そういう事だったのか?
ここは『ロジアーブ王国』。この国には奴隷制度があり、それが原因で、過去には戦争や紛争が絶えなかったらしい。
奴隷契約にも、双方にメリットのあるような契約もあれば、非人道的な契約もある。それなりに利用価値はあり、使い方、運用方法次第でそれは大きく変わる。価値観は人それぞれ、奴隷制度の賛否を巡り、争いは絶えていない。
つい先日も、奴隷制度に反対している国と、あわや戦争という事態に直面したが、何とか回避されたようだった。
『隷属の首輪』。奴隷の首にはめられる首輪で、そこに着けられる魔石の色により、緑、赤、青と順に縛りがキツくなり、待遇も酷くなる。
先日から、その首輪を使って、試験的にではあるが町の運営を改善している所だ。その町の名は『国境の町 オデルローザ』。『ジャッジメント』と言う名のクランによって町は荒れ、元町長アズナブールが隣国と悪巧みしてボロボロになっていた町だ。
役人は皆、首輪を着けて改心中。日々業務に励んでいるはずだ。俺は何も悪くない。そう。悪くないはずだ。ただ、復興のお手伝いをしただけの、善良なる一般市民。ちょっとだけ調子に乗って『講演』なんてしちゃったけど、悪い事はしてないよ? そのはずなんだけど、これは一体どういう事なんだろうか。
家紋入りの馬車はよく狙われる?
やはり金目当てか? 俺達、騙された?
昨日は、何事もなく平和に進んで来られたのに。馬車もあるから、それなりに快適な移動で、3人で仲良く楽しい旅行になりそうだと思ってたのにな。
それがどうよ。今日になってこれだ。待ち伏せか? 何かの嫌がらせなのか?
家紋入りの馬車が1台だけで護衛もいないときてるから、そりゃあ狙われるのか? でもここの領主の家紋だぞ? 分かってて襲ってくるって事は、殺されてもおかしくないんだぞ? まさか、いい機会だからゴミ掃除も兼ねてやらされてるのか? 何かそんな感じがしてきた。どうも待遇が良すぎると思ってたんだよな。
やっぱり世の中、いい話には裏があるんだな。ふん。馬車の乗り方のレクチャー付きだったからな。まあ、いい勉強になったからいいんだけどさ。何かやられた感じがする。それだけ治安が悪い領地という事か。常識がない俺が悪かったのか。ちゃんと護衛を雇えって話かな。そのための冒険者ギルドってか。
でも、そんな時の為のシェルターだからね。襲撃を受けても、場所を特定され難いから、外で普通に野営するよりは、よっぽどゆっくり休めるしね。昨日は、普通に街道沿いの開けたスペースで野営したけどさ。馬車も入れる位に大きいの作っちゃえば良かったんだよね。それに気が付いたのが、明け方にアリーが起きてきた時だからね。ははは。
それでも俺ってばグッジョブだ。グッスリ眠れない野営なんて、もうしたくない。また1つ大人の階段を上ったな。久しぶりに。まだまだ先は長い。頑張ろう。
言いたい事は、大概言ってきたらな。あとは、この世界を素直に受け入れ、楽しんでみるのも良いかもしれないな。なんて思ったのも束の間。また襲撃です。
「右前方、ゴブリン! 数は5! 来ますっ!」
またゴブリンさんですか。アリーの索敵能力が強化されてるようで、非常に助かる。でもさ、アリーさんや? あながやってたのは花嫁修業だよね? 索敵能力って、花嫁が修業するものなのかな? オイラの常識は非常識? またまた常識ってやつが分からなくなってくる今日この頃です。
そして、ミラさんや? オイラの出番がないんですけど? 5匹のゴブリンさんくらいじゃ心配はしないけどさ。オイラも、強化された能力を試したいなぁ何て思ったりしてるんだよ? 良いけどさ。次は俺の番ね? お願いしますよ。
「左前方、恐らく人間! 数は5人くらい? 木の陰に隠れてますっ!」
何て言ってると、はい。来ましたね。いや、居るんでしょ? 今度は盗賊ですか? それとも、嫌がらせの張本人か? ふー。やれやれ。ふふふ。やっと俺の出番だね。
「手前で馬車を止める。ミラとアリーは、ここで待機。手を出すのは戦闘になってから。討ち漏らしがあったら頼んだよ、ミラ」
「あい、分かったのじゃ。わしは周りの警戒をしつつ、馬車の守りを優先するのじゃ。あまり派手に暴れるでないぞ、また変なのが寄ってくるかもしれんのじゃ」
「分かった。アリーと馬車は任せるから、ちょっと行ってくるね。そんなに派手に暴れるつもりはないから、安心して」
て言うか、俺ってそんなに派手に暴れた事あったっけ? ん? あったな。いろいろ殲滅させてるし、それはミラも見てたな。どうもジャッジメントの時の潜入のイメージがまだ残ってるな。あれは、正に潜入だったからな。うん。『スッパイ大作戦』。トイレの中で大人しくしてたからな。ははは。イヤな思い出が。時給にして、100万エーン。いいお仕事でした。
さて、どう来ますかな。《双眼鏡》
おっ。居る居る。これは、隠れてないよな? 隠れてるつもりなのか? まあいいや。
「おい! そこに誰か居る事は分かっている。敵対する気がないのなら、両手を上げて大人しく出て来なさい! 聞こえてるか? 出て来なさい!」
…………
反応がない。ただの屍のようだ。いや。隠れんぼか?
「こちらは、ガルーマ領主の遣いの者だ。言う事を聞かないというのなら、先制攻撃を加える事になる! いいか! これは警告だ! すぐにそこから出て来なさい!」
…………
くそお。無視か? 俺は無視されてるのか? 地味に恥ずかしいぞ? これが放置プレーというヤツか? ダメージが入ってきそうだな。こういう時こそ《スルー》だ。
ふー。何とか、かわせたか。うん。そんな気がする。
「警告はしたからな! 敵対の意思ありとして、今から攻撃を開始する! 当たっても恨むなよ!」
指輪が強化されて、魔法の威力も軒並み上がってるからな。当たり所が悪ければ、マジで逝っちゃうかもしれないんだよな。まあ、警告は十分にしたし、領主の遣いに逆らうという事は、攻撃されても仕方ないよね。場合によっては、物理的に首を飛ばすって言ってたからな。よし。自己肯定完了。行きます。
タビト、行きまーす!
いきなり《泥弾》×10
ドシュッ! ドシュッ! ドシュッ! ……
ドシャ、バシャ、バシャ、ガサッ、ドシャ ……
うわっ。自分でやってて引くわ。威力あり過ぎ。木が抉れてるし。でもこれ〈泥弾〉だよ? 次からは、もう少し威力を弱めよう。過ちを修正して、人は大人になっていくものだ。
「ぐあっ!」ドシンッ
「くっそー。いきなり攻撃しやがってぇ!」
「うわぁ! 腕が、オレの腕がぁ!」
「おいっ、大丈夫か! 何だこれは! 骨までいってるじゃねぇか!」
「痛ってー! 聞いてたのと違うじゃねぇかっ! 攻撃魔法まで使えるなんて、聞いてねぇぞ!」
出てきたぞ、ワラワラとうるさいなぁ。警告はしてやったのに、文句言ってちゃいかんぜよ。汚い格好のオヤジさん達だ。またアホな言葉が聞こえたぞ? やはり、オレの事を知ってて狙って来たな。『聞いてた』とか、『聞いてねぇ』とか、誰に雇われたんだろうね。心当たりが有りすぎて怖いです。
まあ、オデルローザ関連の何方かな? やれやれ。やっぱり慣れない事はするもんじゃなかったな。でも、首輪着けてるヤツは、敵意を示さないはずなんだけどな。くそお。誰だ? 俺に刺客を寄越すなんて勿体ない事を。そんな金があるのなら、町の復興に使って欲しいもんだ。いや。俺への施設使用料の支払いか?
「まだ敵対するのなら、今度は牽制ではなく、致死のダメージを与える! 言う事を聞いて武器を捨て、大人しく腰を下ろせ!」
「おい! どうするよ。あいつヤバそうだぞ!」
「ああ。土魔法の使い手としか聞いてなかったからな。さっきので牽制なんて言われたら、今度はもっとヤバい攻撃が来るって事だぞ」
「ぐうう、腕が上がねぇ。俺は止めだ。この人数でも勝てる気がしねぇ」
「バカやろう! ここで止めても何ともならないぞ。俺達には後がないんだぞ」
「くっそー。痛ってーな。お前は当たり所が悪かっただけだ。後ろの馬車には女が乗ってるはずだ。それを押さえちまえばいいんだよ。そうすりゃこっちの勝ちだ。この人数で一気に行けば、やれるはずだ」
全くもって遺憾です。折角チャンスをあげたのに。やれやれ。やはり、アホはどこに行ってもアホのままなんだろうな。指導するアタマ次第なんだけどな。残念だ。
ダメージを与えてから言うのもなんだけど、やっぱり敵で良かった。ちょっとだけ、またやっちまった感があったからな。骨までいってるって、普通なら罪悪感半端ないよね。うん。良かった。俺セーフだ。
〈エフェクト〉で威嚇してみるか。いや。折角の機会だし、最上級の演出で攻めてみようかな。
よし。《バーサクモード》発動だ。威嚇効果極大のはったり演出。初披露だ。その目に焼き付けるがいい!
〈エフェクト火〉(大)で全身に大きく炎を纏い、
〈エフェクト風〉で方向を上へ向け、さらに炎上。
〈エフェクト光〉で髪の毛はやめて、全身を発光させ、
〈エフェクト雷〉(大)で全身から雷を放出。
〈エフェクト闇〉で闇を背景にする事で他の効果を強調。
今回はここまで、気分次第で、〈スペクトル〉で色を変えたり、〈光学迷彩〉でたまに消えたりさせる演出は止めておこう。こいつらには勿体ない。
「ふおおーーっ!! やる気があるのなら掛かかってこい! 死にたいヤツから前に出ろ! 一瞬で楽にしてやる!!」
「な、なんだアイツは! 燃えてるぞ!」
「なんだあれは! ヤバいなんてモンじゃねぇぞ! 誰だ! この人数なら勝てるなんて言ったのは! もうそんなレベルじゃねぇぞ、あれは」
「ひぃっ! こ、殺される! 光ってるぞ!」
「ばっ、ばかな! 〈土〉どころか、〈火〉も〈風〉も、それ以外にも属性を使ってるぞ! バチバチいってるのは何なんだ!」
「ばっ、バカ野郎! あんなヤツに勝てる訳がねぇ! 一瞬で消し炭にされるぞ! ヤベーのは俺達の方だ!」
うわー。やっちまったぁ。効果あり過ぎたか。やっぱり封印しとくべきだったみたいだな、やれやれ。これが『黒歴史』というヤツなのか? もうやっちまったからな。無かった事にはできないぞ? くそぉ。ヤツらの存在ごと消し去るか? あ、後ろにミラとアリーも居るんだった。あはは~。
チラッとな?
あかん。何かジト目で見られてる気がする。うん。そんな空気が流れてる気がするぞ。〈冷風〉送っとくか? 今更か。止めとこう。
良かったな、お前たち。こう言うのを命拾いと言うんだぞ。後で何て説明しようかな? そっちの方が厄介だな。
「そっちから来ないなら、俺から行くぞ! 一撃で終わらせてやる。有り難く思うんだな!」
「ひぃ~~! すいませんでした!」ガバッ
「ご、ごめんなさい! 抵抗しません。助けてください!」
「許して下さい! もう、何もしません!」ザッ
「すいませんしたっ!」ガバッ
「ごめんなさい! 命だけはっ!」ガバッ
全員、キレイな土下座をキメてるな。こっちにも在るんだね。見事だね。やっぱりこういう連中って、アホアホ集団のジャッジメントと似てるよね。
開き直りの良さも見事だ。その土下座もシッカリ額を地に着けてるね。ピクリとも動かないよ? 大丈夫? 固定できるポジションが見つかったのかな? バランスさえ取れちゃえば、体勢を維持するのは案外楽なんだよね。知ってるよ? 何でかって? 何でだろうね? ふふふ。
「よし。そのまま動くなよ! 動いたヤツから消し炭だからな! 試しに1人、消えとくか?」
「ひぃ~~! ごめんなさいっ! 動きません!」ガンッ
「動きませんっ! 何でも言う事聞きます!」ガンッ
「許して下さいっ! 従います!」ガンッ
「すいませんしたっ!」ガンッ
「ごめんなさいっ! 消さないで下さい!」ガンッ
ちょっとやり過ぎに反省。凄い音してるけど、アタマ大丈夫? 物理的な意味でね? ケガしてそうな勢いだけど? まあいいか。こういう人達の取り扱いには慣れたからね。ありがとうジャッジメントの皆さん。あなた達との経験が役に立ったよ。クララもね? 《スルー》
さてさて。そろそろ〈バーサクモード〉を〈解除〉しましょうか。背後からの冷たい視線が痛い気がするからね。
そして、念のために《ステルス》発動して近づきますよ。気付くかな? ジャッジメントの皆さんは、全く気付かなかったけど、今回は〈光学迷彩〉は無しだからね。顔を上げれば気付けると思うよ。
〈ステルス〉隠密性大。各属性を身に纏うことにより、性能が大幅に向上。防臭・遮音・遮熱・遮光・遮熱・断熱効果、探知遮断、気配遮断、闇同化。
ふんふんふん。ふんふんふんふんふーん。
よっこいしょーいちさん。
ほいっ。
カシャ、《魔力供給》ぶわん。ふわぁ~ん ×5
よし。完了だ。慣れたもんだね。この作業。これもジャッジメントの皆さんのお陰です。こんな経験ばっかり積ませやがって。全く。ありがとね? 役に立ってるから、いいんです。
もう〈ステルス〉は解除でいいかな。あんまり意味なかったみたいだけど、無事に『首輪』も装着できました。
「ん? 何だ?」
「ん?」
「ん?」
「何だ?」
「ん? 何か着けられたぞ?」
「はい。そのまま動くなよ! 死にたくなかったら大人しくしてくれよ。お前たちは、たった今『奴隷』になった。分かるな。『赤の犯罪奴隷』だ。俺の言う事に逆らうと、その首輪が絞まって、苦しんで死ぬ事になるぞ!」
「はっ? なっ! 奴隷だって!」
「何だって! そんなの聞いてないぞ! 『首輪』の扱いまで出来るのか! 話が違い過ぎるぞ! どうなってんだ!」
「犯罪奴隷だって! 俺がか? くっ!」
「くっそー! あっ、ヤベッ! グッ!」
「バカ野郎、端から俺たちに勝ち目なんて無かったんだよ。敵意を向けても苦しむだけだ。諦めろ!」
「その通りだぞ。大人しくしてないと、『害意』ありとして『即死』させちゃうかもしれないぞ。いいのか? 死にたくなければ大人しくしてろ! これは命令だ!」
「ぐっ。…………」
「分かりました。あなたに従います」
「くっ。騙されたのか、俺達が」
「そうかもしれないな。オレはもう諦めた。好きにしてくれ」
「……」
よし。こんなモンだな。相変わらず、『即死』の言葉は凄い効き目だな。いくらなんでも、俺の意思では『即死』なんてさせられないぞ? でも、こういう奴らには効果があるから不思議だね。どこかに負い目があるからだろうな。ジャッジメントと同じだ。
長いから略すかな、ジャッジメント。JM? MJ? あ、こっちはヤバそうだから、JMかな? いや、そういうイメージじゃないな。うん。『ジャメン』でいこう。邪魔なメンツ、邪魔メンって感じ? うん。我ながら、いい出来だ。
それにしても、この『奴隷契約』。相変わらず恐ろしい威力だな。変に攻撃加えるより、俺に合ってるかもね? うふふ。
俺の持ってる『主の腕輪』。これから何人『対』にするんだろうな。これでお仕舞いにしたいけど、まだ旅に出たばかりでこれだからな。先が思いやられます。やれやれだ。
~奴隷制度について~
国から認可を受けた奴隷商館でのみ売買可能。
奴隷の登録・解放、条件の設定・変更は、国から資格を与えられ、『奴隷商の腕輪』を持つ者だけに許された『契約』。
通常は、『奴隷商の腕輪』から『主の腕輪』『隷属の首輪』に魔力が流され、紐付けられる。これにより、その後の管理が可能になるという仕組み。その後に、『主の腕輪』『隷属の首輪』の間で魔力を流して『対』の契約書が結ばれる。これが俗に言う『奴隷契約』。
所有主には『主の腕輪』、奴隷には『隷属の首輪』が装着され、登録される事で対となる。対となったモノ同士を近づけると、お互いの『輪』がほんのり光って反応する。『腕輪』1つで複数の『首輪』と登録が可能。
奴隷の所有主は、対となった奴隷の生活の面倒をみる必要がある。身の安全を確保し、その行動に責任を負う。その代わりに、奴隷の能力に合わせた仕事をさせていく事になる。そしてそれは、『約束』が果たされるまで続いていく。
奴隷は、『隷属魔法』により行動を制限される。
敵意、害意だけでも〈注意〉により魔石が『点滅』し、継続すれば〈警告〉により魔石が発光し『痛み』を与えられる。最悪は〈処罰〉により「痛み」が増し、そのまま『死』までいく。害意ある行動は『即死』。
奴隷にも人権はあり、『何でもあり』ではない。場合によっては聞き取りが行われ、所有主が罰せられることもある。大罪を犯したり、大きな問題を起こした場合には、犯罪奴隷に落とされる事もある。
首輪に付けられた魔石の色で種別が異なる。
【無】【奴隷商付】条件契約前の奴隷商預かり状態
【緑】【契約奴隷】年数等の契約条件を満たせば解放
【赤】【犯罪奴隷】終身の強制労働、戦闘奴隷にもなる
【青】【特殊奴隷】死を前提とした絶対服従奴隷
【黒】【使役奴隷】対魔物用の使役契約
色については、もう少し正確には、赤はえんじ色、緑は深緑、青は群青色、黒は濃灰色。
【緑の契約奴隷】
あくまでも『契約』重視で、『害意』判定で『即死』に至る訳ではなく、『激痛』が走るなどの『制限』に留まる。言ってしまえば、首輪を使った実行力のある契約。あくまでも、双方合意の上での契約で、契約を果たせないと、『犯罪奴隷』に落ちる事もある。
緊急時や、戦争などによって発生する様々な問題以外では、契約内容も、そこまで酷いものにはならない。
【赤の犯罪奴隷】
『物扱い』を受けてもよしとされている。俗に言う『奴隷落ち』が、これに当たる。
【青の特殊奴隷】
死を前提とした『契約』で、戦争時の拷問や死兵作り、死刑執行の代わりに結ばれるモノ。自我が保てなくなる事もあり、『奴隷商の腕輪』でも『開放』できない。
【黒の使役奴隷】
魔物を有用に使役する為の『契約』。奴隷商人でも使える者は少なく、特殊な能力、スキルがなければ使えない。
【強制的隷属化】
『主の腕輪』と、奴隷商預かりのはずの『色無しの隷属の首輪』。この2つがあれば、魔石をはめ、魔力を同時に流してやるだけで、『強制的に隷属化』が完了してしまう。条件の設定ができないため、緑の契約奴隷の登録はできない。
奴隷制度の抜け穴で、登録を辿れない事から足が付かず、誰も管理できない。
『奴隷狩り』は、何処かから手に入れた『色無しの首輪』を使い、無理矢理この強制的隷属化によって奴隷を作り、金を稼いでいる。人の尊厳を踏みにじるような許せない行為。
『奴隷商の腕輪』がなければ『解放』できず、無理矢理に『解放』しようとするのなら、『破壊』するしかないのだが、契約が完了してしまうと、魔石と魔法の相乗効果で、物理耐性、魔法耐性が増し、簡単には破壊できない。
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