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検証作業は大事だよ?



 はい。お次は、ミラのターン。


 ミラは、昨日の検証の3人での〈魔力循環〉により、魔力が外から入ってくる感覚を体験した。それにより、食事以外での魔力の自然回復の感覚が掴めそうになっていたのだが、その検証をしようとして瞑想中に寝落ちした。うん。流石のミラクオリティ。


 だから、もう1度〈魔力循環〉をやって欲しいとの事だった。



 勿論、俺が出来る事なら協力はする。ミラやアリーからのお願いなら尚更だ。〈バーサクモード・ミラバージョン〉で、ミラが活躍するはずの出番も大幅に削っちゃったし、その償いも含めてミラの労(ねぎら)いをする事に。



 ここで新たな魔法を登録する事が出来た。うん。俺ないす。ノリでやってみたんだけど、ちゃんと根拠もあったからね? 俺ってば、マッサージはプロ級だから?


 別に、アリーだけじゃなくて、ミラの声も聞いてみたいなぁ何て考えてた訳じゃないからね? 本当だよ? 声と言っても、聞きたいのは感想ね。〈魔力循環〉の。本当かな?


「アリーだけにするのもずるいのじゃ。同じようにやって欲しいのじゃ」


「凄い魔法なんですよ。〈魔力循環〉て。獣人の私が魔力を感じ取れるようになりましたし、とても幸せな気持ちになりましたから。えへへ」


 なんて言われたからね。そこまで言われちゃったら同じようにしてあげるしかないよね。背中からも、手のひらからも、循環する方向も変えたりしながら、ミラのご要望にお応えしましたよ? ふふふふふ。

 


 まずは、〈MPドレイン〉と〈MP注入〉を使っての《魔力循環》から。ミラの身体から魔力を吸い取ったり注入したりして、循環させる魔法だね。


「よし。じゃあ早速やっていくからね。ミラの背中から魔力を循環させていくよ」


「あい、よろしくお願いするのじゃ。こうやって、わしだけにやってもらうのは初めてなのじゃ。少し緊張してきたのう。魔力循環は初めてではないのじゃが、や、優しくするのじゃぞ?」


 おっとぉ。いかん、いかんぞ。背中をこちらに向けたまま、首だけちょこんと振り返るミラの姿、しかも顔を少し赤らめて。か、可愛いね?


〈魔力循環〉するだけだからね? 変な事はしないよ? そんな恥ずかしそうな顔されちゃうと、何か意識しちゃうよね?


 ふー。気を取り直して施術していきましょう。

 では、《魔力循環》


「んっ、…………」


「ん? 痛かった? ゆっくり動かしていくからね」


「だ、大丈夫なのじゃ…………。痛くはないのじゃ。初めての事ではないからの。暖かい魔力がゆっくり出たり入ったりして、とても気持ちが良いのじゃ」


「うん。そうだよね。ゆっくり動かすと温かい感覚が出入りしてるのが分かりやすいよね。俺も気持ちが良いからね。湯船に浸かる時もそうだけど、つい声が出ちゃうよね? ははは」


 うん。これは気持ちが良いな。魔力の出入りの感覚も悪くない? これはミラの魔力だからかな? アリーの時も気持ち良かったけど、2人とも魔力が暖かいからな。ふふふ。


「そうなのじゃ。これは気持ちが良いのもなのじゃ。わしも、つい声が漏れてしまったのじゃ」


「ふふふ。別に我慢しなくて良いからね? 息は吐いた方がリラックスできるし、身体のコリも解(ほぐ)れやすくなるからね? そう言う呼吸法もあるくらいだから」


「おお。そうなのじゃな。それなら我慢する必要はないのじゃな。ふむ。呼吸法とな。確かに、息を吐き出した方が身体がスムーズに動くからの。

 おぬしは何でもよく知っておるのじゃ。さすがなのじゃ」


「そうだったんですね。だから私にも普通に声を出していけば良いって言ってくれてたんですね。私、あの時緊張してましたから。呼吸法ですか。身体をリラックスさせる効果もあったんですね」


 う。言えない。あの時の意味は、そういう事じゃなかったなんて、言える訳がない。確かに、呼吸の仕方によってはリラックス効果もあるけどね。


 

「そうだね。呼吸法にも色々あって、身体をリラックスさせたい時なんかは、


 口からゆっくり長く息を吐き続け、吐き切ったと思ったら、そこから腹筋を使って残った空気も押し出して。結構肺の中には空気が残ってたりするんだよね。全部出し切っちゃう感覚って言うのがポイントかな。


 その後、胸の膨らみを意識しながら、今度は鼻からゆっくり空気を吸い込でいく。十分に吸い込んだら、ここでしばらく呼吸を止めるんだ。長さは適当に? 身体の中に取り込んだ空気を意識してやると、身体が暖かく感じられるからね。その暖かいモノが全身を巡ってるって考えるんだ。〈魔力循環〉と同じ感じだね。


 でも、息を止めるのは出来る範囲でね。あまり頑張り過ぎないで、無理はしなくていい。慣れてくれば、徐々に落ち着いて出来るようになっていくからね。


 後は、また口からゆっくり長く息を吐いていく。これの繰り返しかな。何度もやってると、身体が軽く感じられるようになるから、疲れたなぁって思った時とか、寝る前にやっても効果的だよ。姿勢を正して座るか、横になってやると、更に効果は上がるからね。


 ミラのやってた、『食事以外での魔力の自然回復の感覚』を確かめる時に意識してやってみると良いと思うよ。所謂(いわゆる)『瞑想』ってヤツだね」



「おお。そうか、あれは『瞑想』と言うのじゃな。

 それで、その瞑想とやらの最中に、この呼吸法をやれば、魔力の自然回復にも効果が上がりそうなのじゃな。また良い事を聞いたのじゃ」


「はい。呼吸法って凄いです。そんな効果もあるんですね。私もしばらくやってみます。これで、より魔力を感じやすくなるかもしれません」


「うん。そうだね。疲労回復と魔力回復にも似てる所もあると思うから、それなりの効果はあると思うよ。俺も今、検証中でやってるんだけどね。魔力循環がより意識しやすくなったかもしれないね」



 うん。何でも好意的に受け止めてくれているんだね。その好意を無駄にしちゃいけないよね。それに、俺だって何でも知ってる訳じゃない。


 興味のある事はより詳しく、そうでもない事は適当に? 知ってる事を言ってるだけなんだよね。ただ、その範囲がちょっと広いだけ。


 広~く浅く、1部はより深く。スマホで確認しながら過ごしておりますが、何か? ここはお得意の《スルー》だよ?



「おお。今、一瞬だけ魔力の感覚が変わったのじゃ。スッとした感覚だったのじゃ。おぬし、何をしたのじゃ?」


 おお。流石ミラ。しっかり〈スルー〉も感じ取ってしまうとは。やりますな。


「うん。流石ミラ。今のは、感覚を少しだけ和らげる効果を狙った魔法なんだけど、よく分かったね。ほんとに微妙な感覚のはずなんだけど」


「ほう。そんな効果のある魔法もあるのじゃな。おぬしは本当に優しいのう。わしに気を遣って発動させてくれたのじゃな。確かに効果は微妙じゃが、それはそれで良いような気もする魔法なのじゃ」


「はい。ミラさん凄いです。私にも使ってくれたみたいなんですけど、私にはそこまでの感覚は分かりませんでしたから」


「ほう。そうだったのじゃな。まあ、うっすらとした感覚じゃったからの。魔力を感じられるようになったばかりのアリーには、なかなか気付くのも難しいかもしれんのじゃ。タビトはアリーにも優しいからの。気付かぬ所で色々考えてくれておったのじゃろう」


「はい。そうなんです。とても優しくしてくれました。そのお陰で、魔力をしっかり感じられるようになりましたから。えへへ」


 おう。やっぱり2人とも、俺に対する善意の思いが強過ぎる。うん。アリーにも2度ほど使ったし、ミラにももう1度?


《スルー》あんど《闇の癒やし》だ。ポワァーン



「んっ? おぬし、また同じ魔法の後に、何か別の魔法を使ったのじゃな。スッとした感覚の後に、ふわぁっとした落ち着く魔力が全身を包み込んできたのじゃ。


 ふむ。これは前にも発動させてもらった事のある魔法なのじゃ。確か、精神耐性を少し上げる魔法じゃったかの。


 ふむふむ。これは、この〈魔力循環〉をさせながら発動させると、効果が上がるのかの? 以前よりも強く効果を実感できる気がするのじゃ。これは落ち着くのじゃ」


「そうですよね。そのポワァーンってなる魔法は、とても落ち着くんです。それもタビトさんの優しさですよね。えへへ」


 おう。流石のミラクオリティ。2つの魔法をしっかり感じ取った上に、解説付きとはね。でも、そうか。〈魔力循環〉中だからこその効果増加になる訳か。ふむふむ。やりますな。

 

 そして、アリーさんや。うん。ありがとう?


「ふふ。流石ミラだね。魔法の感知に関しては言う事なしだし、〈魔力循環〉中に追加魔法の効果が上がるって事は知らなかったからね。やるのはこれで2度目だし。うん。これはまた使える大発見だよ。ありがとうミラ」


「おお、そうだったのじゃな。おぬしの役に立ったのなら良かったのじゃ。これはなかなか良い魔法なのじゃ。魔法の効果が上がるのなら、言う事はないのじゃ」


「〈魔力循環〉中に追加した魔法の効果が上がるなら、他の魔法でも使えるんじゃないですか? タビトさんなら色々出来そうです」


 ぐはぁっ。先に言われたか。うん。俺もちょっとだけ思ってた。〈魔力循環〉中の追加魔法。うん。流石のアリークオリティ。よく分かっていらっしゃる。



 訓練用の〈魔力循環〉を対象の身体全体に広げてやる事により、更にその効果を増やし、今度はその効果を癒やしの方向にも活用していくって感じかな。


〈魔力循環〉中に追加する事で効果が上がりそうなのは、やっぱり〈癒やし系〉って事だよな。



「うん。そうだよね。俺なら色々やれると思うよ。折角だから試してみるのも良いかもね。教えてくれてありがとう。アリー。よしよし」 もふもふ


「えへへ。褒められました。嬉しいです」


 アリーの、この笑顔はプライスレス。良いね。うんうん。


 よしよし、もふもふ


「これ。先にきっかけを作ったのは、わしなのじゃ。わしも褒めるのじゃ」


「うん。ミラのお陰でもあるからね。ありがとう、ミラ。よしよし」 サラサラ


「ふむ。分かれば良いのじゃ。分かればの。ほれ、遠慮せずに、もっと褒めるのじゃ」


 ミラの、この笑顔もプライスレス。良いね。うんうん。


 よしよし、サラサラ


 2人とも、いつも笑顔をありがとう。サラサラ、もふもふも、ありがとう?



 はい。と言う訳で出来ました。幸せ『サラもふタイム』から新しく登録した魔法。


 別に、ただイチャついてた訳じゃないんだよ?

 そこからも魔法の検証は出来るからね。皆にとってのご褒美魔法だ。ふふふふふ。


「これなら、毎日お願いしたいくらいなのじゃ。ふふふ」


「はい。私も、毎日お願いしたいです。えへへ」



《魔力循環マッサージ》。対象者の全身に魔力を浸透させ、滞(とどこお)りを解(ほぐ)し、魔力の流れをスムーズにする。言わば、そのまま魔力を使ったマッサージ魔法。いやらしい気持ちなど一切ない。純粋な『身体メンテナンス用魔法』だよ?


 なんて事やってからのぉ、


★《光闇魔力循環の癒やし》

〈魔力循環〉と〈癒やしの光闇〉を併用する事により、身体と魔力のコ(・)リ(・)を解す。全身の無(・)自(・)覚(・)の部位にまで高回復効果が及び、精神鎮静効果も増加。気持ちをより和ませ、更に短時間での高回復が可能になった。



※『《魔力循環》アイテムボックスの□MP専用貯蔵庫を活用し、手のひらで接触した対象に〈MPドレイン〉〈MP注入〉を繰り返し、MPを循環させる。対象に魔力の流れを感じ取らせるための訓練用魔法』だったものを、癒やしの方向に活用し、


『《癒やしの光闇》〈癒やしの光〉〈闇の癒やし〉の同時発動により、身体の高回復効果と精神鎮静効果が増加。気持ちを和ませ、より短時間での高回復が可能に』と組み合わせる事により、更なる癒やしのチカラを手に入れた。


 魔力循環、魔力マッサージ、身体回復、精神鎮静効果を同時に得られる凄い魔法に仕上がった。



 エフェクトは、いろんなものが混ざってたからだろうね。『特に何も起こらなかった』。へー。残念。魔法が魔法だけに、凄い演出を期待したんだけどね。ピッカッー!! とかね?

 

 でも、逆に良かったのかも。〈回復魔法〉を使ってるのも分からないと思うから。ある意味好都合? 周りを気にせずに回復させられるってどうよ。なんか格好良い?


 何なら自分でエフェクト付けてやればいいんだし? エフェクト付けるの得意だし? やっぱり『ジャンタケ』の出汁(だし)は美味しかったし。今日のスープには、ジャンボシイタケの出汁がタップリ入ってたからね。ふふふふふ。


《スペクトル》。水で形成させたプリズムに光を当て、虹のような光の帯を作り出す。これさえあれば、キラキラエフェクトもお手のもの。ノリノリミラーボール作っちゃう?


 ミラーボールって言っても、大切な『ミラ』をボールにして回したりはしないからね? え? やってみたいって? キラキラ回転連続回し蹴り?


 おう。そうきたか。うん。そう言うのは、またにしようかな。



《魔力循環マッサージ》からの《光闇魔力循環の癒やし》が効いてるのかな。元気ハツラツ、オラ、ナイっスー! C難度の体操技が『ウルトラC』と呼ばれ、『最高難度のとっておきの技』とされてたのは、もう遠い過去の話だね。ははは。



 人間、生きてれば疲れは残るもの。自覚できない疲れも要注意。過労死に至る原因の1つに、疲れ自体に体が慣れてしまい、本当は身体は疲れているのに自分自身でそれに気付けなくなってしまっている事が挙げられる。


 そう、じわりじわりと蓄積されていく疲労。知らず知らず忍び寄る病と一緒だね。緊張感や責任感という悪しきフィルターがそれを感じ難くさせているのも悩ましい所。日本人の美徳とされる、その優しさが自らをオーバワークに追い込んでいく。


 ブラックな上の人達は、それすら分かって利用したりしてんだよ? 凄いよね。怖いよね。


 だから、身体メンテナンスも自己責任。身体を休めるのも大切な仕事の1つです。そう考えて、偶(たま)にはゆっくりお風呂に入って、まったり惰眠を貪(むさぼ)ろう! うん。また良い事言ったぞ?



 そんな元気なミラにも、魔力の滞(とどこお)りがあったからね。流石、武闘家さん? 筋肉を酷使すれば疲労は溜まる。これ常識。魔法の真髄による〈身体強化〉。威力も凄いが、その反動も凄いはず? うん。どうなの?


「何を言っておるのじゃ。魔法の真髄による〈身体強化〉じゃぞ? 魔法を全身に纏わせる事によって、身体への負担は増すどころか、逆に快調そのものなのじゃ」


 あれれ~~? おかしいな。うん。俺の常識は非常識。やはり魔法の在る世界は難しい。でも、魔力が1部滞ったてたからね? 勿論、解(ほぐ)して流れをスムーズにしておいたから。



「ふむ。言われてみれば、少し身体が軽くなったような気もするのじゃ。これでまた身体が思い通り動かせるようになったと言う訳じゃな? ふむふむ。早速検証してみるのじゃ」



 流石、愛情たっぷりマッサージ魔法? 純粋な身体メンテナンスの効果は抜群ですな。あはは。



「とりゃっ! せやっ! これで、どうじゃっ!」


 これこれ、ミラさんや。せっかく作った防御壁を足場にして、三角飛びからの多彩な攻撃を練習しないの。格好良いじゃないか。俺も後でやってみようかな?


 まあ、いいか。直接攻撃してる訳じゃないし、大きい音を立ててる訳でもないからね。



 お次は、アリーのターンだな。



【追加登録された魔法】


★《光闇魔力循環の癒やし》

 〈癒やしの光闇〉〈魔力循環〉を併用する事に

 より、身体と魔力のコリを解す。全身の

 無自覚の部位にまで高回復効果が及び、

 精神鎮静効果も増加。気持ちをより和ませ、

 更に短時間での高回復が可能に


◇◇◇◇◇


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[一言] 何かクドクドと読みづらく感じてきた
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