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プロローグ

 俺はリクルートスーツをビシっと決めて右手にカバンを持ち、横断歩道手前の最前列で信号待ちをしていた。運搬用トラックが、バスが、乗用車が自分の目の前を右に左に通り過ぎていく。


 俺の名は楠木正和くすのきまさかず、二十二歳大学生。俺は今から今回で受ける企業十社目となる、とある企業の面接試験を受けに行くところだ。


 落ちた企業は数知れず、何度もエントリーシートを書き、何度も数多の面接官から繰り出される質問に猫を被って答えてきた。今回こそは内定を貰いたい。


(大丈夫、予習はしてきたし九回も同じことを繰り返してきたんだ。今回、今回こそ内定をもらえるはずだ!)


 心の中で頑張れ俺とガッツポーズを作る。そんな時、横断歩道の信号が青に変わった。横断歩道へと足を踏み出す。


「きゃーっ!」


 突然後方より女性の叫び声が聞こえた。何だ? と思いながら振り返る途中で見てしまった。


 白い乗用車が迫り来るのを。


 乗用車のフロントガラスから運転手の表情が伺え、口を大きく開き目を見開いていた。減速し始めるが既に手遅れ、俺は突然の出来事に動くことが出来ず、その場に立ち尽くして向かってくる乗用車を迎え入れた。

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