朝8時 敵は見えてるんだけど、来ない。暇。
第一波が来るまでかなりの時間があった。
とりあえず暇つぶしをしていた。
「オセロでもするか。」
優燈と龍人はオセロをしていた。
「あ、いいなー。」
「コク。」
穂乃佳と時音はその様子を見ていた。
「将棋でもするー?」
穂乃佳は将棋盤と将棋の駒を持ってきた。
「ほへ?」
時音は首を傾げた。彼女は将棋のやり方が分からない。
「あ、時音分かんないのかー。ルール。」
穂乃佳が訊くと、時音はうなずいた。
「じゃあ、教えてあげるよ。」
「はっ!」
そこにはみのるの姿があった。時音は頬を赤らめて、顔を隠すように下を向いた。
「あ、ありがと。」
時音は小さな声でそう言った。
「いいなー。」「青春だなー。」「甘酸っぱいなー。」
「俺らは一度もモテないのになー。」「そうだよなー。」
「大丈夫だ。俺らもいつの日か……。」
「あんな子と……。」「あんな事を……。」
「ぴょー!」
そして、みのるは時音に将棋を教えていった。すると穂乃佳がボロボロに負けるようになっていた。
「わー、勝てないよー。」
一方オセロは、優燈が全部真っ黒にして勝っていた。
「す、スゴ!!」
全員が驚いた、だが、龍人は冷静にツッコんだ。
「負けた後にひっくり返すなよ。」
ちゅどーん!!
空を横切って突然、何かが落ちてきた!
何が落ちてきたのか分からないが、龍人たちは急いで外に飛び出した!!
「な、なんだあれ!?」
グラウンドから見えたのは、遥か彼方に浮かぶ戦艦。それが爆炎を上げて落ちていく姿。
「あ、あんなのがこっちに来てたのか!?」
全員が動揺を隠せない。
カキンっ!!
静けさ、混沌を掻き消すように、一本の快音が鳴り響く。金属バットが、ボールを見事に弾くあの音。
その後、ボールが放物線を描いて、さらにもう一機の戦艦にぶつかった。戦艦が炎に包まれて、轟沈する。野球ボール一球で落ちる戦艦ってどんなんだよ、と思いつつ、彼らは屋上を見上げた。そこにいたのは
「みんな、油断したらダメだよ!!」
「美菜!!」「美菜ちゃん!!」「美菜さまー!!」
みんな、美菜が来たことに歓喜した。美菜がバットを振りかざす。
「学校の裏側からも、時々敵が来てるの! それは私たちに任せて! みんなは、今目の前にいる敵を倒して!!」
「おー!!」
グラウンドの味方は元気よく声を上げた。
そして振り返った。
敵が確かに近づいて来ていた。
「よし、お前ら行くぞっ!!」
龍人の号令と共に、全員が走り始めた。みのるたちは屋上に向かった。
ようやく第一波との戦いが始まる!!




