一日目 ふもうなあらそい
一日目
聖火を助けるために戦艦に向かうことになった夜月たちとリュウ。龍人は四人を見送り、学校を敵の侵攻から守る事を決意する。ただ、一人では無理だと考え、クラスに戻ってみんなに相談してみることにした。
龍人は教卓の前に立って、演説を始めた。
「おーし、みんな聞いてくれ。」
「は?」
だれも龍人の話を聞こうとしない。龍人は腹が煮えくり返ったが、ここはこらえた。
「今日の昼間、変な奴らが運動場にきてただろ?」
「え、なになに!?」
全員が突然興味を持ったようで、龍人に注目の目が向けられた。龍人はかまわず続ける。
「奴らはこれからもこちらを攻撃してくるんだ、だから。」
「だから?」
クラスから声がそれぞれ上がった。龍人は惜しまず言い放った。
「俺たちでこの学校を、守ろう!」
しばらくの沈黙ののち、クラスでは元の会話が始まっていた。
かくかくしかじかで、学校を守ることになった一組メンバー。
しかし、全体的にやる気が無い。
「だって、なんかだるいし。」
「忙しいし。」
「眠いし。」
「せっかく学校が早く終わるのに……。」
「なんでこんなことしなくちゃ……。」
そこに、走って来た先生の声が響く
「皆さん! 落ち着いて聞いてください!! きょきょきょ、今日の授業はこれでおしまいです!! 急いdえ、家にかええって!!!」
「先生が落ち着けよ!」
o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o
チャイムが鳴った。
教室からわらわらと帰宅者が現れる。
結局その場に残ったのは、龍人とその幼馴染の優燈の二人。龍人はため息をついた。
「結局こうなるのかよ。あいつらってホントに……?」
「ダメだよ。」
愚痴を言う龍人の口元に誰かの人差し指がのばされた。
「って、お前!」
龍人が焦って突き放す。それは優燈の指だった。優燈はこんなところがあってめんどくさいなぁと思う龍人であった。
「でも、ちょっとうれしかったでしょー?」
「いや、そんなに……。」
「帰ろっと。」
「あ、まあ、その、ちょっとは、ね!」
優燈は手に持った荷物を降ろして、怪しげな笑顔で振り向いた。
「ほらー。素直になんないとダメだよー。」
「素直もなんも、ほとんど脅迫だろ。」
ボソッと龍人が言う。それが聞こえたかどうかは分からない。ただ、優燈が沈黙していた。
「……。」
あっ、と龍人はまた余計な事を言ったと思った。謝ろうとして視線を変えた時に気が付いた。
「あの……お取込み中……かな……?」
二人の視線の先には、同じクラスメイトのひ弱そうな男子がいたのだった。龍人は顔から火が出そうになりながら必死で言い訳した。
そのかいあって誤解は解けた。ついでに彼の名前は、 青山 実で、この作戦に協力してくれることになった。
「そんなわけで、よろしくな、実!」
「よろしくねー、みのるん!」
「みのるん、ってなんだよ!」
「えー、だってそのほうがかわいいじゃん。ねぇ、みのるん!」
「いや、まあ、その……。」
龍人と優燈の間に圧倒される実。結局この後の議論で、二人の主張の間とって「みのる」と呼ばれることになった。名前か変わってないね。
みのるは将棋部で、それなりに強いらしい。性格は大人し目で、人に物を強く言えなかったりする。それは、龍人と優燈の二人に圧倒されてもおかしくない。
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この日の成果
仲間が増えた!
作戦が始まった!