第四十三話「終了」
四十三話が四十二話と同じ内容になっていたので直しました
有効な策が見つからないまま時間だけが過ぎていき、気付いた時には残っているのは俺とマルスとティルシアだけだった。
「うーんもう少しで終わってしまいますね。私の見込み違いでしたか。ま、五十人相手はなかなか楽しめましたし良しとしますか」
「まだだ! まだ諦めねえ!」
「そうです! 何か出来ることはあるはずです!」
「いい事言うじゃねえか嬢ちゃん。……んじゃま、後は任せたぞ。ラック」
マルスはそう言うとプラートに全力で攻撃を仕掛けた。必死で武器を振り回すが、現実は非情で一撃も当たらない。
「はいまた十五秒経ちました。あれ? 今何人目でしたっけ。後でゆっくりと数える事にしましょうか」
「むっ、ぐっ、ぐあああああ!」
マルス……お前の犠牲は無駄にはしない。必ず攻撃を当ててやる!
あいつはスピードが速いうえに空中でも動ける。ただの人海戦術では全て躱されてしまった。ならばと自由に身動きが取れないように空中に飛ばせても攻撃は撃ち落とされる。攻撃の直後の隙に仕掛けても弾かれた。……ん? 攻撃の直後の隙……これだ!
「ティルシア! 耳を貸せ!」
「……はい……えっ!? そんな、危険すぎます!」
「危険は承知だ。でもマルス達もあそこまで体を張ったんだ。やるしかねえんだ。分かってくれ」
「そこまでの覚悟ならもうやるしかありませんね。成功を祈りましょう」
「作戦会議は終わりましたか? 残りは二人しかいませんが、精々醜く足掻いてくださいな。行きますよ、それっ!」
プラートは予想通りティルシアに突っ込んでくる。チャンスは一度きりだ。
「……ここだ!」
プラートがハンマーを振りかぶった瞬間プラートのいる場所に飛び込み、抱きつく。速すぎるスピードの為急には止まれない。
振りかぶっていてバランスが悪く、俺が突撃して抱きついたのでその場に倒れ込むことになった。
「なっ……!?」
「やれティルシア!」
俺の合図でティルシアが爆発魔法を放つ。魔法は広範囲なうえ、俺を引きずってはそう速くは動けない。
「ああああああああああ!!!!」
「逃がすかボケェェェェェ!!」
プラートは何とか脱出しようとするがさせない。力を振り絞りプラートを引き留める。
力の比べ合いをしているとプラートの俺を引き剥がそうとする力が抜けた。どうやらダウンしたようだ。
ああ、俺ももう体の感覚が無くなってきた。こりゃダメだな。俺は死ぬのか……痛いのは嫌だなあ。
そんな事を考えていると、不意に俺の視界が閉じ、暗くなった。