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運と仲間でファンタジー  作者: 旧正 睦月
終章「世界」
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第九十三話「転送先」

 俺達が転送させられた先はこの二日間通っているスウン森だった。しかし何故か大慌てでギルドの職員らが走り回っている。

 その中にはいくつか見知った顔もあった。

「おーいマルス。何でこんな所に居るんだ?」

 走っていたマルスを呼び止める。

「何でって……ギルドから呼びかけられただろ。つかお前こそいつの間に来たんだ?」

「たった今。それより何が起こってるんだ?」

 事情を知ってそうなマルスに尋ねてみる。職員まで現地に出張ってくるなんてそうそうある事じゃない。

「すまん、忙しいんだ。それについてはそこに居るシルヴィさんにでも聞いてくれ。じゃあな」

 それだけ言うとマルスは何処かに走っていってしまった。とりあえず言われた通りシルヴィさんに何があったか聞いてみるか。

「シルヴィさん。何があったか教えてくれませんか?」

「おやラックとティルシアちゃんじゃないか。待ってたよ」

 シルヴィさんは周りに色々と指示を出していたが、それを止めて俺達に話し始めた。

「まず事の始まりだけどね、今日の早朝に地震が起こったんだよ。それだけなら大して珍しくもないから終わるはずだったんだけど……」

 シルヴィは言いにくそうに言葉を詰まらせた。というか地震が起こったことすら初耳なんだが。それはこの際どうでもいいか。

「だけど何ですか?」

「……その地震を記録してた職員がね、とんでもない事に気が付いたのさ。その地震はあまりにも綺麗に魔法陣の形をしてるってね」

「魔法陣? 魔法陣って今では使われなくなった古代のアレですか?」

 魔法陣が使われなくなったのには理由がある。それは現在、手軽に魔法を出せる技術が発展したからだ。魔法陣をいちいち書いていくのは時間がかかる。だから手軽に出せる技術が広まった。

「そう、その魔法陣。それでギルドの魔法に詳しく別の職員が調べたんだけど、何故かどの本にも載ってなかった」

「載ってなかったんですか。不思議な事もあるもんですね」

 大抵の事なら調べられるだろうに、載ってないって事はそれほど重要な情報だったんだろうか。

「うん。だけど魔法陣には決定的な共通点があってね、発動する時には必ず中心に居なきゃいけないのと発動命令を送ってから実際の発動までタイムラグがあるの。それは魔法陣が大きいほど長い」

 へえ、魔法陣にはそんなデメリットもあったんだな。初めて知ったぞ。

「それで本当に魔法陣なら中心に誰かが居るはずだって調査した結果、中心はこの森の中にあるらしい。もし本物の魔法陣ならこんな巨大なものを発動させる訳にもいかないから急遽人を集めて今に至る、という訳じゃよ」

「なるほど。状況は理解しました。それで俺達は何をしたら良いんですか?」

「そうそう、それなんだがね。何故かこの森には入れないように魔法結界が貼られてるの。だからあんた達にはそれを壊した後、私を案内して欲しい」

 別に構わないが、それって危なくないか? だってギルドのトップが敵の陣地に入る訳だろ。と、思ったが今はそんな押し問答をしている場合では無いので従っておこう。

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