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差出人不明の日記  作者: そなた
1/1

第1話 初めの1ページ

初めまして、そなたです。2作品目です。ミスリードあるかもです。軽い気持ちでお読みください。

12月22日

雨が降っている。

ここ数ヶ月ほど『異常気象』の影響で、雨のみが降っている。


この『異常気象』の影響はかなり大きく、毎日のように災害が起こる。


川の氾濫、液状化現象による家の沈み、土砂崩れ―――――。

その他にもたくさんの災害が起こる。


テレビでは『まいにち災害NEWS』というコーナーが作成され、毎日の災害情報が知らされる。


外で洗濯物も干せないので生活にまで支障をきたしている。


幸いにも、この『異常気象』の『原因』は分かっている。

『原因』はいくつかある。けど、この『原因』を広めるメディアはどこにも無い。


メディアが『原因』を世に広めてしまうと、さらに『異常気象』の力が強くなり、もっと大きな災害をもたらしてしまう。


実際に大きくなったという訳ではないのだが『原因』の1つに『拡散』というものがあるという。

そのため、容易に広めることが出来ないということだ。


つまり、この『原因』を知る人は限られている。


だからこうして日記に記している訳だ。


この日記は万が一『問題』が発生した場合のみ新聞社、テレビ局など各メディアへの寄付を許可する。


また、『原因』となるものは以下の9つとされている。

1 拡散

2 宗教

3 伝統

4




(この先は不自然に消されていて読むことが出来ない。)





私は日記を見つけた。

文字の書き方から考察するに、男性が書いたものな気がする。


内容はよく分からないけど、とにかく何かのお話?ということは理解できた。


実話では無いはず。私が生きてきた16年間の中ではこんな事は起こっていない。


母からもよく昔の話を聞くけれど、日記に記されているような話は聞いたことがない。


紙質を見る限り、恐らくだけど数十年前のものに見えるから実話だとした場合、母が知っていてもおかしくないはず。


だからこれは『フィクション』だ。


それにしても、こんな日記なんでこんな道路に?


私は学校から帰る途中で少し寄り道をした。

そこで通った道でこの日記を見つけた。


恐らくなんらかの理由で置いておいた日記が風か何かで飛んでここまで来てしまったのだろう。


私は日記をカバンにしまい、交番へ向かった。




ガラガラガラ

扉を開けると優しそうな女性の警察官と目が合った。


「あ!すみません!これ道に落ちてて。預かってください!」


そう言って警察官に日記を渡した。


「中身、確認しますね。」


警察官は日記を開いた。


1ページ目にしか記されていなかった日記を記されていない反対のページから開き始めた。


やがて、1ページ目に辿り着き日記に記された文字を読む仕草をする。


すると、警察官は驚いた顔をして日記を閉じた。


「お姉さん。どこでこれを...?」


何かすごいものだったのだろうか。


「道を歩いていたら目の前に落ちているのを見つけて...」


「そっか、ありがとう。手続きは不要です。帰っていいですよ。」


警察官はそう言って私を見送った。


交番を出てすぐに振り返ると、中でさっきの警察官が慌てながら誰かと電話をしていた。


きっと忙しいんだろうな。


そう思って、これ以上迷惑はかけていけないと思い私は家に向かった。




家に着いてすぐ自分の部屋に向かう。それが私のルーティーンとなっている。


部屋に入ったら即座にベットに向かい横になり、そこからスマホを開く。


イヌスタグラムを開き、ピール動画を見る。


可愛い犬の写真に癒される。そして少し微笑む。


しばらく見ていると、ある1件の投稿にたどり着いた。


―こんにちは!陰謀論家のチェリーです!今回は数年前に起きたと言われている『異常気象』について解説していきます!


私はいつもはスキップするそんな投稿に目が止まった。


あの日記を思い出したのだ。


数秒前にアップされたものだからか、いいね数は0で私以外誰も見ていないようだった。


画面をタップし、続きを再生する。


―なんとですね!数年前に1度世界は滅んだと言われているんです!

―その原因は『異常気象』にあり…


プルルル


あぁ…。いい所だったのに。


母からの電話だ。


「もしもし?もう家着いた?」


電話に出ると、母がそう言った。


「うん。ご飯、作っておくね。今日は何時帰り?」


私が物心つく前から母は父と離婚し、それからは家族のためにいわゆる『夜の仕事』というものをしている。


そのことをカミングアウトされたのは、つい最近だ。


それまでは『コンビニバイト』と伝えられ、特に疑って来なかったけど最初聞いた時はさすがに驚いた。


けど今は家族のため体を張ってくれる母が私は大好きだ。


「うーん。1時くらいになっちゃうかなー。ご飯は買って食べるから真依の分だけで大丈夫よ。」


真依。それが私の名前だ。


「分かった。じゃ、またね。」


電話を切ると同時に、スマホの充電も切れてしまった。


ピール動画に夢中になっていて、全然気づかなかった。




充電が完了し、スマホを起動する。


そうしてまたイヌスタグラムを開き、さっきの『異常気象』についての動画を探した。


ー見つかりませんー


削除されてしまったのか。私には分からない。


スマホを閉じて目を瞑った。


そのまま私は眠りについた。




目が覚めると時計は9時を示していた。3時間も寝ていた。


私は慌ててキッチンに向かい食事の準備を始める。


今日はチャーハンでいっか。


サクッと炒めてすぐに作り終わった。


冷凍食品を冷凍庫からいくつか取り出して、レンジで温める。


温めている間にササッとお風呂を洗う。


ピーピーッ

温めが完了し、電子レンジから器へと盛り付ける。



食事を食べ終わる頃、ちょうどお風呂が沸いた。


食器を洗い、お風呂場へと向かう。


向かっている途中に玄関の鍵を閉め忘れたことに気がつき、方向を変え、玄関へ向かう。


玄関前まで来たところで玄関の扉が開いた。


「初めまして。こういうものですが。」


その男は私に黒色の名刺を差し出した。


「鈴木真依さんでよろしいでしょうか。」


そうだ。確かに私は鈴木真依だ。

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