午後9時直前 せのじゅん
メンバーはグラウンドに出て、出撃の準備をする。
チャイムが鳴るのを前に、敵軍の侵攻も一時的に収まったようだ。部長たちが集結し、彼らにエールを送っていた。
「ここの守りは任せて、私たちも余裕があったら助けに行くわ!!」
正苗が龍人たちに力強く言った。龍人はうなずいて、
「よろしく頼む。」
と返した。
「頑張ってね!!」「頼んだぞー!!」「帰ってきたらジュースでもおごってやるからな!!」
こうして彼らは多くの人の期待を背に、決戦の地へと足を運んだのである。
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そして、ここはワープホール前。彼らは横一列に並んでいたが……。
「えっと、背の順に並ぼうか。」「え、まじかよ!」
みのるの提案にカケルが反論した。
「そんなことなら俺は降りるぜ。背の順なんてごめんだからな。」
「そっかぁ! カケルって身長低いもんねー!」
穂乃佳が思いついた、世紀の大発見だ! みたいに言った。
「は、ちげぇよ! 俺は常に一歩先前を行っときたいのさ!」
と、言い訳す「言い訳じゃねぇよ!」
「じゃあ、男女別にすれば?」
美菜がボソッと言った
「あ? いいぜ、やってやろうじゃねぇか!!」
カケルはやけくそになってその挑戦を受けてたった!
みのるが先頭になった!!
「君たち、ちょっといいか?」
普段のみのると違い、暗黒の仮面を被っているようだった。
「このままでは、一番の頭脳が一番始めに消えてなくなることになるぞ……!」
「こえぇよ!!」
アタルが叫んだ。というか、背の順にすると、みのるの次にアタル。その次にカケルだった。そして龍人が来て、一番高いのはマモルだった。
「てか、おれ、カケルより低かったのかよ!!」
アタルが嘆き、カケルが笑った。
「ははは!! ざまぁみやがれ!!」
「あ。」
この時、デゥエスは気付いたのだった。
「カケル。背伸びを止めなさい。」「は!? 何言ってんだよ……!」
カケルはしらを切るが、デゥエスは近づいていき……。
「ほら早く止めなさい!!」「ちょ、おま、待てって!!」
デゥエスがカケルの肩を鷲掴みにして、思いっきり力を込める。カケルは必死に抵抗したが……。
ズボン!!
なんと、カケルの体がすっぽりと穴に入ってしまったのだ!!
「ちょ! 何やってんだよ!!」
「天罰です。」
頭だけ飛び出ているカケルに何とも冷たいサキ。
「ちょ、空久保さんまで何を……。」
「みのる君をバカにした罪は重いですよ? ねぇ、時音さん?」
「コク!!」
時音は激しく同意した。この二人にまで敵に回されるとは。
「ちょっと反省しとけ!」
龍人までもが、敵にまわる。
「え、みんなさすがにひどくない?」「お前が埋めたんだろうが!!」
「とりあえず、掘り出そう。これでも貴重なおとりだからね。」「おとりにされんなら掘り出されたくねぇ!!」
「そうだな。勿体ないから掘り出すか!」「勿体ないって完全に物扱いじゃねぇか!!」
「しかたないなー。」
こうしてみんなでカケルを掘り返す事になった。まさにその時だった。
「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」
「ん!!」




