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桝田空気短編小説集

間違えた小説

作者: 桝田空気

夕方、娘がおっさんを拾ってきた。

玄関で、母親が聞いた。

「ちょっとヨシミ、そのおっさんどうしたのよ?」

「公園のすべり台の下に捨てられてたの。かわいそうでしょ?ねえ、うちで飼ってあげようよ」

母親はため息をついた。

今年5歳になる娘のヨシミは、おっさんが大好きで、いつもおっさんが載っている絵本を楽しそうに読んでいた。いつかねだられるだろうとは、思っていたのだが、まさか拾ってくるとは思わなかった。

「ねえ、いいでしょう?」

ヨシミが甘えた声をあげる。

「うーん、でも、エサ代とかバカにならないし・・・・・・」

「お願い!ちゃんと世話するからあ。だってほら、こんなにかわいいんだよ?」

ヨシミは母親の眼前におっさんを近づけた。

おっさんは、ヒゲをぴくんと動かしながら、つぶらな瞳を輝かせて、母親を見つめた。

母親の胸がキュンとなった。

「・・・・・・し、しょうがないわね」

「飼ってもいいのっ!?」

「ちゃんと面倒見るのよ?」

ヨシミの目が輝く。

「うんっ!お母さん、ありがとうっ!わーいわーいっ!」

「そのおっさん、だいぶ汚れてるから、お風呂に入れてあげなさい」

ヨシミはうなずくと、おっさんに優しく話しかけた。

「いっしょに、お風呂に入りましょうねえ」

ヨシミはおっさんをひっぱりながら、風呂場へ向かって走っていった。














・・・・・・あ、猫とおっさんを間違えた。





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