第三話 ステータス
気がついたら、またあの白い空間にいた。
前回と違うのは、身体があることと、目の前に《ステータス》と書かれた青い板が浮いていることだった。
《ステータス》
名前 リック・フォン・ハルバート
種族 人間
性別 男性
年齢 5歳
称号 転生者 神の祝福を受けた者
Lv 1
体力 1000/1000
魔力 測定不能
スキル 神の祝福 精霊召喚 ステータス隠蔽
・・・測定不能ってなんだよ。
しばらくステータスを眺めていると、またあの声が響いてきた。
「お久しぶりです、リックさん」
「久しぶりだな、神様。ところで、ちょっとこのステータスについて説明してもらえないか?」
「ええ、いいわよ。名前、種別、性別、年齢は見たまんまね。称号だけど、これはあることを達成した時に付与される証明みたいなもので、持っているだけで特に意味はないわ。Lvは経験値を貯めたら上がるもので、それに合わせて体力や魔力とかも上がるの。体力と魔力は見たまんまね。次は・・・」
「いや見たまんまってどういうことだよ。測定不能って出てるんだが・・・」
「見たまんまよ。ステータスで計測できる最大値を超えてるってこと。言ったでしょ?魔力の保有量はかなり大きいって」
「流石にここまでとは思わなかったよ・・・」
「話を戻すわ。最後にスキルだけど、神の祝福があなたが望んだスキルよ。精霊召喚は、前に言ってた専属の精霊を操るためのスキル。試しに今使ってみましょうか」
「ここで使えるのか?」
「もちろん。精霊の名前はカルラ。カルラにここに来るように呼びかければいいわ」
「それだけでいいのか?」
半信半疑ながらも、俺は頭の中で念じる。
ーカルラ、聞こえ・・・ー
「はい!」
俺の呼びかけを遮って返事が響き、目の前に小さな少女が現れた。
身長は15cmぐらいだろうか。羽を生やしており、緑っぽい服を着ている。
「初めまして。知恵の精霊のカルラです。私に聞きたいことがあったら遠慮なく聞いてください!」
「あ、ああ。こちらこそよろしく」
握手しようとしたが、手のサイズが違いすぎてただ触れるだけになってしまった。
「あなた専属だから、あなたが無意識下でも単純作業ならこなしてくれるはずよ。あと精霊だから、他の人には基本的に見えないってことは覚えといてね。彼女に話しかけても周りから見たら独り言にしかならないから」
気をつけないと、ただのヤバいやつになるということらしい。
「さて、スキルの説明の続きだけど、最後にステータス隠蔽のスキルもあげるわ。これがないと、あなたが転生者ってことも含めて全部バレちゃうからね」
やはり、転生のことは周りに話してはならないらしい。
「使い方だけど、普通に念じてもらったらいいわ。称号は消えろ、みたいにね。もちろん隠蔽だから、本来の能力は変わらないわ」
とのことだったので、周りに見られてもいいようにステータスを改変していく。
《ステータス》
名前 リック・フォン・ハルバート
種族 人間
性別 男性
年齢 5歳
称号 なし
Lv 1
体力 200/200
魔力 300/300
スキル なし
ざっとこんなものだろうか。
体力と魔力はマイクとリリーの値を参考に、魔力を高めにしておく。
やっぱり異世界なんだし、魔法使ってみたいからね。
これで剣より魔法に優れているように見せれば良い。
「じゃあ、今回はこれでいいわね。またね〜」
挨拶も言えないまま、俺の意識はまた現世に帰っていく。
ステータスは物語の都合上、急遽変更することもあります。