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第7話 辺境都市ミーナ

 馬車で気持ちよく寝た後、ボクは次の目的地を決めた。そして、【クラスメイト】には慎重に拠点に戻るよう言って、【神父】と【使者】と共に出発した。村は大騒ぎになっているはずだから、村は避けた。


 道中、ボクは【神父】について調べた。【神父】のLvは48で、所持スキルは4つ。


 1つ目は念話だ。これは光の神様への感謝祭で、神父がボクに対し使用したスキルだ。近くの対象に音を出さず伝言出来る。人形化した【神父】は喋れないが、配下ネットワークを通じて、神父をスピーカーとして、ボクが使用出来る。この時出る声は神父の声だから、正体を出したくない時などに便利だ。


 2つ目は聖剣創造で、神父が使った二本の剣を一時的に生成出来る。


 3つ目は見えざる壁で、透明な壁を作って対象を閉じ込めれるが、魔力消費が激しいようだ。


 4つ目は聖域で【神父】の周りに高熱な光の壁を出せるが、これも魔力消費が激しい。


 【神父】はこれ以外にも各種補助魔法を使えるようだ。ちなみにスキルと魔法の違いは、基本スキルの方が強力で、スキルは本人のLvによって強くなる。


 魔法の方はLvが上がってもあまり強くはならず、熟練度によって強くなる。しかし、スキルとは違い、熟練度によって、低Lvでも火力が出る事や習得数に上限がないのが魅力だ。


 回復魔法は例外で、スキルと同じ仕組みになっている。そのせいか、習得するのは非常に困難で、だいたいサポートしか使えないのだ。


 【神父】はLv48なのに見えざる壁がないと、Lv40の【使者】と大体互角だったので、習得している魔法的にもサポート寄りだろう。


 戦闘で一番重要なサポートを手に入れたのは大きい。戦闘では【クラスメイト】のようにアタッカー、サポート、デイフェンスというバランスの良い構成が最も良いとされている。特に神父との戦闘のようにサポートを維持する事が勝利への鍵だ。



***



 【神父】について調べているうちにどうやら目的地に到着したらしい。ここは辺境都市ミーナと言って、四大公爵家のひとつ、ミーナ家が管理していると地図では書かれている。


 目の前には立派なレンガ造りの城壁が立っている。そして、立派な門。これが出入口だろう。そこには門番が立っていた。


 ボクは聖女の令牌を見せて、通してもらった。どうやら、おっさんの言っていた事は本当だったらしい。


 城内に入ると周りはとても賑わっていた。光の神様への感謝祭の後だからだろう。


 すぐ側には巨大な看板があった。そこには都市内の細かい地図が乗っていた。とても親切だ。


 ボクは地図を参考に駐馬車場に馬車を止めた。ここでは料金を支払い、専用の倉庫に馬車を入れる事が出来る。もちろんそこに入れた。


 そして、ここには都市内の地図売り場があり、そこで地図を買い、【使者】と【神父】と共に都市内を散策する事にした。


 色々楽しそうな物やこれからに生かせる施設店舗があり、しばらくはここに滞在する事になりそうだ。


 まずは換金からだ。何をするにしてもお金は必要だ。だから、最初は銀行という施設に行き、所持している銀貨を全部換金した。丁度銀貨ケースが馬車のスペースの邪魔だったので、多く持ってきた銀貨だけを売った。


 売った銀貨は合計で5000枚で、500金貨となった。村とは相場は変わらないようだ。


 500金貨をケースに入れて、次は図書館に行った。情報収集と言えば図書館だ。


 図書館はとても大きく、沢山の人が出入りしている。図書館の中には本屋もあり、学院の受験勉強に必要な本が売られているらしい。


 ボクは学院に入りたい為、もちろんそこに向かった。しかし、【使者】がとても目立ってジロジロ見られているので【使者】は図書館の外で待機させた。


 本屋に到着したボクは早速、購入する本をさがした。ここはとても広く、良い買い物が出来そうだ。


 しばらく歩いていると、巨大な紙が壁に貼られている場所を見つけ、そこには沢山の人が集まってそれを見ていた。


 巨大な紙をよく見ると、色んな学院の入試要項と書かれていた。周りの会話を聞くに丁度要項の発表は今日だったらしい。タイミングが良い。


 どの学院を受験すれば良いのか分からないし、沢山人が集まっているせいで、細かい字を詳しくは見れない為、ボクは耳を澄ませて、周りの人の会話で情報収集する事にした。


「おいおい、マジかよ。共通試験、今年から新制度だってよ。学力の配点を高くしますだってさ、俺実技無理だけど、学力ならあるからワンチャン上光国立学院行けるぞコレ」

「お前じゃあ無理だって、学力の配点100点分しか高くなってないし、上光の二大学院やぞ」

「何偉そうに言ってんだ。お前だって光神学院志望してたくせに、実戦で購入したゴーレムを使ったのに300も行けなくて、落ちただろ」

「うるせー!」


「ねぇねぇ私明日で21歳だけど、20歳だと誤魔化して、受験出来るかなぁ?」

「無理らしいよ、昨年、うちの友達の21歳童顔の子が年齢チェックで落とされたよ。多分スキルで年齢調査しているよ」

「はぁ~無理かぁ、何かの間違えで年齢が15歳から20歳のうちにならんかなぁ」

「無理無理」


「上光国立学院も光神も今年の定員未定だってさ。配点が900以上の人を採用だって」

「へぇ~いいやんそれ」


「上光国立学院や光神には劣るけど、この都市にあるミーナ学院も良い所だぞ」

「そうだよな! 上光国立学院は無理でも、そこなら行けそう」

「まあ、言うて平均800点やけどな」

「え!? そうだったの? なら無理やわ~」


「共通試験の学力テスト合計500点、実技500点か。学力テストは魔法基礎、薬学、魔物学それぞれ100点。専門学が200点満点だ。実技は魔法実演100点、実戦400点だ。お前の為にわざわざ言ってやったんだ、感謝しろ」

「丁度人多すぎて、見えなかった! ありがとう!」

「ふんっ!」


「受験って1校だけ?」

「そうよ、だから慎重に選んだ方が良い」


 ボクは聞いた情報を元に受験する学院を決めた。


 上光国立学院と光神学院が特に良いらしいが、ボクはまともな魔法を使えないので、そこに行くなら他を全て満点にしなければ行けない。


 それは厳しいので、そこそこ良いし、この都市にあるし、ミーナ学院を受ける事にした。それでも800点は必要な為、受験勉強を頑張らないと行けない。


 受験科目の学科の方で魔法基礎、薬学、魔物学は全部半端な知識しかないが、専門の所にボクの人形学が生かせるのが唯一の救いだ。


 魔法実演は言うまでもないが、実戦はゴーレムが使用出来るらしいので【使者】を使えば大丈夫だろう。前に戦った謎の魔術師が軍の魔術師か、と疑っていたし、ある程度は通用するはずだ。


 受験する学院は決めたので、受験勉強に必要な本を大量に購入して、ボクは馬車に戻った。これからは暇な時はこれらを読もう。そして、ミーナ学院はこの辺境都市にある為、王都へ行かなくても良くなった。


「ミーナ学院かぁ、どんな学校だろう」

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