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タイマン。  作者: あんち。
2/2

VS2メン

なんだこれ...地面が俺に近づいてくる...?

咄嗟に手を前に出すと、自分が倒れていることに気がつく。


「大丈夫!?」


杏樹が慌てて俺に駆け寄り、介抱する。

女の子の香りがする。こんな状況なのに...

まったく。これだから男という奴は。


「うん...大丈夫だよ。ごめん。それより今のはなに?」


「ん?今の?ブラジリアンキックだけど?」


お前ジャパニーズじゃんとか考えていると、


「海渡はブラジリアンキック受けたことないの?」


「ない」


あのとき何が起きたのか思い返す。

杏樹の下段をカットしようとして膝を上げたと同時に、地面付近にあった奴の右足は跳ね上がり、俺の頭のすぐ横に。


「あぁ...」


後悔から、ため息だかなんだかよくわからない声が出た。

相手の足を蹴る下段廻し蹴りを受けるガードでも、左手で頭をガードしなくてはならない。

そう。その左手がお留守だったのだ。

そのため杏樹はノーガードの頭を思い切り蹴れたわけだ。


「海渡もまだまだだねw」


と、杏樹はニヤニヤしている。


「もう一回やろう。」


俺は催促するように杏樹に再戦を申し込むが、


「今日はもうダメだよ!あんなにしっかり倒れてるってことは、脳にも負担がかかってるはずだよ。」


「そっか...」


「明日稽古があるじゃん!その後にでもまたしよ!」


「わかった。」


明日は週5日の稽古の日。

道場に行って、基本の型や、移動稽古、スパー、トレーニングといったことを師範の指導の下、行う。杏樹は脱衣場で着替えたあとに


「じゃあ今日は帰るね!」


「あいよ。今日はありがとう。」


「どしたの?今日はやけに素直だねw」


そりゃそうだ。同学年の女の子に一発で倒されたんだから。


「まあね。」


「やっぱり海渡の家で遊んで行こうかな~ww」


まじかこいつ...幼馴染とはいえ、今や高校生

である男女2人がひとつ屋根の下...

そんなことを考えていると俺は咄嗟に答えてしまった。


「いいよ。」


やばい俺なんでいいよなんて言ってんだよ!!!

童貞である俺は焦った。


「えっ」


杏樹は何故か少し顔を赤らめて驚く。

お前が誘ったんじゃねーか


「やっぱりいい!今日は帰る!」


杏樹は急いで帰って行った。

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