[レビュー06] 青井孔雀様の「海の粗忽者 ~強襲空母『天鷹』奮戦記~」
イチオシレビュータイトル:太平洋のトリックスター、Oh!No!どうしてこんな所に!いや、そこはダメ!
投稿日:2022年01月06日
作品タイトル: 海の粗忽者 ~強襲空母「天鷹」奮戦記~ https://ncode.syosetu.com/n7646hh/
作者:青井孔雀様 https://mypage.syosetu.com/1610596/
(レビュー本文)
ある事情から「1隻余計に」建造された商船改装空母「天鷹」。
これはアジア太平洋地域狭しと暴れまくった彼女の戦いの物語である。
かなりハッチャけているが健気に任務を完遂する淑女であってバンカラ学園艦でも移動動物園でもない。
彼女の壮絶な死闘は「ホーンブロワーシリーズ」や「オーブリー&マチュリンシリーズ」などの海洋冒険小説のようだ。
日本海軍にもう1隻空母があったら?
それを遊撃的に敵の嫌なところに動かしたら?
そんな発想の架空戦記です。
作戦が精緻でシステマチックな程、ゲリラ的な攻撃は対応に困るのではないでしょうか?
勝手に深読みして動きが取れなくなったり、沸騰した脳みそでミスを連発したり。
「あの忌々(いまいま)しい空母、今度こそ地獄に送ってやる」と映画「戦闘機対戦車」のように追いまわしたりするかもしれません。
戦争の狂気を描いていて考えさせられます。
君は正気でいられるか?
奇想ではあるものの妙に地に足の着いた架空戦記。今年はこの作品で本当に楽しませていただきました。
将棋や囲碁では「相手の嫌な所」「相手の打ちたい所」に打てと言われておりまして、ほとんどそれに特化したような動きをしているのが空母「天鷹」であります。人間対人間の戦いでありますから精神力も重要な問題で、相手の意思をくじく意思が必要なのでしょう。
非常に特異な事情で生まれた特異な艦ですが、「天鷹」のクルーも魅力的です。かなり冗談めかして底が抜けたような振る舞いをしますが、静かに見るとフェアプレイかつ人間的であります。
レビューに関してはタイトルも本文も少し軽薄で騒々しすぎたかと反省しています。素面で書いたのですが、どうしてこうなった?
本作品は連載中で、再建されたアメリカ艦隊の反攻という佳境に差し掛かりつつあります。青井孔雀様は傑作「令和時獄変」で記憶している方も多いかもしれません。