【第二章 進行する不安】8話 脆い作戦
9月25日
私と大崎君と小暮さんに
どんな共通点があるのか気になって
そればかりを考えていた。
性格、趣味、好きな物、好きな事
3人で思ったことを言い合って
どんな小さな共通点でもいいから見つけようとしていた。
何かの、手掛かりになるかもしれないから・・・・
クラスの人数は30人
来なくなったのが12人
そして今日来ていないのが
出席番号15番の佐野さん。
そんな事を考えていると
「僕たちで、今起こってる事の真相をみつけられないかな?」
急に大崎君が言った。
「真相?」
「そうだよ、せっかく僕たちには何もなくて
学校に来れてるんだから僕たちにできるなら、やってみないと」
その言葉は、いつもの大崎君からは想像できない言葉だった。
岩山が居る時の大崎君は
なるべく巻き込まれないようにしていたのか
おとなしいイメージがあった。
私は大崎君の言葉が、妙に心に響いた
「私も、そう思う」
小暮さんもそう言った
「私も学校で起こってることを解決したい
そして、学校に来てない人がどうなったのか知りたい」
私も賛成した。
「それ、俺たちにも手伝わせてくれないか?」
私たちの話を聞いていたのか、
洋介と出席番号22番の能世 美咲さん
さらには、青田をいじめていた高崎と津田まで居た。
「俺、もう明日には来れなくなるけど
せめて、俺に何かが起こる時に、
お前らの手掛かりになる事を紙に書いて
落とすぐらいは手伝いたい」
「確かに俺たちは青田をいじめてたけど
俺も高崎も、岩山が怖かったんだ
俺たちが青田をいじめていた以上
無関係じゃないから」
高崎、津田がそう言うと
小暮さんが
「その言葉本当よね?真剣だよね?」
怒ったように言った。
「ああ、俺たちは本気だ」
二人の目は真剣だった。
「じゃあ、私が考えた作戦を言うわね」
みんなが首を縦に振ると
「まず、高崎は今日何かが起こるだろうから
津田といっしょに帰って、
別れた後、津田はこっそり、高崎の後をつけて
高崎に近づいてきた人の特徴をよく見ていて」
「わかった」
二人が承諾すると続けて
「それから、明日になったら津田から
高崎に近づいてきた人の特徴を聞くわ」
津田はそう言われてすこし緊張しているようだ
「そこから、全力でいろいろ調べるの」
みんな、一斉に「わかった」と言った。
小暮さんが高崎と津田に
「危険だから、今日は気をつけて帰るのよ」
心配そうに言った。
次の日 (9月26日)
思いもしなかった事になった
高崎が来ないかもしれないことはわかっていたが
津田までもが来なかった。
「そんな・・・・」
私も小暮さんも大崎君も
肩を落とした。
今まででは1日に2人が来ないということはなかったのに・・・
私は胸騒ぎを必死に抑えてた。