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作戦会議と打ち合わせ



 おう! マジか!



 あ、あの人は、領主の『ガルーマ・ザッヒン』さんじゃ、あ~りませんか? なぜここへ? こったらトコさ、なして来た? 人違い? んな訳ないよね。知ってるし?


 そっくりさんならいざ知らず、見間違える事はないからね。曲がりなりにも、『ロジアーブ王国 ガルーマ・ザッヒン領主付き特殊部隊』の一員だからね。俺ってば? しつこいね。


 そんなガルーマさんが楽しそうに話してる相手は? ……げっ!! げろげろ大作戦! そんなあなたは、セバイラモさん? あなたまでもが来ちゃってるの? 戦闘する気なの。またしても? 奴隷商館放っておいていいのかな?


 それにしても、こんな中途半端な所に陣取っちゃって、何してるのかな? 待機中? 軍事演習でもしてるのか? 奴隷商館の支配人まで参加して? んな事する訳ないでしょうにぃ。考え過ぎだよね。たまたまお散歩中?


 ずっと天気も良いからね。絶好のお散歩日和ってやつですな! やれやれだ。そろそろオイラの気持ちも整ったかな? 覚悟を決めて行きますか? 帰ります? 《冷風》


 おっと、忘れず魔法は解除しとかないとな。間違って攻撃受けるかもしれないし? 不審人物には違いない? 見えてはいないはずだけど、どんな能力持ちが居るか分からないからね。領主さん直々の登場だ。それなりの強者、達人、漢も居るのだろうね。あの中に。


 まあ、通じないのは分かってるけど、偶然を装って行ってきますか! と、その前に。


「ありがとうな、『アカ』。助かったよ。この情報の価値はプライスレスだ。グッジョブだ! 取り敢えず、『ジャンタケ』ここに置いとくな。また後で皆にもあげるからね。これからも役立ちそうな動きを捉えたら、また教えてくれよな。ふふふ」


 コクコクコク ちゅん


 おお。ちゃんと理解してくれたのか。やってくれるね。しかも、ちゃんと声を落として鳴いてくれたしな。できる小鳥は違うね! 流石、名付けによって進化したのか? んな訳ないよね。それこそ、マンガの見過ぎ? 小説の読み過ぎか?


「じゃあ、また後でな。気を付けて帰るんだぞ」


 コクコク


  *



「あ、あれ? お疲れ様です? こんな所で何をやっているのですか? ガルーマさんに、セバイラモさんまでお揃いで」


「ん、おお。タビトか。よくぞこのタイミングで現れてくれたな。ちょうど使いを出す所だったんだぞ。元気そうで何よりだな」


 おっと。いつものノリのセバイラモさん。軽いね。奴隷商のお仕事モードじゃないって事だよね。やっぱり戦闘目的か? それとも観光に?


「はい。お陰様で何とかやれてます。先日は『プレゼント』をありがとうごさいました。その『チカラ』が役に立つ時が来たようですよ? どこまで知ってるのですか?」


「お、おう。怒ってるのか? 今回は、ちゃんと事を起こす前に報告しようとしてたんだぞ? だからまだ動いてないだろう? そんな顔で見てくれるなよ? はっはっはっ」


 おっと。やっぱりちゃんと覚えてくれてたのか。オイラ、言ったからね? 影に潜む能力の『2』を捕縛出来た時にね。巻き込むなら巻き込むで、予め相談して下さいよってね。ビックリしちゃうから。しつこいくらいに言ったよね。


 潜入を許して、しかも取り逃しかけたって言う防衛団の不祥事を見逃す代わりに、約束してもらったんだよね。良かったよ。その気があったのなら、今回はセーフだね。


 俺は、皆を傷付けたくないからね。そんな事態に陥(おちい)らないように、できる事なら事前に打ち合わせして、作戦を練ってから事に当たりたい。デリケートなオイラは、それくらいの慎重さが必要なんですよ。ビビりですから? チキンとしないとね? 《スルー》



 やっぱり知ってたみたいだね。『ハート』からの情報で。この町の事態を知るまでには時間も掛かったし、準備期間も必要だったそうだ。『VS町全体』になるかもしれない事案だからね。


 この町に居る、町長達の支配下にある奴隷全員が敵に回る可能性もある。そこで、水面下での準備を着々と進め、領主様にも登場願ったという事か?


 違った。ガルーマさん本人が、直接指揮を執ると言って張り切ってやって来たらしい。どんだけ前線に出たがるんだよ。そんなに戦果が欲しいのか? それともただの目立ちたがり屋さん? 騙されちゃうかもしれないよ? 大丈夫?


 まあ、飛行機なんてまだ無い世界だからね。心配し過ぎかな? 住んでる世界も違うしね。ふふふ。


 謀ったな、おっしゃー! 違うか? 《スルー》


 こほん。古本。昔の話だね。《冷風》


 え? じゃあ『フラナガン・マネー』の使用期限が5日間に設定されてたのも、この為の準備期間だったりしたのかな? あれれ~~? どこから仕組まれてた話なのかな? ガルーマさんや? あなたの準備が整うまでの期間だったのかな?



 今、この町で起こっている事、俺が見てきた現状、実際の破壊済みの『首輪』も見せて説明した。『ハート』が作ってたと思われる『エセ隷属の首輪』の残骸ね。勿論、『毒』の事もしっかり話した。臭いから要注意だよ? 覚悟しといてね。


 流石にここまでの情報は知らなかったみたいで、驚いてたね? そんな仕組みで、人々を大量に隷属化させてきてたのかってね。生の新鮮な情報だからね。信頼性も抜群だよ? 自分で言うなって? でも、何をそこまで驚いてるの?


 町長の悪知恵? 『お薬』の使い方? それを見破った俺達? もう地下施設が完成してた事? 俺の登場したタイミングが良過ぎた事? まだ知らない俺の能力か? まあいいか。


 それで、肝心の作戦はどうしやすか、ダンナ達? 今日、これから主犯格達と食事会があるんですが? どうしやす? できる事なら、臭いから参加したくはないですけどね?


 奴隷にされちゃうかもしれないし? 俺だけならまだしも、可愛い妻が3人も居るんですよ? 俺ってば。凄いよね。うん。俺もそう思う。自分で言うのもなんだけど、意外過ぎ。嬉しい悲鳴です?


 だから、そんな事態は勘弁してもらいたいです。泣いちゃうよ? 『ちゅん鳥』も? いや、それだけじゃ済まないな。暴れちゃう?


 全てを破壊し尽くすまでは止まらない。生活魔法の真の性能が開花しちゃうかもよ? そんなの無いと思うけど、気持ちだけ? そんな気持ちになっちゃうかもね、俺ってば。想像するのもイヤだけど。デリケートだからね。しつこいね。



 はい。やっぱりトップが揃うと決断も早いのね。作戦決定。なんて事はない。ここに居る少数精鋭の兵士達を、町の衛兵に気付かれずに町まで移動させたい。その為の協力と、町長や防衛団の注意を引く為にも、食事会には予定通り参加する方向で行く。


 兵士の展開が終わり次第、一気に現場に踏みこむ算段だとさ。散弾銃? 持ってないな。流石に拳銃しかなかったよ? 出さないけどさ。もしもの時の取って置き。隠し銃? アイテムボックスに収納してあるからね。股の内側なんて使わないよ? 俺がやってもキモイでしょ? チラッとな? おえ。


 はい。結局オイラは囮(おとり)役。いつもの事でございます。別に拗(す)ねてなんてないんだからね? 感謝しなさいよ?


 地下道を掘って町まで繋げてやろうかとも思ったけど、後の事を考えると面倒だから止めといた。そこまでやるのも何だしね。そこまでやらなくても、なんとかなりそうだから、やらないよ? その為の仲間が居るんだからね。皆どうしてるかな? さてさて、どこまで開放できたかな? 



  * *



 おっ、丁度いい所に『アカ』発見? 俺が戻って来るのを待ってたか? マジで?


「『アカ』? 1(・)人(・)で何やってるの? もしかして、俺の事を待っててくれたとか? 『アカ』が俺の担当だったりするのかな?」


 コクコク ちゅん


「おお。やっぱりそうだったのか。ありがとうな。ちょうど1人ずつ担当できるからね。やるね。グッジョブだ! 皆に伝えたい事が出来たから、こっちに来るように伝えてくれるかな? 出来る?」


 コクコク ちゅん! バサバサバサ!


 はやっ。もう行っちゃったよ。最初からそのつもりだったとか? 凄すぎる能力だよな。伝言役にもなれるんだよね。伝書鳩ならぬ、伝書『ちゅん鳥』? 手紙を運ぶ訳でもないから違うのか?


 まあ、皆にもその意思が伝わるといいけどね。流石に距離があったり、開けた場所だったりすると、『ジャンタケ』の香りは届かないからね。リーンにはこの方法は通じないと思うし? 俺は町の外れで待ちますか。


  * *



「お疲れ様、ミラ。よく分かったね。それは『アオ』だったかな?」


「おお。やっぱり旦那様じゃったのじゃ。『アオ』がわしをどこかに連れて行きたい素振りをしたからの。聞いてみたら、そうじゃったのじゃ。本当に賢い『ちゅん鳥』なのじゃ」


「うん。そうだよね。これこらは、こうして伝言役としても役に立ってくれそうだよね。ありがとう、『アオ』。お前にも『ジャンタケ』あげとくね。ここなら安心だから、ゆっくりお食べ」


「おお。そうじゃの。こうやってお互いの為になれば、『ちゅん鳥』達も活躍できるのじゃ。さすがなのじゃ。ふふふ」


 コクコク ちゅん


「あ、お疲れ様です。旦那様。ミラさんも来てたんですね。やっぱり集合の合図でした。『アズキ』ちゃんが教えてくれました」


「お疲れ様、アリー。無事に合流できて良かったよ。『アズキ』も、ありがとう。お前もお食べ」


 コクコク ちゅん


「あら、私が最後だったみたいね。『アイ』がどこかに連れて行こうとするから、まさかとは思ったけど、やっぱり規格外の使い方だと思うわよ? こういうの」


「ははは。お疲れ様、リーン。それでも、『アイ』の伝えたい事が理解できたんだから、リーンも規格外だと思うよ? ふふ。ありがとう、『アイ』。お前もお食べ」


 コクコク ちゅん


「ま、まあ、そう言われてみると、そう言う事になるのかしら? 私まで規格外?」


「そう言う事なのじゃ。旦那様と一緒におれば、皆、規格外になっていくのじゃ。諦めるしかないのじゃ。でもこれは、嬉しい事なのじゃぞ。旦那様に近付いておるという事なのじゃ。ふふふ」


「はい。そうです。こうやって少しずつ、皆で規格外になって行く気がします。嬉しいです。えへへ」


「え、ええ。嬉しいのかしら? そうかもしれないわね。悪い事じゃないわよね? 感謝しないといけないのかしら? ふふふ」


 てな感じで作戦会議は進みます。これは、作戦会議です。何と言われようともね?



 皆の成果はまずまずで、それなりの数の奴隷を解放したそうだ。ナイスだね。グッジョブだ! これで、巻き込まれて変な命令で動いてしまう人も減るし、兵士達の先導役としても協力してもらえるからね。良かったよ。


 でも、それなりにMPを消費させちゃったと思うから、ちゃんと補給しておきましょう。《MP注入》でね。


 なんて便利な魔法なんでしょう。生活魔法だからね。魔法を使った便利な生活が安心して送れるようにって言う、優しい計らいなんだよね? この魔法。オイラの解釈はおかしいか? 常識か?


 アイテムボックスの『□MP専用貯蔵庫』が足りない時は、毎日眠る前に〈MPドレイン〉させてもらってるからね。こういう時こそ、大還元祭りだね? 決算大セール? 俺が預かってる自分のMPを返してもらうだけの作業かな?



 周りを警戒しながらも、俺が打ち合わせして来た事を報告し、今後の予定も伝えた。まあ、驚くよね。普通なら。いきなり町の外に、騎馬隊も含めた兵士が待機してるなんて聞いたらね。違うか?


 精鋭部隊が町に潜入しようとしてる事? 領主のガルーマさんが来てた事? やっぱりセバイラモさん? うん。皆それぞれに驚きポイントは違ったみたいだね。


 俺は、勿論、セバイラモさんが居た事ね。だって、あの人が暴れたら怖いんだよ? 実戦は見てないけど、引きずられて行く『ハート』と『4』は見てたよね? 皆もね。戦闘後の結果だけだけど? 


 あんな壊滅戦で、無傷で、ニコニコしながら人を2人も引きずっていたんだよ? 1人は結構なおデブさんだったからね。どんだけ強いんだって話だよね。ふー。そんな人が、またこの町で暴れる気なんだよ? やっぱりオムツは欲しいかな。何とかしないとな? もう遅いけど。やれやれだ。



 ミラの驚きポイントは、これから大規模な壊滅戦が行われるであろう事。まさかこのタイミングでって事かな? 違ったね。暴れられると聞いて嬉しくなっちゃった? アシャズの壊滅戦では活躍できなかったから、今度こそ?


 はあ。やっぱりね。今回は、場合によっては惨い光景が広がる事にもなるからね。手加減できないんだよね。本人の意思に関わらず、命令を受けた犯罪奴隷は『死兵』となって襲ってくるからね。こちらにも覚悟が必要だ。


 助けたい気持ちはあるけど、情けは掛けられないかもしれない。そんな辛い戦いが待ってるかもしれないんだよな。だから、速攻で『アタマ』を潰す。文字通りにね。その許可ももらっちゃった。


 そ(・)の(・)時(・)に、1番近くに居る事になるのは俺かもしれないからね。だから俺に伝えてきたんだよね。セバイラモさん? ガルーマさんもね。と言う事で、その覚悟のあるミラは、楽しい楽しいお食事会に参加が決定です。良かったね?



 アリーの驚きポイントは、そんな大規模は準備が完了し、実際に動き出していた事。ガルーマさんの鶴の一声だからね。流石、領主さん。『チカラ』の塊だからね。やる時は即行でやる人なんだよね。怖いよね。


 これからも敵に回らない事を祈りましょう。ご機嫌次第では、方向転換しちゃうかもしれないからね。権力者ってそんな者? それくらいの心積もりでいないとね。こっちも危ない立場になりかねないんだよ? 怖いよね。


 ニオイが耐えられないアリーは、臭い臭いお食事会には不参加で。そんな臭い奴らを逃がさない為にも、家の外で索敵しておいて下さいね。臭いニオイが動き出したら110番。恐らく近くまで来ている騎馬隊、兵士に伝えてね。そっちは怖くはないからね。



 リーンの驚きポイントは、領主さんがわざわざ出向いて来てた事。それなりの危険もあるからね。分かるよ。最後の足掻(あが)きで、すべての奴隷を使った集団攻撃とかね。死をも恐れぬ特攻隊。恐れてはいるんだろうけど、逆らえない人間兵器。そんなのに襲ってこられたら?


 ヤバいよね。数にもよるけど、この町には相当な数の奴隷が居る。数は脅威だからね。少数精鋭で守り切れるのか。切って守るにしても限界はあるだろう。やはり、速攻で『アタマ』を潰す必要がある。


 その圧倒的な数の奴隷達の『主』が誰なのか。恐らく『主の腕輪』を持っているのは、町長のガデイムか、防衛団団長のバラル・ダインあたりかな。副団長も入れたら、あっちは3人だ。不測の事態に備えて、それぞれに分担してるかもしれない。保険も兼ねてね。


 皆の安全確保の為にも、より確実に速攻で終わらせる為にも、こっちももう1人必要なんだよね。 ね? リーン。ニオイが嫌なの知ってるけどさ。俺も嫌だし?


 仕方がないんだよね。後で辛い思いをしながら、大勢の奴隷達と戦う事になっちゃうか。辛いよねぇ。一時のニオイを我慢して、サクッと『アタマ』だけを潰しちゃうか。それも臭いよねぇ。さあ、どっち?


 はい。リーンの決断、英断? により、めでたく? 楽しい臭いお食事会に、リーンも参加が決定です。リーンさんや、良かったね? ありがとう。感謝してるからね。


 でも、臭いニオイは良くないか。知ってる。あはは。まあ、ニオイは俺が何とかするからね。多分それなりには大丈夫だと思うけど、射程範囲があるからね。俺の生活魔法には。俺から離れると、その分効果は保証はできないよ?


 何も言わずに、黙って俺についてきな? 

 はい。離れません。ついていきます。どこまでも!

 喋るのも嫌なくらいに臭いから? 黙って魔法の射程範囲内でお供します?


 うん。締まらないな。なんでかな? 《冷風》



 俺だけなら〈全身空調〉(強)で何とかなりそうだけど、ミラとリーンも居るからね。やっぱり〈エアカーテン〉かな? 使えそうなのは。


 て言うか、2人とも風魔法は使えるんだから、自分でも頑張ってみてよね? ニオイくらいなら、気付かれない程度の風魔法で何とかなるんじゃない?


 それこそ、『魔法の真髄』だよね? 最低でも、顔の周りだけでもね。2人とも、もう使える訳だしさ。出来る限りの事はするけど、期待し過ぎもダメだからね? 頼んだよ? 仲良く自己責任でついといで?



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