【第二章 進行する不安】6話 共通点
9月23日の昼休み
小暮さんが来たことで
私の中の疑問が膨らんだ。
小暮さんは来ているけれど、
小暮さんの後ろの席の木霊君がいない。
もうそこまで、私の番が迫っている
この前に何もなかった大崎君、
今回何もなかった小暮さん、
「何か、共通点はないのかしら」
急に話しかけられ、びっくりした
「あ、先生」
話しかけてきたのは、
副担任の美坂先生だった。
「あなた、そう考えているでしょう」
少しほほえみながらそう言った。
「私も、不思議に思っていたの」
「そうなんですか」
先生もまた
今の現状を不思議に思っていたようだ。
青田君の自殺から
美坂先生はしばらく学校を休み、
自身でいろいろと調べていたらしい。
家に帰って
私はお母さんに
今学校で起こっている事
みんなが出席番号順に来なくなっている事
これから私に何かが起ころうとしている事
すべてを話した。
話しておかないと、不安に押しつぶされそうだったから。
お母さんは心配そうに
話を全部聞いてくれた。
夜ご飯を食べて、お風呂に入り
ベットに横たわり、いろいろ考えた。
すると変なことに気が付いた
{なんでみんなの親は学校に連絡しないんだろう?}
考えてみたらおかしい。
普通、自分の子供が居なくなったら
学校や警察に連絡するはず
明日先生に聞いてみよう。
そう思いながら眠りに落ちた。
9月24日
今日はやけに人が少ない
やはり、自分のすぐ前の席の男子がいない
とうとうこの日が来てしまった。
でも最後まで
この疑問をほおっておくことはできなかった。
数分経って先生が教室に入ってくると
すぐにかけよった。
「あの、先生みんなの・・・・・・」
「お、桜か、今日は洋介熱で休みだそうだ」
先生が私の話を切るように言った。
「あの!先生・・・・・」
「さぁ、授業を始めるぞ、
席につけ」
私はそれ以上、聞くことができなかった。
授業がおわって帰ろうとすると
みんなが、心配そうに
こちらを見ていた。
「私は大丈夫よ、じゃあ、また明日ね」
そそくさと、学校を後にした。
帰り道はやけに寂しかった。
自分の足音だけが反響する。
しかし、途中から音が増えた
{なにか・・・ついてきてるの・・・・・?}
その音が、だんだん近づいてくるのがわかった。
思い切って振り返ってみた。
後ろには誰もいない
私は少しほっとした。
しばらくの間、足音は聞こえなくなっていたが
少しすると、また足音が聞こえてきた。
私は少し足早になって、家に急いだ。
それでも音は近づいてくる。
そして、ついに肩をつかまれた。
私が振り返ると………