[レビュー17] やまだのぼる様の「騎士ユリウスの文通」
イチオシレビュータイトル:死して屍拾うものなし、だが愛する人たちは俺たちの事を覚えていてくれるだろう
投稿日:2022年06月22日
作品タイトル: 騎士ユリウスの文通 https://ncode.syosetu.com/n5774hi/
作者:やまだのぼる様 https://mypage.syosetu.com/1756736/
(レビュー本文)
魔人から郷里を守るために騎士が必要とされる世界。
騎士ユリウスは剣術試合のため訪れた隣国の王都で令嬢カタリーナに紹介される。
十分に語り合う時間も持てなかったが、国に帰り征討任務を務めている時にその令嬢から手紙を受け取る。
私用の手紙まで無骨な業務報告風に書いてしまう不器用なユリウスは、困り果てて妹の助言を求めるが・・・
本小説の魅力は騎士が真摯に戦っていることです。
発生する魔人は強力で対抗できるのは鍛えに鍛えた騎士しかいません。
そして瘴気にむしばまれて騎士が魔人に堕ちる可能性があります。
「荒廃と祖国の間の一線」が自分たちだと騎士たちは自覚しています。
守るべき人々の間で騎士はしばし憩い、戦うべき理由を再確認するのです。
騎士の苛烈な戦いの日々と静かで平和な時間、その対照が極めて鮮烈な印象を残します。
大変面白いので是非読んでみてください。
文体も内容も端正な小説です。
素晴らしい人々が過酷な環境の中で必死に人間らしく生きようとしています。静と動の対象が見事で、武骨な騎士の意外な面には思わず笑ってしまうでしょう。
やまだのぼる様は「アルマーク ~北の剣、南の杖~」で絶大な読者の支持を受け意欲的に作品を発表されています。




