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脱出鬼ごっこ。  作者: 桜餅葉 杏
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ルール説明

「これでわかったと思いますが、謎解きをして脱出するわけではないのです。なくしたもの、このメンバーで助け合いながら見つけてくださいね」


白い仮面男は礼をして2歩下がった。

今度は橙色の仮面男が出てくる。

髪の毛や背など全員同じに見える。

まるで4つ子のよう──いや、分身のようだ。

紅葉ちゃんがあたしの担当者だ、と呟く。


「次にルール説明に入らせていただきます。

このゲームはなくしたものを見つけなければ脱出することが出来ません。見つからなかった場合はそのままこの世界で永久に過ごしてもらいます。」


見つからなかった時点で3回鬼に捕まっていますしね、と付け加えた。


永久に。

その言葉に全員が反応する。


「強制的に連れてこられて、ゲームさせられ、挙句の果てに永久に出られない?っざけんな、そんな自分勝手なこと」

「さっきのよるくんと同じこと言ってどうするの、さっくん」


立ち上がって抗う夏川くんの袖を引っ張りながら紅葉ちゃんは言った。

夏川くんはなにか言いたげに口を動かしたが、何を思ったのかまた椅子に腰掛けた。


「また、鬼に殴りかかったり殺しに行くのは禁止です。自ら鬼に触れた場合も鬼に捕まったとみなしますので。さらによくありがちであるトラップを仕掛ける行為。これは参加者──仲間もトラップに気付かず鬼に捕まってしまうこともあるので禁止です。鬼がトラップにかかると分かっていても、鬼が怪我をしてしまったりすることがあるので禁止。あと仲間がリタイヤすることも原則禁止です。

リタイヤしてしまった場合も鬼に捕まったとみなします。例外としては参加者が命を脅かされる病に侵された場合です」


橙色の仮面の人はそこまで話すと私たちの顔を見た。

考えていることを見透かされそうで目をそらす。


「ルールについて疑問などありませんか?」


私はない、と横に首をふる。

声を上げる人はいない。質問がないらしい。


「いつでも私たちはあなた達のそばにいますから、聞きたいことがあったらその時聞いていただいても構いません」


橙色の仮面の人はそう言うと2歩下がった。

すると4人はボンッと音を出して仮面へと変身した。


『習ウヨリ慣レロ。参加者ガ私タチ、仮面ヲ着ケタラゲーム開始。ソノ瞬間ニ鬼モ捕マエニ走ル』


あの、頭の中で聞こえる言葉。

こうなるとどの色の人が喋っているのかわからない。



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