小話2 木食系奴隷
小話2/5
フクロウ視点
戦争奴隷の食糧事情
ネタです短いです(´ー`)
ハッターは狂ってる。
J-番の奴隷の間では当たり前に言われる言葉を思い出したのは、ふと傍らの枝に手を伸ばしたaが、折り取った枝をかじり出したときだった。
「え、a、何やって…」
「ん?食事?」
がじがじと枝を噛みながら、aは首を傾げた。
細く白い喉が動いて、本当に木の枝を食べていることがわかる。
「食事って、木だろ、それ」
「フクロウは木を食べれないのか?」
「人間は普通木を食わないと思うけど?」
消化出来ないんだから、食べても意味はない。下手すりゃ腹を壊すし。
「この枝美味しいのに」
「…美味いから食ってたの?」
俺には美味そうには見えないけど。
aは枝から口を離し、少しかじり取られた枝を見下ろした。
「藁よりは美味しい」
「比較対照、藁か」
「あと、藁よりは糖類が豊富、かな」
「糖類?木なんか食べたって、大した栄養はなくないか?」
お互いに“?”と言う顔で見つめ合ったあとで、aが得心が言ったとでも言いたげに頷いた。
「あの糞狂人…」
ついでのようにこぼされた悪態に、俺もなんとなく理由がわかった。
自棄気味に枝をかじるaを見下ろして、問い掛ける。
「枝、つーか、木か?消化出来るようにされてんのか」
「木って言うか、リグニンな。てっきり全員出来るもんだと…」
「出来ねーよ」
相変わらず所々ぼけたaの言動に、思わず突っ込みを入れてから思い出して首を振る。
「あーいや、草は食えるようにするとか、言われたな、この前」
俺を機械化したヤコブ博士の助手に言われたことを思い出す。
突然何かと思ったら、相変わらず一方的にライバル視してんのか。
まあ、確かに藁が食えるようになりゃ、食費は減るんだろうけど、
「藁、不味いよな?」
「慣れれば食べられないほどじゃないさ」
肩をすくめて枝をかじるa。
…いやお前、少しでも藁を食わなくて良いように枝かじってんだろ絶対。
げんなりした顔をした俺の肩を、aが叩いて苦笑した。
「消化器官を弄られると大量に草食べなきゃなんなくなるからな。あとで、藁よりは美味しい雑草を教えてやるよ。毒草とかも、知っときゃ役に立つだろ」
「ありがと…」
あの研究狂いに付き合えるだけあって、aはたくましい。
しみじみと、そう思った。
拙いお話をお読み頂きありがとうございます
一時間後にマーティ視点の小話を投下予定です




