子供部屋おじさん
あれから15年、
息子は今年で30歳、もうおじさんね
そして今日も息子は部屋から出てこない…
お昼ご飯は息子の大好きなオムライスを作りましょう。そうすればきっと…
私は彼の大好きなふわふわとろとろのオムライスを作った
温かいうちに食べて欲しいなそう思い
部屋をノックする コンコン
「入るわね」
部屋には漫画とゲームのパッケージが散らかっており 部屋の隅には学級だよりが無造作においてあった
「チョット埃っぽいから換気しようね」
そう言って窓を開けた少し肌寒い風が部屋に入る 息子の部屋は子供っぽく
勉強机も小学校から何も変わってない
「ちょっとは片付けないとね」
そう言い私は勉強机にオムライスを置いた
息子を見ると満面な笑みで笑っていた
昔から変わらないこの息子の笑顔が私は大好きだった
無性に涙がこぼれる
「成長したあなたが見たかったなー」
私は今日も線香に火をつける。