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3/3

夜にキスが釣れるらしいから狙う

社会人になってから数年。

やっとのことで車を手に入れ、遠くに行けるようになった。

そこで、近くの堤防まで釣りに来ていた、

狙いは、キスだ。接吻のほうじゃない。

キスというと、昼間にやるイメージがあったのだが、どうやら夜でも釣れるらしいと風のうわさで聞いた。

しかも、夜のほうが大きいサイズが釣れる確率が高いらしい。



「せっかくしがらみから全部解放されて、どこにでも好きに行けるようになったんだ。

今までできなかった釣りを、しこたまやってやる。

今日は、その第一弾だ」



とりあえず、以前に中古で買ったバスロッドとリールに、重りと糸付きの狐針をつけただけの仕掛けを作る。

タックルと仕掛けの詳細は覚えてない。

今回使う餌は、青虫だ。

そこに、青虫をつける。青虫と言っても、芋虫のほうではなく、関東ではアオイソメという名称で呼ばれているゴカイの一種だ。



「さて、まずは一投目!」



餌を付け終わってすぐ、俺は遠投する。

着水したら、リール一回転ずつ巻いていく。

手前まで来たら回収、それを繰り返して1時間。



「お、コツンってあたりが」



キス独特のあたりが手元に来た。

俺はすぐにリールを高速で巻いて、手元まで仕掛けを寄せる。



「キスだ!初めて釣ったぞ」



手元に来た魚は、やはりキスだった。



「おぉー。結構大きいな?」



少しキスの魚体を観察した後、針を外す。

針を飲み込んでいたため、どうなるかと思ったが何とかなった。

クーラーボックスに入れ、餌をつける。



「ん。釣れると思ってなかったから、クーラーボックスは発泡、おまけに氷がない。

とりあえず、餌がなくなったら終了としよう。

さっさと使い切ろう」



キスがいるのがわかったので、俺は引き続き釣りをする。

それから2時間くらい釣りをして、餌がなくなる。



「結局5匹か。まぁ、悪くないか。

さっさと帰って、さばいて寝よう」



俺はクーラーの中の釣果を確認して、道具を片付ける。

道具を真水で洗ってから車に入れ、釣り場を後にする。

この話で出てきた堤防は、1・2年後に釣り禁となり、現在も行けない。

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