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怠惰な勇者の再始動  作者: 蒼月
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プロローグ

どうぞよろしくお願いいたします。


 ここは魔王が住む城である。

 その中で、2人の人物が決闘をしていた。

 片方は魔王、もう片方は勇者である。

 そこには一切の魔法も、非行もない、ただ純粋な己の剣の腕のみで戦っているのだ。

 実力はほぼ互角。この二人を超える剣士は世界中を探してもいないだろう。

 つまり、この戦いで勝ったほうが世界最強となるのである。


「ここまでの奴とはな。さすが勇者といったところか」


 すでにボロボロなのに魔王は楽しそうに笑う


「楽しいのか?」

「ああ、やっと、やっと出会えた。最大の好敵手に、これが楽し以外のなにになる」

「それは嬉しいな、だが・・・」


 勇者は剣を構えなおす。


「そうだな、お互いの体力も残りわずか、ならば・・・」


 魔王も構える。そして、

 ほぼ同じタイミングで駆け出す。


 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 「りゃあああああああああああああああああああああああああああああああ」


 すれ違い、互いの立ち位置が変わる。周りからすれば一瞬の出来事だった。


「実に良い」


 ぽつりと魔王が言う。


「実に良い。戦い、だっ、た」


 そして地面に崩れ落ちた。


「がはっごほっ」


 血を吐きながら剣を杖にして何とか立った。


「勇者よ」


 背後から魔王の声がした。


「最期に良き戦いだった。礼をいうぞ」

「・・・・そうかい」


 彼は気だるげに答える。


「最後にお主の顔を見せてはくれぬか?」


 勇者は仮面をかぶっていた。姿もわからないようにローブを着ている。

 勇者は「いいぞ」と言うと、仮面を外して素顔を見せた。


「良き顔ではないか、童の好みじゃ」


 ()()はそれを見ると、穏やかな顔で微笑んだ。


「そうかい。それは、光栄だな」


 この会話を最後に彼女は息を引き取った。

 それを見届けると、勇者——アイザックは重い体を引きずりながら、魔王城を出た。



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