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落ち着くと事件は起き始める

 主と話している間に村へ着いたようだ。

「なあ、この村広くないか?」

「え?こんな小規模なの村だよ」

 どうも俺が考える村は小さすぎたらしい。

「んな訳ねぇよ!なんだこの村広すぎんだろ!」

 中心に大きな木がでーんと生え、その周りには山の麓までみっちり家、家、家!

 山脈なんて遥か彼方にギリ見えるぞ!

「これは小国って言うの!」

「はははっ、君は何処まで見てるの?村はそこの青い所だよ」

 そこには青い屋根の家が所狭しと密集していた。


「ここは色で分けてるんだ」

 村を表す門をくぐりながらそう主は言う。

「ほう、それにしてもこの国密集しすぎじゃねぇか?理由でもあんの?」

「うーん、この国歴史が深くて分かって無いんだよ」

 主は本当に心苦しそうに返してくる。

「ここも分かって無いのか。戦でもしてたんじゃねぇの?」

 俺が言うと首を左右に振る主。

「違うよ!ここは数十年、一度も戦をしてないんだから!」

 そこははっきりしてるのな

「書物は全部教会で管理されてるから研究が進まないんだよ」


 主の発言に気になる部分を見つけた。

「教会?」

「うん教会。ほら、あそこの大木がそうだよ」

 ああ、まあ気にはなってたけども。

 だってフォルムが完全にあのワ○ピースに出てくる大樹図書館みたいだったもん。

「あの木の中に沢山の資料があるの。でも警備が厳重であそこから出て来た人は居ないんだよ」

 怖ぇな、おい。

「でもなんで教会はそんなことしてるんだろうな?」

「え?さあ?」

「お前、少しは考えるとかしろよ!」

「しょうがないでしょ!今まで訓練しかやってこなかったんだし!」


 国の住人は必ず軍隊で訓練を受けなければならない決まりがあるそうで

「村で訓練してないの僕だけで、7歳からずっと軍隊に居たんだ」

「主は凄いんだな」

 そう言うと主はあまり嬉しく無さそうに首を横に降った。

「これ位人の少ない所だと普通だよ」

 まあ村を歩いていても誰も居ないし。本当に人居るんだろうか?

「ほら、村長の家に着いたよ」

「ん?おお!」

 この村の殆どが木造の小さい家だったが、そこは村長の家。素人の俺が見ても良質な木を使っているのが分かるくらい存在感あるお屋敷造りだった。


「おやフラン、帰ってきたかい」

 屋敷に踏み入れたとき、奥から嗄しわがれた声が掛かった。

「おばば様!」

 主は天井の高い広間の階段に腰掛けた声の主、皺だらけのローブを身に纏った老婆に駆け寄った。

「卵を採りに行ったんだね。ほれよく見せておくれ」

 老婆の手に移った俺は殻の隅々まで見られた。

「フラン1人かい?」

 老婆の質問に主は言葉が詰まる。


 あ、そっか。主達こっそり村から出て来たんだったな。それで1人で帰ってきたのはまずいよな。


「あ、兄貴は…「言わなくていいよ」」

 主の言葉に間髪入れず返した老婆。

「これだけの大物を取ってきたんだ、しょうがないことじゃよ。儀式をするんじゃろ?まずはお風呂で体を綺麗にしてきなさい」


 老婆から渡された俺は主に連れられ、大浴場に来た。なんとここは露天らしい。

 脱衣所で服を脱いだ主と共に豪快に湯船へ!

「何言ってるのちゃんと体洗ってからだよ!」

 そうでした。露天なんて久々過ぎて舞い上がっちまった。

 体を洗い、頭を洗って泡まみれのまま俺の殻を磨く主。この殻感覚があるのか知らないけど、なぜだか気持ち良いな~。


 ザプンッ…。

 あ”~…、いいねぇ…、やっぱ温泉だよね~。この温かい感じがたまらんのよね~。

 久しぶりの温もりに心がほぐれる俺。

 すると俺を見ていた主が吹き出した。

「なんだ?」

「いやね、ゆで卵にならないのかな?って思ってね」

 ははっ、変な事いう奴だな。ゆで卵は卵を茹でてなるんだぜ?この俺がほっこり茹で…茹でられてる!?そういや俺卵やんけ!

「おおおい!大丈夫なのか?お、俺美味しくないぞ?」

「食べはしないよ~」

「いや、むしろ茹だったら食べてくれ!捨てないで!」

「まあ大丈夫だと思うよ?ドラゴンとかマグマで卵温めるらしいし」

 そ、そうなのか。あまりにも温泉が気持ち良すぎて人間に戻った気分だったぜ。


 裸になって分かった事がある。主の胸筋だ。や、まあ腹もピシッと締まっているんだが。

 ウエストの細さと対称的に胸筋はふっくら盛り上がっている。俺の重さがどれ位かは分からないにしてもあの熊の攻撃を防いだだけある。守護職にでも就いていたのか?

「主」

「ん~?」

 主も気持ち良いのだろう、緩い声音で返事を返してきた。

「主は兵士の時何の仕事をしていたのだ?」

「え~どうしたの、突然?」

 垂れ目に眠たそうな主。空はオレンジに染まり辺りも暗くなり始める。

 暫く歩き通しだったし仕方ないか。

「いやな、主の胸筋が凄くてな」

「へっ?どっ、どこ見てるの!」

 のぼせたように頬を赤らめていた主は更に顔を赤く染め腕で胸を覆い、立ち上がった。

「!?」

 立ち上る湯気の間、主の股間は凹凸が少ない肌色をしていた。

「ぬっ主って、女の子ぉぉ!?!?」


 待て待て落ち着け落ち着くんだちょっと冷静になって文字数使うのやめろ。

 すーはーすーはー…よし!

 少し状況を確認しよう。

 村に帰ってきた俺らは老婆の勧めで風呂に入った。泡まみれになりながら泥汚れを綺麗にした。湯船にまったり浸かりながら主の体付きを確認していた。

 鍛え抜かれすらりと滑らかな曲線を描くウエストを中心に、キュッと引き締まった尻肉。一度見たら目が離せなくなるような胸元。その頂点の可愛らしい桃色の突起に何故だか恥ずかしさを感じて目を下に逃がすと、男の娘特有のイチモツなど存在しない凹凸の無い股間が目に入ったのだった。

「思考ダダ漏れなんだけど!もうお嫁に行けないよ!責任取れるの!?」

 も、モンスターで良いのなら…?


「こここうなったらっ!」

―バシャァッ!

「お、おい!どうしたんだ!?」

 主は俺を持ち上げ1歩、2歩…と歩み始める。

 その先には地下から汲み上げているというここの源泉口が。

「ま、待て!落ち着け!悪かった!俺が悪かったから、煮るのだけはやめてぇ!」

 目を血走らせた主の耳には俺の声が聞こえてないらしく、どんどん熱湯に近づいていく。

 待って湯気凄い!端っこに居たときもここ湯気凄いとは思ってたけど、どんだけ熱いの!?ねえ!?

 源泉口まで来たとき主は俺を大きく掲げ投げる体勢に入った。

「待て待て待て!俺がちゃんと責任取るから許してくれ!あと、その体勢大事な部分丸見えだぞ!」

「へ!? きゃっ!」

 咄嗟に自分の体を腕で隠した主。


 …空中に俺を置いて。


 空中に置かれた俺。一瞬の間の後、地面へと引かれるように落下を始める。

 …はっ!これは俺が地面に引っ張られているのでは!? よし!今からこの力を引く力…引力と名付けよう!

 え?もうある?知っとるわい!

 引力の力で自由落下をする俺は湯船の中へとダイブした。

「…っあちちち!!」

 熱い熱い熱い!煮える!焼ける!死んでまう!

 硬い殻に囲まれた俺に逃げ場など存在しない。

 つまりこのまま煮え死んでしまう訳だ!

 ふっと、東南アジアか何処かで雛の入った卵を煮て食べる文化が頭をよぎった。まさか俺が食べられる側に回るとは思ってなかったよ!


「主!助けて!お願いっ!死んじゃうよぉっ!」

 我ながら悲哀感溢れる声音で助けを求めてみる。

 当の主は胸と股間を隠し、汚れたものを見るような目で俺を見下ろしていた。

 え、何?何その目。待って助けて、熱いのよ!

「責任」

「へっ?」

「だから責任。私もうお嫁に行けないから責任取ってよね」

 突然真顔で何を言っているんだ?

「でも俺、人じゃないぞ?」

「そんなのいいから、異種族間だって普通に恋愛出来るから」

 ジリジリと煮だってぼーっとする頭で俺はこれからのプランを考えるのだった。


 主により引き上げられ、風呂から上がった俺ら。現在脱衣所でお着替え中。

「あ 新しい服に変わってる!」

 まあ、あれだけボロボロだったら交換するわな。腹とか見えてたし。胸も気にしてなかったが今考えると恥ずかしい。実質ノーブラっぽかったし。

 白Tに短パンと超絶ラフな格好になった主は再び俺を抱き抱え声を掛けてきた。

「ねぇ」

「ん?」

「君の名前さ、クーリってどうかな?」

「どうって言われても、まあ主が良いならそれで良いぞ」

「も~、つまんないなぁ」

 頬を膨らませ唇を尖らせる様子は確かに女子特有の魅力がある。やっぱり、結婚とかする事になるのかな?


「おや、あがってきたかい。丁度呼びに行こうとしていたとこだよ」

 風呂を出るとおばば様が椅子に座っていた。

「この服はおばば様ですね!ありがとうございます!」

 主は腰から体を曲げお礼を述べる。

「ほっほっほ。なに、いいんだよ。年頃の女の子があんな服なのもどうかと思ってね」

 皺だらけの顔を更にしわくちゃにして朗らかに笑うおばば様はもうマザーとか言った方が良さそうな程大らかで包み込まれそうな心地良さだった。

「それじゃ、儀式をするとしようかね」

「はい!」

 儀式って何するんだろうな。


 暗い部屋の床の真ん中にはそれらしき魔方陣があり、その周りを円上に蝋燭が仄かに照らしている。

「おお、それっぽい」

「それっぽいじゃなくて、そう なんじゃがな」

 あ、スミマセン…。

「じゃあ2人でそこに正座しておくれ」

 俺は主に抱えられ一緒に座った。

 祭壇のような物の前に立ったおばばは手を合わせて何やらブツブツ唱え始める。うむ、呪文か何かか?

 すると、呪文に反応するように魔方陣が白く光り俺らを包み込む。

「わ、わっ!?」


「終わりじゃよ」

「…はい?」


「なあ、ばあさん。俺らに何したんだ?」

 俺は蝋燭の火を吹き消して回るばあさんに聞いた。

「そうですよ、おばば様。あまりにも早すぎです!」

 主も思う事があったのかばあさんに追撃を仕掛ける。

 2人の質問にやれやれと言うように肩を竦ませたばあさんは俺らの前に立った。

「おぬしら、既に絆が結びついておって、今さら契約する必要が無いのじゃよ」

 …は?絆が深い?

 確かにモンスターを倒したり、ここまで2人で来たり、2人きりでお風呂にも入ったが。2人2人……あれ?確かに絆結んでね?



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