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路地裏のクマ・3

続きます。

                 3


「えっ、それで何、勝手に家とか遊びに行ってるわけ?」

「勝手にじゃないよ、合鍵とかないし、タカちゃんが部屋にいるときだけ」

「うっそ、咲ってばやるじゃん、意外と。男とか興味ないと思ってた、あ、レズとかって意味じゃなくてね」

「でもやっちゃってないよ」

「えーっ、えーっ、なんで!」

「知らないよー、興味ないんでしょ、あたしに」

「でもでもでも、同じ部屋にいるんでしょ? 好きとか言っちゃってんでしょ? なんでしちゃわないの、信じらんない、インポ?」

「好きって言ったっけ、あ、言ってないかも」

「えー、でも分かるでしょ、意味もなく女子高生が自分の部屋とか遊びにきたりしないでしょ、インポじゃなきゃホモだよ、ホモ!」

「あのさー、人の好きな人をインポにしたりホモにしたりしないでよー」

「何で好きになったの、なんで? なんで?」

「だから、目の前で車に轢かれても平気だったんだよ、で、すっごーい! って思って、惚れた?」

「顔は? 顔、どんな感じ?」

「顔ー? ええっとね、クマみたいな感じ」

「もっさいじゃん」

「もっさくないよ、別にヒゲ面とかじゃないし」

「プーさん系? 腹プヨ?」

「プヨってない、筋肉質でいい感じ、だと思うよ、脱いだとこ見たことないから分かんないけど」

「芸能人で言うと?」

「えー、分かんない、あたし芸能人とかあんま知らない」

「最近芸能人ってみんな女みたいな顔しててやだよね」

「あー、あー、同感、あたしもっと目付き悪かったりオトコオトコした顔が好きだけど、最近のってみんなぱっちり二重とか美白とかカマっぽくて嫌だ」

「へー、でも咲が恋してたかー、びっくり。やっぱ処女とかってその人にあげたい?」

「あれってあげるもんなのかなー、痛い? あたし痛いの嫌いなんだよね、注射とかすげー嫌いだし、痛いならやりたくないなー、手とか繋いだりするだけでいいんだけどなー」

「そんな乙女チックなこと言ってないでよー、痛くないよ、ちゃんと後で気持ち良くなるよ、マジマジ、相手がすっごいでっかいとかじゃなければ」

「ね、ね、ね、あれってさ、本当に人によって大きさ違うの? そんなに?」

「チンコ?」

「わー、ダイレクトだな、なんかそういう単語を千里が言うと、」

「引く?」

「うん、ちょっと」

「えー、でもチンコはチンコじゃん。おっきさ違うよ、全然バラバラ。女だってさ、オッパイの大きさ違うじゃん、人によって。そういうことじゃないのかな、でも面白い、でかきゃいいってもんでもないし。でかい人は私好きじゃないんだよなー、なんか自分のサイズに酔ってて、でかきゃ女は気持ち良いんだろ、とかって絶対思ってるからさ、下手くそが多いもん、濡れる前に入れるなよ、とか、ちゃんと身体いじってからにしろよ、とかって、蹴っ飛ばしたくなる」

「一番大きかった人ってどれくらいだった?」

「トイレットペーパーの芯くらい」

「一番ちっさかった人は?」

「私の親指より、ちょっと大きいくらい」

「……結構差があるね」

「でも機能的には問題なければ、どっちでも子供作れんだよ」

「ああ、……ああ、そっか、そうかー、子供作るためのことだもんね」

「精子出すのと、おしっこするのと、ね」

「身長とかに比例するもの?」

「何が? ああ、しないと思う、私が知ってる範囲だと関係なかったなー。でも、普通の時とする時ってサイズ変わるんだよ」

「え? なんで?」

「ふにゃふにゃしたまんまじゃできないじゃん、硬くなっておっきくなるんだよ、あ、でも変わんない人もいたな」

「変なの」

「うん、変だよね」

「女の人って、やってる最中胸のサイズとか変わらないでしょ?」

「なんでそう思うの?」

「え、なんでって、だって、そんな話聞いたことないもん」

「あー、まー、ね。でもちょっとは大きくなったりするらしいよ、目に見えないくらい、ちょっとだけ」

「えー、信じらんない。でも妊娠したら生理止まるんだよねー、それはいいなー」

「あれ、咲はアレ、重い?」

「重い重い、超重ーい、超うざーい、腹痛いし腰痛いし、マジで憂鬱になるよ。なんで生理なんかあんだろ、あったとしてもさ、あんなに痛いのってなんで? 絶対生理中ってあたし、一度は思うもん、神様ごめんなさいあたしが悪かったです、いい子にするから! って。何に謝ってて、なにがいい子にするんだか知んないけど」

「私はそんなに重くないなー、三日くらいで終わるし」

「本当? えー、いいなー、あたしなんかきっちり一週間だよ、なんで? 処女のが生理って重いの?」

「知らないー、あー、でも私、処女のときでもそんなにひどくなかったな。咲はその好きな人に処女もらって欲しいの?」

「うーん、でもタカちゃんしてくんないもん」

「して欲しい?」

「そりゃねー、でも痛いの嫌いなんだよなー。って、さっきこの話しなかったっけ?」

「え、忘れた。でもいいなー、処女なんてさ」

「なんで!」

「だって、好きな人にあげれるじゃん」

「千里は、処女あげたの好きな人じゃなかったの?」

「その時は好きだったけどさ、でも啓ちゃんのがもっともっと好きだから、啓ちゃんにあげたかった、って今は思う」

「ふうん、そんなもんかな」

「あ、でもね、処女あげられなかったけど、啓ちゃんだけ特別に生でしてんの」

「生? ビール?」

「何の話よ、ビールなんか苦いだけだから嫌いだよ、違う、エッチのとき、啓ちゃんとだけはゴムしてないの」

「……なんか違いがあるの?」

「えー、大有りだよー! ……って言ってみたいけど、実は私も分かんない、でも啓ちゃんが気持ち良さそうだし、私もなんにも隔ててない状態だから、もっとくっついてる感じがするし」

「……ゴムしないと妊娠したりするってことはあたしでも知ってる……」

「ん? なに、そんな小声じゃ聞こえないよー」

「あ、あーあーあー、別になんでもない、でもいいなー、千里は。なんか、好きな人とやっちゃってるとかそういうのだけじゃなくて、なんとなく」

「うーん、いいかな、えへへ。でも先月からきてないんだよね」

「誰が? 千里の彼氏?」

「違うよ、違う、きてないのは生理」

「なんだー生理かー、って、えええええーっ!」

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