【第二章 進行する不安】7話 つかの間の希望
「咲さん」
「美坂先生!」
私の肩を掴んでいたのは美坂先生だった。
「今までの通りだと
次は貴方だと分かったから、
急いで後を追っていたの」
それを聞いて一安心した。
「一人で帰っちゃ
危ないし、先生と帰らない?」
「はい、わかりました」
先生と帰りながら
今まで学校で起こった事と
私がそれについて考えている事を話した。
先生もいろんな話をしてくれた。
そのまま先生は私を家まで
送ってくれた
「今日はありがとうございました」
私がお礼を言った後
「いい?今日は外に出ちゃだめよ」
美坂先生がそう心配してくれた
「はい、わかってます」
私が返事をすると
先生は帰って行った。
私はすぐに家の中に入って
2階の自分の部屋に向かった。
そして鞄からノートとシャーペンを取り出し
もし、私に何かあった時のために
一心不乱に学校の事すべてを書いた。
お母さんか、誰かが見て、きづいてもらうために
その後いつも通りに夕ご飯を食べ
お風呂に入り、ベットに身をうずくめた。
でも眠れなかった。
やっぱり怖いものは怖い。
寝たら、何かが起こりそうで。
こんなにも寝たくないと思ったことはなかった。
何かをしていないと落ち着かない
編み物でもしていようかと
机に向かった。
しばらくして目が霞んできた。
・・・・・・
「・・・・・・・き・・・」
「・・・・さ・・き・・・」
「咲!起きなさい」
気が付くと、
お母さんが私の肩をゆすっていた。
どうやら寝てしまっていたようだ
起きたときはもう朝だった。
「下を見て見なさい」
そう言われて
窓から下を見てみた
すると美坂先生がこちらに気づき
笑って手を振ってきた。
私は急いで準備をして外に出た
「美坂先生ごめんなさい、遅くなりました」
「いいのよ。それより何もなかった?」
「はい、大丈夫です」
「よかった。じゃあ行きましょうか」
先生と学校に向かった。
もう少しで学校に着くところで
急に美坂先生が私の手をつかんで
「ちょっと走るわよ」
私は言われるまま
美坂先生と一緒に走った。
学校の門をくぐると
美坂先生が足を止めて
「大丈夫?」
「は、はい」
その瞬間にチャイムが鳴った。
私は教室に急いだ
教室に入ると
「咲さん!よかったわ」
小暮さんと女子のみんながかけよってきた。
「私は助かったの?」
「そうよ、咲さんは学校にこれたでしょ」
私は体から力が抜けるのがわかった。
しかし安心したのもつかの間。
「佐野さんは?」
佐野さんは、私の後ろの席の女の子。
「来てないわ」
私は複雑な気分になった。
これで私を入れて3人が助かった
私にも小暮さんや大崎君と共通点がある。
自分の記憶を何度も振り返ったが
何も解らなかった。