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運と仲間でファンタジー  作者: 旧正 睦月
第一章「久しぶりの仕事」
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第四話「異変」

 翌日、昨日と同じようにティルシアの声が響く。

「ラックさーん起きてくださーい、朝ですよー」

「むう……。起きてる間と寝てる間の時間の流れが同じだとはどうしても思えんな」

 絶対三倍速くらいで流れてるだろ。

「はいはい。いいから朝ごはんを食べてください、冷めても知りませんよ?」

「えーまだ寝てたいー。それに冷めたらティルシアに温めてもらうからいいじゃん」

「私はレンジか!? そんなことばっかり言ってると朝ごはん抜きにしますよ」

 それは困る。ティルシアの飯はかなり美味いんだから。

 俺はティルシアに冗談だよ。と言いながらベッドから降り、ティルシアの作った朝食を食べた。

「ーーご馳走様でした。あー美味かった。さて、腹ごしらえもした事だし一丁働きますか!」

 その言葉を聞いたティルシアが信じられないものを見たような顔で、武器の杖を構えた。

「あなた……さてはラックさんじゃありませんね? 本物のラックさんを何処にやったんですか!」

 おっ、何だこいつ。面白そうだから乗ってやろう。

「クックック……バレてしまってはしょうがない。如何にも俺様は偽物さ! 本物の場所を教えて欲しかったら俺を倒す事だな! ま、お前みたいなちびっ子じゃ「そうですか」無理だろうけーーへ?」

 光速。そう言い表わすしかないような速さで向かって来たと思った時には、既に俺は宙に浮いていた。身体中に激痛が走りぶん殴られたと気付いたのは数秒後の事だった。

「いってえええええ! マジで痛え! おいティルシア、何なんだ今の動きは! さてはお前人間辞めてるだろ!?」

 間違いない。ただの人間には残像が見えるほどのスピードで殴りつけるなんて芸当は出来ないはずだ!

「嫌ですねーラックさんは。こんなうら若き乙女を捕まえて人間辞めてるだなんて。年頃の女の子に言う台詞じゃ無いですよ! それと私の事をちびっ子とか言った罰です」

「え、だってそれはお前本当のこ「もう一発欲しいですか?」ごめんなさい」

「仕方ないですね、仕事が終わった後に甘いものを奢ってくれたら許してあげます」

 ああ……また小遣いが飛んで行く……。

 しかしここでケチってヘソを曲げられるよりは良いと判断し、渋々ながらも了承する。

「じゃ、早速行きましょうか」

 いつか絶対に復讐してやる……!


ーーーー


 昨日と大体同じ時間にギルドに到着する。ギルド内はそれほど騒がしくなく、今日はあまり人が居ない事が分かる。どうやらマルスも居ないらしい、あいつが居ないなんて久しぶりに見た気がするな。

「うーん、今日はあんまり人も居ないみたいだし休もうぜ」

「駄目です」

 キッパリと即答で却下されてしまった。これ以上食いさがるとさっきのアレが飛んできそうなので止めておこう。

 気を取り直してクエスト一覧表を見ると、中々好条件なクエストがあった。

「ティルシア、このクエスト良くないか? 見ろ、内容はガジャ・イモの納品で、ガジャ・イモは近場のトスイ平原に自生してるはずだからすぐに集まる。それで報酬は一二〇〇〇ガルと来た。やらない方がどうかしてるってもんだぜ」

「うん、納品数もそんなに多く無いですし、良いですね。是非やりましょう」

 よしじゃあ受けてくる。とティルシアに伝え、受付に急いだ。

 しかし俺達は好条件のクエストを見つけた事で浮かれていたのだろう、『トスイ平原に巨大モンスターの目撃情報アリ。向かう者は特に注意されたし』という張り紙に全く気付いていなかった。この時、疑問を持つべきだったと思う、取り立ててイベントも無いのに人数が少ないという事に。

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