの方へ歩いて行った。

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