女尊男卑は、あり得るのか?
部屋に強引に引きずられ、目をうるうるさせる僕こと、17歳児。
「涼君。私の顔を見て。」
「嫌だ。」
「怒らないから、こっちを向いて」
こういう場合は、たいていの人間が怒ると言う事は、僕の17年の人生において確立された事である。
「嫌、嫌、嫌。うぇ、うぇ、うぇ」
咲に、胸ぐらをつかまれ首を揺さぶられている。
「ねぇ、いくら頭に来たって、女性が言葉を詰めるくらい言及するなんていけない事でしょ」
「でも、、」
「でもじゃない。はいって言っとけば良いの。言い訳は良いの」
「すみません」
「涼が今日した事は・・・・・」
たいした事ではないのに、彼女に怒られている僕。別に今日ぐらいの言及なら良いと思うが、咲様は何故か女性に対しての扱いには敏感だそうだ。
「すみません。改めます」
「それでよろしい。じゃあ、荷物をまとめよう。
僕は、大して荷物は多くないどころか、今日買ったものと金しかないので、すぐ終わった。
暇なため、ボタンの取り扱いについて、説明書に目を通す。
「あ、これもここにあったのか」
自分の個人情報書があった。もしも、のためだ。
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名前;黒島涼 性別;男 年齢;17
病名;新型難病Ⅶ型
住所;王都○ー○ー○
保護者名;黒島豊 黒島景子
備考:無し
時間旅行における取扱説明書
半年に1回、ボタンを押していただくのみで結構です。
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備考なしってなんだ。普通ちょっとぐらい書くだろ、というかもっと書くことあるだろ。
備考の上に、見たくもない両親の名。振り返りたくもない過去だ。
取扱説明書に至っては何なんだ。ボタンを押すだけ?もっと書くことあるでしょ、こっちも、やっぱ、あの医者は役に立たないな。あと何故、個人情報書と取扱説明書が医者が書くんだ?、あの斎藤がやってこうなって、議会と病院側は何を考えているのだか?
何かと訳がわからないが、咲も片付け終わったみたいで、部屋を一緒に見渡す。
「綺麗に片付いたね。」
「そうだね、服はクローゼットに••••」
とにかく要約すると、片付け終わったって事だ。
「これから晩御飯食べに行かない?」
「行く、行く」
「あの女また締めるか。」
「涼ちゃん。何を言ってるのかな?」
「すみません」
ここでまた登場する。謝る17歳児。本当に情けないが、女性に罵られたり、馬鹿されるのも、気持ちいいと言うことを、覚えている自分。気持ち悪い。