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学校を守り隊!! でぃふぇんす おぶ すくーる   作者: 時 とこね
最終章 明けの明星
28/42

二 諦めない不信

 ここは異なる世界。赤黒い空間の中に見えるのは正方形の舞台。ここで彼らは命を賭けた戦いに挑む。


 「名x\ ええ!?」


 こうして、第一試合は呆気無く終わってしまったのだ。


 「じゃあ、アタル、後はよろしくな。」


 龍人とアタルはパッと片手でハイタッチして行った。


 「よし、俺で決めてやるぜ!!」


 「けっ、アいつめ……。」


 デオムが退場していく龍人の事を睨みつける。するとアタルが、


 「おい、あんたの敵はこっちだ!」


 と声を張った。デオムは向き直って笑う。


 「そうダっタナ!」


 両者はそれぞれ構えた。これから第二試合が始まる。


 一方その頃ベンチでは。


 「おかえりー!」


 「ああ。」


 優燈に声を掛けられて軽く返す龍人。舞台上とは違ってどことなく不機嫌そうだった。心配して優燈が話しかけるが、龍人は呆気無い返事しかしない。


 「どうしたの?」


 優燈が聞くと、龍人はため息をついて答える。


 「アタルのやつ。負けるかもしれねぇ。」


 「え!? まだ戦ってもいないのに!?」


 驚きを隠せずにいる優燈。龍人はうなずいた。


 「さっき学校で戦ったデオムと、今ここで戦ってるデオム、軽く十倍ぐらいの力の差がある。」


 「十倍!? どういうこと龍人!?」


 優燈が叫んだ事で、それまで散らばっていた仲間が集まって来る。


 「どうしたの?」「なになにー? 何の話-?」「ひょこひょこ。」

 「急に大声出すなよ……。」「pyp。」


 「あ、みんな聞いてよー!!」


 優燈がみんなに龍人の言っていたことを伝えていった。


 「お前そんなことは早く言えよ!!」


 マモルの言葉に、龍人は龍人は反論する。


 「それを言ってどうすんだよ!? アタルだって、んな事聞きたくねぇだろ!!」


 「何言ってんだよ!! 相手が前より強いって言っとけばそれなりの覚悟はアタルだって出来ただろう!?」


 「勝てないって知ったら、あいつのやる気も失せるだろ!?」


 その龍人の言葉に、マモルは逆上して龍人の襟首を掴む。龍人もつかさず掴み返し、睨み合う。


 「てめぇとぼけてるんじゃねぇよ!!」


 「ちょっと、止めなさいって!!」「美菜。」


 美菜が止めに入るが、龍人とマモルには届いていないようだ。それに、みのるが美菜を止めた。


 「アタルはな、自分が勝てないからって投げ出すような奴じゃねぇんだよ!! てめぇ分かってんのか!?」


 マモルが怒鳴ると龍人も怒鳴り返す。


 「ああ分かってるよ!!」


 「いや、分かってねぇ!! お前は、あいつの事を信じちゃいねぇんだ!!」


 「んなわけねぇだろ!!」


 「っ!!」


 マモルは龍人の襟首から手を離した。彼は力なさげに、今までの勢いが嘘のようになった。


 「ああ、もういいよ。ただ、これだけは言っておきたい。」


 突然勢いを失ったマモルに対し、龍人は黙って聞いている。この微妙な空間の中に他の仲間たちも引きずり込まれてしまう。彼らが衝突するのは今まで無かったことなのだから。風の吹かないこの空間では、時間ばかりが過ぎるだけ。その静寂を切り裂いたのは、マモルの言葉だった。


 「あいつは、アタルはな、いつも頼りなさげかも知れないけど、こういう時はさ、仲間のためを思う時はさ、最後まで踏ん張ってくれんだよ。だから、信じてやってくれ。仮にも、龍人は俺たちのまとめ役なんだしさ。」


 そう言ってマモルは龍人に背を見せて離れて行った。仲間たちは静かにうつむいたり、龍人の方を見たりとしていた。特に優燈は、マモルが去っていくのを見て、もの言いたげに龍人の事を見つめた。


 「龍人……?」


 龍人はうつむいて黙ったままだったが、やがてマモルとは反対の方へ離れて行ってしまう。優燈はずっと龍人の事を見つめていた。




 「アタル危ない!!」


 美菜が叫んだ! 

 舞台上ではデオムが、その鋭くとがった爪を立ててアタルに襲い掛かっていた。


 「ぐおっ!!」


 アタルは何とかかわしていく。一撃でも当たれば確実に敗北すると彼は直感した。


 「ドウシタァ! ドウシタァ!」


 切りつけられる両爪を右へ左へ避けていく。もはや時間稼ぎにしかなっていない。


 「防戦一方ね……。」


 デゥエスは冷静に試合を見ていた。こうしてみればアタルの敗北は確実な事だった。しかし……。


 「ふれー! ふれー!」

 「アタル頑張れー!!」

 「右足の踏み込みが甘い!! 帰ったら特訓し直しよ!!」

 「アタルは勝っても負けても地獄だな!!」


 アタルが叫ぶ。


 「お前ら真面目に応援しろよ!!」


 「ヨソ見シテンジャネェ!!」


 「アタル!!」


 その時、一瞬の隙を見てデオムが襲い掛かる。だが、アタルは冷静だった。


 「よそ見じゃねぇよ。」


 「ナ……!!」


 デオムの伸びきった右腕。アタルは攻撃から身をかわしつつも体勢を崩さないで、回り込み、右足を大きく踏み出す。


 「あ、あれは……。」


 美菜は驚いていた。アタルが繰り出そうとしているのは。


 「これでも喰らえ!!」


 足を踏み込み、全身が引き寄せられるような流れの中、竹刀の切先が敵の喉元に食い込んだ!


 「グハッ!!」


 デオムはその攻撃の威力で膝から崩れ落ちた。


 「どうだ……!」


 アタルは間合いを取り、荒い息を整えている。


 「グハ……。」


 敵は苦しそうにしている。ちょっとかわいそうだ。そして、その様子に怒りの炎に包まれているものが居る。


 「アタル……?」


 その様子に気付いたのは穂乃佳だった。


 「み、美菜ちゃん……?」


 美菜の目が明らかに怖い。その姿、灼熱の炎に包まれし漆黒の悪魔のようであった。悪魔の灼眼がアタルを睨みつける。


 「な、どどどどうしたの!?」


 アタルもビビってしまう程の威圧感。美菜様がこうなってしまって世界の終りぞ!!


 「え、あ、あんたなにしたのよ!?」「知らねぇよ!!」


 デゥエスでさえ怖気づいてしまっている。


 「み、美菜?」


 アタルが声を掛けると、美菜様は人差し指でアタルを示した。


 「あんた。自分が何したのか分かって無いの……!?」


 赤い炎が紅蓮に燃え上がり、凄まじい威圧感が周囲に広がっていく。


 「ひぇぇ……。」


 穂乃佳と時音が恐怖のあまり泣きべそをかき震えながら、抱き合っている。


 「ちょ、ちょっと落ち着き……、落ち着いたら……?」


 あのデゥエスでさえ無理やり笑顔を取り繕って美菜様のご機嫌取りに走った。だが、特に効果は無い。


 「お、落ち着こうよ、ね?」


 マモルがたじろいでいる。さっきまで龍人にあんなに強く出ていたのに、その面影すらない。


 「ひょえぇぇ……。」


 穂乃佳と時音が抱き合ってるところに、サキが飛んできた!


 「ガクガク!」「ブルブル!」「ドキドキ!」

 「その三人揃うとややこしいな……。」


 「美菜、一体どうしたの?」


 みのるが恐る恐る聞くが、美菜様はアタルを指差しこう言う。


 「アタルが分かるまで、この試合は中断よ……。」


 「ハ!? ソンナコト……。」


 「?」


 口ごたえしようとしたデオムを睨みつける美菜様。デオムは恐怖のあまり石になった。


 「ナンデモアリマセン。」


 「さぁ。答えよ。」


 美菜様の周りの空気が逆巻いていく。彼女の長い髪が蛇のように蠢き、その威圧感はさらに増していく。


 どなたか、美菜様をお止に……。


 「?」


 なんでもありません。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 こうして私は越えられない一線を引いた。


 ここは、美菜の威圧感が飛んでこない安全地帯。と始めから分かっていたわけではないが、龍人は先程のマモルとの一件で、みんなから離れたところにいた。


 この世界は思ったよりも広いみたいで。だいぶ遠くまで来てしまった。


 「確か君は。」


 「あ、あんたは。」


 龍人が出会ったのは、なんとファテゥだった。


 「こんな所で何をしている?」


 「あんたこそ。」


 むざむざ敵に内情を教えるはずも無かった。だが、ファテゥはその問いに答える。


 「どうもアヒルの側にいると落ち着かなくてね。」


 「アヒル?」


 「ああ、今戦っている奴だ。」


 「そうか。」


 龍人は立ち上がってその場から離れようとした。


 「まあ、待て。」


 不意にファテゥに呼び止められる。


 「なんだよ。」


 「ここであったのも何かの縁だろう。」


 何処かで良く聞く言い回し。龍人は好きではない。


 「腐れ縁だろ。」


 「ふ。人は良くそう言うな。実は君に一つ、聞いておきたいことがあってな。」


 「なんだ。」


 龍人は淡白に聞いた。どうせろくでもない事を聞いて来るのだろうと思って。


 「デゥエスは、上手くやっているか?」


 「は?」


 龍人は威圧を込めて聞き返した。


 「あいつはあんたらが用済みって言ったんだろうが!!」


 逆上して声を荒げる。そんな龍人に対して、ファテゥは眉一つ動かさずにこう言う。


 「質問に答えろ。デゥエスは君たちと上手くやってるのか?」


 龍人はこれ以上ないくらいに感情が高ぶっていたが、何とかそれを抑えつつ、言ってやった。


 「ああ上手くやってるよ!! あんたらと居た時よりもな!!」


 「そうか。」


 ファテゥは目を閉じ、静かになった。龍人はすぐにその場から動くつもりだったが、そんなファテゥの様子を見て思い直した。


 「あんた、もしかして。」


 龍人が聞こうとすると、ファテゥは鼻で笑った。


 「デゥエスは、我々と共に居るべきではないと思ってな。」


 「わざと、自分たちの組織から外したのか。」


 そう質問されると、ファテゥは背を向けた。


 「さあな。」


 そして彼は片手を軽く上げ、歩いて行く。去り際、龍人にこう言い残した。


 「お互い、いい試合にしよう。」


 と。


 龍人もその場を離れる。


 「俺と試合する事になるって分かってんのか。」


 彼はため息をつき、腕組みして仲間たちの元へ向かった。


 「なんか気が狂いそうだ。」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 「は、どういう状況!?」


 帰って来るや否や、美菜は悪魔のようになって、みんなは怯え切っていた。


 「どうなってんの!?」


 「あ、龍人!!」


 優燈がすぐに駆け寄って来て、状況を説明した。


 「成程な。いや、良く分からん!!」


 龍人は取り敢えず、美菜の元に行った。


 「おい美菜!!」


 美菜は龍人の呼びかけに答えず、黙ったままだった。


 「無視かよ! 耳遠くなったか!?」


 「私を怒らせたいの……?」


 美菜がゆっくり振り返って来る。それだけで気を抜けば吹き飛ばされそうな威圧感が龍人を襲う。


 「なんだよこの威圧感……!!」


 「カケル!!」


 美菜が叫んだ! それだけで暴風が吹き荒れる。


 「ひぃ!!」


 アタルは完全に怯えている。美菜はズカズカと舞台上に上がっていき、アタルの首根っこを掴んで怒鳴った。



     「中学生以下が突きを使ったらダメでしょ!!!」



 「でも剣道の試合じゃないし……。」


 アタルが言いかけると、美菜は睨みつけた。


 「私に口ごたえする気……?」


 「なんでもありません。」


 アタルは石になった。


 美菜は手に持つアタル石をひょいっと舞台上から投げた。


 「これ、割れたらヤバくね!?」「おおっと、あぶない!」


 それを龍人とマモルが同時に受け止めた。


 「あ、さっきは悪かったな。」「おお、気にしてないぞ。」


 少しぎこちないが、こちらは和解したようだ。


 「仲良し!!」 優燈が舞う。


 「ファイト!!」サキも舞う。


 「なんだよお前らちょっと落ち着け!!」


 龍人がその場を収束させようとするが、なかなかできない。主に優燈。


 その優燈がこんなことを言った。


 「なんかいやな予感がして、体動かしてないと落ち着かない!!」


 「嫌な予感……?」


 龍人が疑問に思った時だ。舞台上から物凄い殺気が溢れ出す。


 「今度は何だよ!?」 マモルが悲鳴を上げる。


 「ガクガク。」「ブルブル。」「土器土器!」

 「あんたたち、まだ怯えてたのね……。」


 「みんな! 舞台から離れるんだ!!」


 みのるが声を張り上げた。みんなはそれに従って舞台から離れる。舞台上には眩い紫閃光が覆いつくしていた。


 「なんだよこれ!!」「分かんない!!」


 龍人が声を上げる。優燈はこんな状況でも龍人にしがみついている。


 「てか離れろよ!!」「嫌だよ!!」


 舞台上の光がより一層輝きを増し、徐々に収束していく。


 「あ、あれは……?」


 みのるが気付く。舞台上にいるデオムから、紅の禍々しいオーラが漏れ出していたのだ。


 「まさか!?」


 龍人は思い出した。このサバイバルマッチのルール。


 『破滅』


 試合を邪魔した奴はぶっころ!!


 「ふざけんじゃねぇ!!」


 龍人は舞台上に駆け出した。このままでは美菜が!


 「龍人やめろ!!」


 みのるが叫んで龍人の後を追う。


 「二人とも!!」


 その後をみんなが追っていく。そして舞台脇に立った時、彼らは言葉を失った。



              チュドン!!



 美菜様が時空の歪みを纏ったデオムをぼこぼこにしていた。


 「え、強すぎるだろ!?」


 それも、美菜は素手で戦っていた。デオムは叩かれては襲い掛かり、弾かれては攻めかかりを繰り返していた。


 「死ネェ!!」


 「あんたがね。」


 突撃するデオムを美菜は片手で床にねじ伏せた。そして無慈悲にもデオムを蹴っ飛ばす。


 デオムはファテゥの見ている舞台端まで飛んで来た。


 「クソ!! ナンデダ!?」


 地団駄踏むデオムにファテゥは言い放った。


 「もう止めておけ、お前にあいつは倒せない。」


 「クゥ!!」


 「それに試合はもう方が付いている。あの乱入者の為に体力を減らすより、他の奴らを倒す方が良いだろう。」


 「ダガ、アイツヲタオサナイト、イヤ、マテヨ……。」


 その時、デオムは閃いた。


 デオムはゆっくりと龍人たちの方へ近づいていき、こう言い放った。


 「ミガワリヲダセ。サモナクバ、アノムスメト、サッキタタカッテイタヤツノイノチハナイゾ。」


 「わかった。ちょっと待ってろ。」


 龍人はうなずいて、デオムの案に賛成した。それには一理あったからだ。このまま美菜の力がずっと続くか分からない状態で『破滅』の執行者になったデオムと戦い続けるのは危険だった。その上、敗者がすでに決定しているという状況らしい(この辺りのさらに細かいルールはデゥエスでさえも想定外だった)ので、出来るだけ早く『身代わり』を決めなければアタルの命が危ない。


 「……この石化は治しにくいなぁ。」


 優燈はそう呟いた。


 「術者の人なら簡単に治せるかも。」


 それを聞いて龍人は、ひょいっと舞台上に上がって。美菜の肩を叩いた。


 「もう気が済んだろ? 早くここから降りようぜ。」


 「……。」


 美菜は黙ったまま龍人を睨みつけた。まるで龍人が全て悪いんだと言わんばかりの迫力がある鋭い目で。しかし、龍人がそれくらいでひるむはずも無く、彼は美菜に向かって笑いかけた。


 「いつまで拗ねてんだよ! ほら、行くぞ。」


 「……。」


 美菜の表情は仮面を被っているように変わらなかったが、彼女はゆっくりと歩みを進め、舞台上を後にした。


 舞台を降りる頃には美菜の全身を覆っていた灼熱の炎も消え去り、ようやく元の美菜に戻ったと思われた。穂乃佳たちは心配して美菜の方へ駆け寄った。


 「美菜ちゃん大丈夫!?」


 穂乃佳が心配そうに美菜の顔を覗き込む。美菜は心ここに在らずといった感じでどこか遠くを見つめていた。穂乃佳と時音が全身全霊で彼女の目前で手を振ったことで、やっと気付いた様子だった。


 彼女は小さな声で呟く。


 「私、今まで、何を……。」


 「美菜ちゃん!?」


 彼女は疑問の最後までを言えずに、崩れ落ちた。穂乃佳と時音が何とか彼女を受け止めた。


 「おい大丈夫か!?」


 みんなが心配して美菜の元に駆け寄って来た。美菜はどうやら気絶しているようだった。優燈が思いついた。


 「きっと疲れちゃったんだねー! サキちゃんおどろ~!」


 「はーいぃ!」


 サキと優燈は癒しの舞を舞った!

 みんなのHPが500回復した!! みんなの疲れが癒された!!

 それでも美菜は目を覚まさなかった。ただ、穏やかに眠っていた。穂乃佳は膝枕をして、美菜の髪をなでていた。


 「後は、そっとしておいてあげよう……。」


 「そうだな……。」


 みんなはうなずいて、穂乃佳に賛成した。


 「ちょっと……。忘れてますよ……!!」


 「あ。」


 「おれだよ! みんなの英雄アタルだよ!」


 いたいぞアタル。


 「「ミガワリ」ハヨ!!」


 敵にこう言われる始末である。


 「フフフ、聞いて驚くなよ!!」


 いいからはよ。


 「頼んだぜ、穂乃佳!!」


 「あ、私だったっけ? じゃあ、美菜ちゃんのことよろしくねー。」


 のほほんとしている穂乃佳。だんだんこういうことに慣れてきたらしい。穂乃佳の後に美菜に膝枕することになったのは時音だった。


 「気を付けなよ、あいつ女だからって容赦しないからね。」


 穂乃佳が竹刀を左手に持ち舞台に上がろうとした時にデゥエスが忠告した。穂乃佳はうなずいた。笑った。


 「心配ご無用。私これでも、精神力なら自信あるからー!」


 「まぁ、無理はすんなよ。」


 龍人が穂乃佳に声を掛けた。穂乃佳はしっかりうなずいて、舞台へと上がった。


 「美菜ちゃんの仇、取らせてもらうから。覚悟しなさい。」


 「ヘ、ザコガ、エラソウニ!!」


 両者が構える。こうして第三回戦が幕を上げた。

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