表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Last moment  作者: 適当の極
本編/I my me mine
8/28

あの嘘つきは、お役御免だ。

咲に、店に連れて行かれる。

「ぜぇ、ぜぇ」

息が荒くなる。人がいて、少し混んでいる店内をとんでもない速度で歩かされる。最近家に籠ってばっかで運動不足である。この程度で、疲れている・・・あの男に近づいている・・・・無いな・・・ありうるか。

「多分ここだよ、頑張りましたでちゅね、涼ちゃん」

「僕は、幼児なのか、咲ちゃん」

少し幼児返ししてみた。我ながら情けない。

「うわぁ、キモ。ロリコンは生理的に無理です。近づかないで下さい」

敬語を急に使われ、戸惑う。だが、ロリコンについて真面目に反論しようと思う。頭を抱え、自分の記憶をたよりに反論する。

「咲、ロリコンはね、あくまで性癖の1つであってそれが気持ち悪いとはどういう事か、僕には理解が出来ない。しかも、君には性癖があるだろSという性格と性癖が、それはロリコンと大して変わりはないし、僕に言わせればSの方がたちがわるい。子供を襲ってしまうようなロリコンならまずいが、見ているだけなら問題ないだろ、要は人を言葉や行動で故意に傷つけるのと子供を襲ったり、盗撮するのは同じで、陰湿なのかオープンにやっているかの違い程度に思えるんだ。僕は、ロリコンではないが、こうも、咲に決めつけられる事によって僕は確実に傷ついた。しかも少し頭に来ているよ。そこのあたり、君はどう思っているのかな。」

「単純にキモいんですけど。あと、ロリコンを擁護している様に説明してたけど、最後けなしてたよね」

「バレたか・・・もういい。服を買いに行こう。」

「いいけど。私が買いたいのは、・・・・」

「多すぎじゃない?」

「多すぎじゃないよ。女の子はこれくらい使ってるんですよ」

僕には理解できないほどの、服を使い分けているそうだ。

「じゃあ、僕は、スーツ、寝間着、普段着を2着ずつだけでいいや」

「本当にそれだけで良いの?、それじゃあ、先に涼のやつ買いに行こう」

店に入り、店員さんにスーツの試着を申し出る。店員さんに何故か連れて行かれる。

「採寸を行いますので、こちらへ。」

採寸室らしき所に連れて行かれ、測る。

「終わりました。このサイズなら、こちらなんて如何でしょうか?」

出されたスーツは、上品な柄が施してある、とても美しいスーツが2着出される。

「試着しても良いですか?」

「勿論でございます。」

試着室に入り、スーツに着替える。

「咲、これでどう?」

「うわぁ〜、いつもの陰な涼からは発せられない神々しさがあるよ。」

咲が感動しているのは、勿論だ。僕は、イケメンで性格を除けばモテる要素しかないのだ。

その証拠に、咲の後ろ側にいる、女性が何人も僕の方を見ている。ナルシスとかと思われるしかないのだが、ただのナルシストとは決定的に違うのは、僕は本物のイケメンなのだ。

「やっぱ、僕はイケメンなんだな」

「ナルシストと承認欲求の塊なんだな涼君は」

「咲君、僕はイケメンだから。みんなに注目されるんだよ」

「ナルシストロリコンは、別れたい。私だけボタン押して帰るわ」

「それだけは、お願いします。勘弁して下さい。」

そういって、彼女の腕にくっつく。まるで、いつもの咲みたいだ。

「涼ちゃんは、甘えん坊ですね。」

無視する。というか、無視しないと追撃が来ると思い、無視する。

「これにします。いくらですか?」

「2着で、10000Gです。」

宿泊費の500倍。正直もったいないが、これからずっと使い続けると考えると、安い買い物だ。

そして、追加で咲の服と僕の服をまとめて決済する。

「合計20000G・・・使い過ぎでしょ。」

「女の子が、努力して可愛く見せようとしてるんだから、男は払って当然でしょ」

どこかで、聞いた事があった気がするが、気のせいだろう。


「ぜぇ、ぜぇ疲れた。」

買った荷物も相まって、出口が遠く思える。

「もう少し。頑張って。」

そういって、15分ほど歩くと出口が見え、光を浴びる。解放された気分にあふれていると

「あっ、化粧品買い忘れた。もう1回戻っていい?」

「良い分けないだろ、日が暮れそうだし、明日出直そう」

「仕方ないね、帰ろう」

そう言って、店を出るとある看板に驚いた。

商店前駅へは、こちら。

「あの嘘つき宿主。やっぱおかしいと思ったんだ。電車がないなんて。

順路に従って進むと・・・・・馬車の駅だった。

「そうだった。機械はこの時代発展してなかったんだ。僕の気力を返してくれ」

「乗って帰ろう。時間短縮だよ。」

馬車の操縦者に声をかける。

「乗せて貰いたいんですけど」

「良いですよ、どちらまで行かれますか?」

「すいません。宿までなんですけど名前が分からないんで、逐一説明しながらでも良いですか?」

「勿論」

馬車に乗り、案内をしながら進んでゆく。

「やっぱ、日没を反射する、湖は綺麗だな」

「そこは、海でしょ」

鋭い指摘を、咲にされる。海はこの国にないと反論したい所だが、この時代の帝国は、南端を少し戦争で延ばし海に面する所まで広げていた。要は、植民地を得ていたと言う事だ。

「それはさておき、明日も行きたいなら、1人で行けるか?」

「無理。涼が一緒じゃなきゃ嫌。」

「じゃあ、仕方ない。明日の、午前中だけ付き合ってやる。」

「ありがとう」

まぁ、そんな話をしていると、宿の前に着く。

「ここで、おろして下さい」

「はい、40Gです」

お金を渡し、宿の中に入る。入ってみると店主が欠伸をかいていた。

「お帰りなさい」

「これは、どういう事ですか、歩きだけみたいな説明したくせに馬車があるじゃないですか、馬車が」

「それは、その」

「僕の労力と、時間を返して下さい」

悪寒がし始めている。

「涼、女の人をいじめちゃいけないって分からないの?」

「はい、すいません」

「戻るわよ、部屋でじっくり話を聞いてあげる」

母親か、と思ったが、部屋に戻ったら、何が起こるか僕には想像できる。怖い。

「助けて下さい。」

日が暮れる直前、時間旅行1日目にして、彼女に怒られる僕。みっともない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ