【アナザー】最終話 最初で最後の物語
僕が中学生の時に書いたエンディングです。
都合がいい感じの話になっていますが
そこは・・・まぁ
まだまだ子供でしたので・・・w
今、私の目の前にある真相の姿は
本物?それとも嘘?
できるなら嘘であってほしかった。
私の目の前に居る
その真相の姿は・・・・・・・
「あ・・・・あお・・・・青山・・・・刑事・・・・・なの?」
青山刑事そのものだった。
その隣にいたのが、美坂先生を車で送って行った、
青山刑事の後輩の人。
洋介も、小暮さんも、驚愕していた。
いや・・・・・・
たぶん、洋介と小暮さんは
青山刑事より、その隣に居る人に驚いているのだろう
私も信じたくなかった。
それなのに・・・・それなのに・・・・・・
頭が勝手に理解しようとする。
「美坂先生!!どうして!?」
「・・・・・・・・」
美坂先生も、青山刑事も黙り込んでいる。
「そんな・・・・・・」
小暮さんは下を向いて、涙をこらえているようだ。
「マジかよ・・・・」
洋介さえも、目を見開き
3人を見ていた。
「本当に・・・・青山刑事が・・・・この事件を?」
「・・・・・・・・」
私が問いただしたが
3人は黙ったままだった。
すると、洋介が
「何とか言ってくれよ!!」
そう叫んだ。
「・・・・・・・・だ」
「?」
「その通りだ・・・・」
その言葉だけは聞きたくなかった・・・。
「2年A組の生徒を消したのは
この俺だ」
沈黙の時間が続いた。
私は口を開いて
「・・・・・・・・何のため・・・・・ですか?
何のために、みんなを消したんですか!!!」
そう問いただした。
すると、
「青山さん、俺が話しましょうか?」
青山刑事の後輩さんが言った。
「いや、俺が自分で話す」
数秒経ってから
青山刑事が話し始めた。
「俺の本当の名前は 青田 晴翔、
青田 春樹の父親だ」
「え?」
「そしてあの日、春樹が自殺したと連絡があった」
「俺はすぐにその自殺の担当に志願した、
そして、2年A組を見た」
「驚いたよ、生徒みんなが
岩山の言いなりになってたからな」
あの時に、すでに気づいていたんだと
私は思った。
「その日からだったかな・・・
俺が2年A組に対して
恨みを持ち始めたのは・・・・・」
「春樹は・・・・・
家では何も言わなかった。
いじめられてるなんてわからないほど
明るい性格だった」
確かに、青田君は明るかった
友達もたくさんいたようだ。
それが、岩山の気に触ったのかな。
「今思えば、明るく振舞っていただけかもしれない・・・
親に心配をかけないように」
「・・・・・・・」
あまりの事実に
私たち3人は、黙り込んだ。
気が付くと
青山刑事の頬には
涙が流れていた。
「バカ野郎・・・・
頼ってくれてもよかったのに・・・」
「だから、クラスのみんなを
消していったんですか?」
小暮さんが、青山刑事・・・・・いや、青田 晴翔さんに聞いた。
「その通りだ」
長い沈黙が続き
私たちは、頭で必死に理解しようとしていた。
少し経って
「あの・・・・美坂先生は・・・
どうして?」
私が一番気になっていたことを聞いた。
「私は、最初からやっていたわけではないの」
「・・・・・・・」
「私が参加したのは
咲さんが、ターゲットになった
すぐあとよ」
「私も、自分のクラスの子供が
自殺するなんて思ってもいなかった。」
「私が、青田君の自殺を聞いて
自分を恨んだわ・・・・・
私がもっと、ちゃんと見ていれば
こんなことには、ならなかったかもしれない」
「そして私は
誰が青田君をいじめたのかを調べたの。
それですぐにわかったわ、
岩山だってことを」
「でも、よく考えたら
クラスの誰からも
青田君がいじめられてるなんて
聞かなかった」
「そんなクラスは
消してしまった方がいいと
思っていたら
青田君のお父さんの考えを聞いたの」
「そして、私はそれに参加した」
その言葉に
納得してしまう自分が怖かった。
「消したって、具体的にどうしたんですか?」
「・・・・・・・・」
私が聞いても、
話してくれなかった。
しかし、少ししてから話してくれた。
「誘拐して、殺したの」
「!?」
「そこまでしなくても・・・・」
洋介は、顔をしかめていった。
「みんな・・・・・・死んだの?」
小暮さんは、ショックを隠せなかった。
私は、もう一つ聞いておきたかったことがあった。
「みんなを殺したんなら
なんで私たちを助けたんですか?」
すると、
今まで黙っていた青田君のお父さんは
「君たちは、話してくれたから・・・・・・
事情聴取をしたときに
ちゃんと、真実を話してくれたからだよ」
「そうだったんですか・・・・」
それからは、無言の時間が過ぎ
外はもう真っ暗で何も見えなかった。
すると、青田君のお父さんが
「俺たちはもう行くよ
捕まる準備はできている
あわよくば、死刑になって
春樹のもとに行けたなら・・・・・・」
それを聞いて
私の体は自然と
青田君のお父さんの頬をたたいていた。
パチッという音が辺りに響いた。
「そんな事、春樹君は望んでません!!!!」
「・・・・・・・ッ」
その行動に、みんな驚いていた。
「あなたは間違ってます!!
死ぬなんて考えないでください!」
「でも・・・・・俺は・・・・・もう・・・・」
「あなたは、みんなを殺してなんかいない!!」
春樹君のお父さんなら
そんなことはしない!!!」
「私は、春樹君から
よくあなたの事を聞いていました。
春樹君は・・・・・・
{僕のお父さんは
刑事なんだ。
いろんな事件を解決してるって聞いたよ
殺人事件の時は
被害者のお葬式に参加したりして
強くて、やさしくて、かっこいい
僕の大切なお父さんだよ}
そう言ってました」
「そんな人に、みんなを殺すなんてできないはずです」
「・・・・・・ぅううう」
「ああああああああああああああ!!!!!
俺は・・・・・・俺は・・・・・
春樹のいじめにきづいてやれなかった・・・・・・
大事な息子を・・・・・・守れなかった・・・・・・」
青田君のお父さんは
声を荒げて泣いていた。
自分のしたことを、後悔するように・・・・・
青田さんが落ち着いた時
「青田さん、
みんなは、どこにいますか?」
「・・・・・
こっちだ・・・・
来てくれ・・・・・・」
鼻をすすりながら
案内してくれた。
そこは工場の地下
しばらく歩いていると
「この部屋だ」
私は、青田さんがゆびをさした扉を開いた。
「みんな!!!」
「咲・・・・・さん?」
「そうだよ、みんな」
目に飛び込んできたのは
教室のような空間
工場とはかけ離れた普通の空間だった。
みんなはケガもなく
いつも見ていたみんなと
変わりはなかった。
「よかった、みんな無事だったんだね」
私がそう言うと
「青山刑事が
ここにかくまってくれていたの」
「え?なんの事?」
そうか青山刑事は
こうやってみんなを誘拐したことにしてたんだ。
それでも、一人だけ
いつもとは違う人がいた
それは、岩山だった。
目の周りが腫れている
ずっと、泣いていたのだろうか?
気が付くと
青田君のお父さんも
美坂先生も後輩さんもいなかった。
「どこ行っちゃったんだろう?」
私は疑問を感じたが
みんなと話しているうちに
忘れていた。
みんなは、自分の家に向かって
歩き出した。
次の日
私たちは、青田君の
お墓を訪れた。
そう、今回の事件で不幸になったのは
青田君なんだ。
みんなが順番に
青田君のお墓の前に屈んで
手を合わせた。
岩山の番になって
私は驚いた。
「岩山が・・・・・泣いてる?」
いじめの張本人で
反省の色も見せてなかった
岩山が、青田君のお墓を前に
涙を流していたのだった。
すると、能世さんが
「岩山ね、青山刑事に
春樹君の手紙を渡されてそれを読んだの、
内容はわからなかったけど
その時に、すごく泣いていたの」
と、おしえてくれた。
話を聞くと、青田君は、岩山、高崎、津田の3人に
手紙を出していたようだ。
お墓から、帰ろうとしたとき
私は、青田君の声が聞こえた気がした
{お父さんを止めてくれてありがとう}
学校に戻った時
先生から、青田 晴翔さんと美坂先生の事を聞いた
あの3人は、刑務所に出頭したらしい
でも、誰も殺してなかったし
みんなが誘拐されたと言わなかったため
すぐに釈放されたそうだ。
私はそれを聞いて
なんだか安心した
家に帰るとポストに手紙が入っていた。
その手紙には、
{ありがとう}
と、書かれているだけだった。
私は空を見て、
心の中でこういった
{どういたしまして}
こうして、私たちの
長い長い物語のような時間はゆっくりと
幕を閉じたのだった。
(終わり)