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運と仲間でファンタジー  作者: 旧正 睦月
終章「世界」
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第九十二話「朝食の邪魔」

 ティルシアが用意したトーストやサラダなどの朝食を食べていると来客か来た。

『ラック様! ラック様は居ますか!?』

 そいつは家の外から俺達を呼んでいて、何やら焦っているようだった。

 やれやれまた面倒事か。

「じゃあちょっと行ってくる。飯はそのままにしといてくれ」

「はーい」

 ティルシアに朝飯を残しておくよう伝え、玄関を開いて外からの呼びかけに応じる。外で俺達を呼んでいたのはギルド職員の制服を着ている若い男の子だった。

「はいはいラックです。何かあったんですか?」

「緊急事態です。ティルシア様も居られますか? 居られるのであれば呼んでください」

 その男は息を切らせていて、緊急の用事であることを示した。

 ティルシアもって事は何か俺達に関係ある事なのか。

「分かった。おーいティルシアー! 出てきてくれー」

 玄関先から中で朝食を食べているティルシアを呼ぶ。ティルシアは中から返事をして、ドタドタと出てきた。

「お二人様、早急に戦闘用意をお願いします。一番強いセットを準備してください」

「別に構わないが……状況を教えてくれ」

「すみません、今は一刻を争う事態なのです。無礼なのは承知していますが話していては時間が無くなってしまいます。なので何も聞かず用意してください」

 男の目には焦りの感情が浮き出ていた。こりゃあ只事じゃないな。

「そうか、なら後で話す事を約束してくれ。それでいいかティルシア?」

「ええ。随分と焦っているようですし早く安心させてあげましょう」

 そう言うと俺達は家の中へ戻り各自準備を始めた。

 とりあえず近距離は神器でカバー出来るから必要ないとして、遠距離は……投げナイフでいいな。弓とか使ってたら逃げられちまう。その点投げナイフは出が早いから多分イケるだろう。

「よし、これでいいか。朝飯は冷蔵庫に突っ込んどいて、と」

 俺はすぐに終わったが、ティルシアはまだのようだったので食べかけの朝飯を片しておいた。

「お待たせしました。準備完了です」

「ん、じゃあ戻ろう」

 玄関に行くと、男は俺達が化け物を退治した時に使ったのと同系統のマジックジェムを出していた。

「何してんの?」

「あ、お二人様。準備は出来ましたか?」

「おう。さ、聞かせてもらおうか」

「分かりました。ですがそれは御本人から聞いてもらった方が宜しいかと存じますので、今から私があなた方を転移させます」

 言い終わるか終わらないかという内に男はジェムを解放し転移魔法を発動させた。俺とティルシアの身体が光に包まれ、転送が始まる。

 一体朝飯を邪魔しやがったのはどこのどいつだ。くだらない用事だったらぶん殴ってやる。

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