第一話 転生
ご覧いただきありがとうございます。
この小説は、文学センスのないバカが趣味で書いてるものです。そのため
・文がおかしい
・誤字脱字がある
・ストーリーが矛盾している
・つまらない
などの点があるかと思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。
俺は海賀暸、15歳。
ごく普通の生活を送る、ごく普通の学生。
そう思っていた。
気がついたら、知らないところにいた。
周囲には何もなく、ただ真っ白い空間が広がっている。
ちなみに、自分の身体はない。
何がどうなっているんだ。
しばらく混乱していると、頭の中に女性の声が響き渡った。
「おはようございます」
いきなり聞こえてその声に驚きつつ、俺はその声に問いかける。
「誰だ?」
声を出す方法がないため不安だったが、ありがたいことに相手には伝わったらしい。
「意識は安定してるわね。私は、ある一つの世界を管理している存在よ。異世界の神とかが近いかしらね」
いきなりとんでもないワードが聞こえた気がする。世界?神?
「・・・すみません、よく聞こえなかったみたいです。もう一回言ってもらえませんか?」
「頭に直接話しかけてるんだから聞き逃すはずないでしょ」
「いや、そーじゃなくて・・・」
いや、確かにラノベとかは好きだったけど、あれはただの妄想であって、現実に起こるはずははない。
「ごめん、もう一回・・・」
「異世界の神です」
「イソガイの髪か、なるほど」
「ふ・ざ・け・て・ん・の?」
「分かった、分かったから落ち着いてくださいお願いします」
何とか神様を落ち着かせた俺は、ついに本題に踏み込む。
「んで、異世界の神様が何の用だ?」
「・・・実は、私の管理してる世界が魔力不足になってるの。」
「魔力?」
「ああ、貴方の住んでた世界に魔法はなかったのね。魔力っていうのは、魔法を行使するために必要な力のこと。それで魔法っていうのが、この世界の法則に干渉して、特定の現象を引き起こすことよ」
「なるほど。で、その魔力が不足してるってわけか」
「本来はうまい具合に循環するようになってるんだけど、この前の大規模な戦争で魔力が大量消費されて、一時的に魔力が足りなくなってるの」
「大体の事情は分かったが、それと俺にどういう関係があるんだ?」
「あなたに関係はないわよ」
「え?」
関係がないならなぜ俺はここにいるんだ?
「関係があるのはあなたがいた世界の方。そっちの世界では科学が発展しているでしょう?」
「ああ」
「そっちの世界にも魔力自体はあるのよ。ただ、発展どころか認知すらされてないみたいだけどね」
驚いた。地球に魔力があるだって?
「そんなの聞いたこともないぞ」
「でしょうね。魔力の認知すらされないまま、科学だけが発展したもの。だけど、科学で説明できないものとかもあるでしょう?」
確かに、未だに解明されていない謎とかはよく耳にする。
「その大半は魔力の干渉を受けた結果なの。もちろん、全部が全部ってわけじゃないけどね」
筋は通っている・・・多分。
ただ、信用できるかどうかは別問題だ。
「そんな話が信じられるか」
「あら、どうして?」
「魔力とか魔法とか言ってるけど、そんなのは全て御伽話の中の話だ。現実にあるわけが・・・」
「なんでそうやって言い切れるの?」
急に冷たくなった声に、俺は思わず口をつぐむ。
・・・口ないけど。
「確かにあなたのいた世界では、魔法はそういう扱いかもしれない。けど、それにどんな確証があるの?」
「それはっ・・・」
「・・・」
「・・・ないです」
「でしょう?」
言い返せない。冷静になって考えれば、当然のことだ。そもそも、こんな場所にいる時点で常識が通用するはずがない。
「・・・魔法の存在は理解した。それで、それと俺がここにいることにどういう関係があるんだ?」
「簡単に言うと、あなたの魂に魔力を貯めてそっちの世界から送ってもらうことで、魔力の引き渡しを行ったの」
「・・・つまり、俺はタンカー代わりに使われたと?」
「そうね。もちろん、ただでとは言わないわよ」
当たり前だ。なんの情報も知らされないまま利用されっぱなしになるのは嫌だ。
「あなたには、こっちの世界に転生する権利をあげる。ついでにスキルとかもつけていいわよ」
「元の世界に帰ることはできないのか?」
「申し訳ないんだけど、それは無理。世界を超える時は魂に莫大な負担がかかるの。連続して世界を超えようとしたら、魂が消えてもおかしくないわ」
「マジかよ・・・こっちの世界で暮らすのに支障はないんだな?」
「それは大丈夫。それどころか、大量の魔力をつけて送られてきたから、普通の人より魔力の保有量はかなり大きいはずよ」
不幸中の幸いというやつだろうか。帰れないのはショックだが、もう気にしても仕方がない。
「それじゃ、転生について詳しく教えてくれ」
「ええ。転生後は、出来るだけ前の姿に似せた身体を作るわ。身体能力は少しいい方で、魔力についてはさっき言った通りよ。あと、サポートのためにあなた専属の精霊を一体創造するわ。詳しいことは今後その精霊に聞くといいわよ」
「その精霊っていうのはどういうものなんだ?」
「精霊はもともと私の部下のようなもので、魔法の行使に長けているんだけど、最近は私から命令することもなかったから、その役目を忘れている精霊もいるわ」
大丈夫なんだろうか、それ。
「襲ってきたりはしないよな?」
「危害を加えようとする奴は滅多にいないし、大抵は自由気ままに生きているはずよ。ただ、心配なら手紙をあげるわ。古い精霊なら私の書いたものだって分かるだろうから、色々と手伝ってくれると思う」
「まあ、あまり頼らずに済むよう頑張るよ」
「それでいいわ。ここまでで質問ある?」
「じゃあ2つほど・・・まず魔力の引き渡しなんだが、直接魔力を送り込むことはできないのか?」
「それができたら苦労しないわよ。ただ、もともと世界ごとに魔力の総量っていうのは決まってて、その量を超えると勝手に魔力は消えていくようになってるの。でも、魔力を持った人を連れてくるだけなら、その制限を無視できるのよ」
「じゃあ、その制限って実質無意味なんじゃ・・・」
「それがそうでもなくてね。魔力の受け渡しをすれば相手の世界の魔力を減らすことになるの。そんなのが横行してたら、いずれ魔力の奪い合いで争いになるでしょう?だから、そこらへんのことは神様同士での取り決めを守って、特殊な場合にのみ余裕のある世界から魔力を貰うの」
「そこら辺は人間と一緒なんだな」
地球で言う国際連合みたいなものでもあるのだろうか。
「もう一つは?」
「俺は今ここにいるが、地球の俺はどうなったんだ?」
「詳しいことはそっちの世界の神に聞かないと分からないけど、死んだ魂の中でこの受け渡しに適してるものを選んだとは言ってたわよ」
「・・・そうか、死んだのか」
薄々勘づいてはいたがやはり死んだらしい。
死因は分からない。その辺りの記憶は抜け落ちてるようだ。
「元気出しなさいよ、せっかくのレアケースなんだし」
「・・・まあ、今更悔やんでも仕方ないか」
「それで、スキルについてなんだけど、これは一部の人間や魔物が持っている特殊な能力なんだけど、あなたは好きなものをつけてもらって構わないわ。複数もオッケー。ただ、度の過ぎてるものは拒否するけど」
「なんでもいいのか?」
「常識の範疇なら、ね。じっくり悩んで頂戴」
なんでもいいと言われると悩む。これは次の人生を左右するものだし、言われた通りにじっくり悩むとしよう。
「・・・よし、決めた」
「や、やっと決まったようね。こんなに長くなるとは思ってなかったわ・・・。いえ、いいのよ。悩んで当たり前のことだし」
少々時間をかけ過ぎただろうか。だが、これで俺は納得いく答えを出せた。
「俺が望むスキルは・・・」