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学校を守り隊!! でぃふぇんす おぶ すくーる   作者: 時 とこね
別二章 七日目の鐘
16/42

午前11時 ねむー。

 「……。あれ、ここは、保健室?」


 目が覚めると、龍人は保健室に運ばれていた。


 「あれ、優燈!?」


 隣のベッドに優燈が眠っていることに気付き、龍人は跳ね起きて駆け寄った。


 「大丈夫か?」


 彼女は静かに眠っていた。龍人もほっとして笑みを零す。


 「ニヤニヤ」

 「ニヤニヤ」

 「ニヤニヤ」


 その様子をニヤツキながら見ていたのは、美菜と穂乃佳と時音だった。龍人は急いで優燈から距離を取った。


 「あれれー? 離れちゃうのー?」


 「いいだろ別に!」


 穂乃佳がからかうように言ったのを、龍人は焦って返した。


 「まぁ、いいけどさー。」


 「お前までなんだよ!」


 美菜がからかうように言ったのを、龍人はイラついて返した。


 「クスクス」


 「笑うなよ!」


 時音が嬉しそうに笑っているのを、龍人はむかついて返した。突然の大声に時音はびっくりして、べそをかく。


 「グズグズ……」


 穂乃佳と美菜は


 「ひどーい!」

 「さいてー!」


 と龍人に向かって罵声を浴びせた。


 「こんな奴に優燈ちゃんは任せられないよねー?」

 「そうだよねー?」

 「コクコク」


 三人の攻撃に龍人も呆れた。


 「結局そこに持っていくのかよ。」


 龍人はため息をついて、首を傾げた。


 「それよりさ、俺なんで保健室にいるんだ?」


 穂乃佳が答える。


 「優燈ちゃんが倒れたから見に行くって言ったの龍人くんだよー。」


 龍人は思い出す。


 「あ、そうか! んで、眠くなったから寝てたのか。」


 さらに思い出す。


 「さっきまでずっと戦ってた気がするんだが。」


 龍人が頭を掻くと、三人はお互いの顔を見合わせた。龍人はその様子を見て何があったのか訊いた。


 「あのね、私たちも、よく分かってないんだけど……。なんて言えばいいのかな? その、光が降って来たって言うか……。光に包まれたというか……。」


 「分からないな。」


 龍人も頭を抱えた。そんなこと、あるはずがないと考えていた。


 「それが、その、光が消えたら、敵が全部いなくなってて。それで、グラウンドに戻ってきたら優燈ちゃんが倒れてて、みんなが保健室に運んで行ってたの。龍人君も、覚えてるでしょ?」


 美菜に言われて確かに思い出した。がむしゃらに戦っていたら、何時の間にか敵が消えていた。そこからは記憶が曖昧で、保健室に行って、優燈を心配していて、疲れていたので寝てしまった。そして今。


 他の味方は全員無事だったらしい。何が起こったのかは誰にも分からなかった。


 みのるとサキと三銃士たちは、屋上で投球マシーンの点検をしていた。龍人は話を聞くために屋上に行く。




人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人 人




 屋上では、投球マシーンの点検が終わって団らんしていた。


 龍人はみのるに話しかけた。あの時何があったのか。みのるは答えた。


 「僕にも良く分からない。あの時、光に包まれて、そのあと物凄い風が吹いたんだ。テントが全部飛んでいって、投球マシーンも結構なダメージを受けた。けど、敵は全て消え、傷ついた味方は全員元気になったんだ。」


 「そうか。お前にも分からなかったのか。」


 残念がる龍人だったが、みのるには考えていたことがあった。


 「多分だけど、あの光と優燈には、なにかしらの関係があるんじゃないかな。みんな元気になったのに、優燈だけが倒れて、ずっと眠っているから。」


 「そうだな。あいつが目を覚ましたら、訊いてみるか。」


 龍人はみのるにお礼を言ってから保健室に戻った。




「龍人、もしかしたら優燈はもう、戻ってこれないかもしれない。」



 みのるはそう頭の中で呟いた。

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