表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/76

第二十二話 いのちの代償 1 (a視点/三人称視点)

途中でaから初登場キャラの三人称への視点切り替えがあります


戦闘描写です

苦手な方はご注意下さい


途中で話が切れています

切りよく読みたい方は

「いのちの代償1~3」まで更新されてから読むことをお勧めします

 

 

 

 わたしたちは、ミミズクの警告を無駄にした。そう言う、ことなんだと、思う。


 視界が揺らぐほどの熱気。あちこちで響く爆音。うずくまり、動く様子のない仲間たち。

 目の前に倒れるのは、身体の背中側半分が消滅したφ(ファイ)

 対するわたしには、一切の怪我がない。


 呆けて膝を突いたまま、茫然とφを見つめる。


 「ふぁ…い…?」

 「ァト…」


 機械の目が、わたしを捉える。

 壊れかけた身体でぎこちなく、笑みを浮かべた。


 唇から漏れた声は、ノイズで酷く掠れていた。


 「ッナタガ…ブジデ…ヨカ…タ」

 「ふぁい…、なんで…」

 「…a、アイ、シテ…イマス…」


 崩壊しかけた身体で這い進み、ぼろぼろの腕で、わたしの頬を撫でた。

 まるで、いつかの、フクロウみたいな…。


 ずり落ちる手を掴んで握る。機械は、握られた手を見て笑みを深めた。

 雑音だらけの聞き取りにくい声が、ひび割れた言葉を紡ぐ。


 「ホン…ト、ハ…アナタト…モット…ズット…イッ、ショ…ニ…」


 生キタカッタ。


 最後の一言が耳に入らぬまま、わたしの意識はそこで途切れた。

 φが最後まで言い切れたのか、その前に活動停止したのか、それすら、わからない。




 作戦失敗、エルゲブルグ壊滅、兵・住人ともに生存者なし。敵兵は過半数が生存、すでに露営地の設営を開始している。

 その知らせに参謀補佐のエームは視界が真っ白に染まったような気分を覚えた。


 エームの上司である参謀のガイスラーが多くの反対を押し切って強行した、街ひとつを囮にした作戦。肉を切らせて骨を断つはずだった作戦が、全く意味を為さなかった?そんな、馬鹿な。


 「…詳細は。衛星映像があるはずだろう。持って来い」


 報告に来た部下に命じて、頭を抱える。

 失敗してはいけない作戦だった。何かひとつでも功績を示せなければ、ガイスラーの首が飛び、ガイスラー派に分けられるエームの出世の道も閉ざされるだろう。


 見せられた映像に、ほぞを噛む。

 半ばまで敵は策にはまっていた。だと言うのに、突然立て直して街から離脱。あまつ、念のためと潜ませておいた飛行兵対策の伏兵を、狙って殲滅したのだ。


 「…頭の切れる指揮官がいた、と言うことか?」


 指示を出しているのは誰かと再度映像を見直すが、どうやら数十名の兵が同時に命令を出しており、指揮官が特定出来ない。


 「っち、何か他に…」


 目を皿にして映像を眺める。

 ふと、何かが引っ掛かって目を留める。


 「…なんだ?」


 気になった箇所を再度よく見直すが、負傷でもしたか動けなくなった兵が爆風を防御するだけだ。


 「クソヤロウ。機械人形だか機械化兵だか知らねぇが、バケモンどもが…」


 悪態を吐いて映像を進めようとして、はっと気付く。


 「待てよ?爆風を防御出来るなら、なんでコイツは動けなくなっているんだ?」


 目を凝らしても兵に負傷は見られない。映像を戻しても、この兵の負傷は確認出来なかった。何か攻撃を受けたわけでもなく、突然動けなくなっているのだ。しかも、


 「復活、した…?」


 赤毛の長髪が近付いて何か渡したあと、暫くすると動けなかったはずの兵が起き上がり、危なげなく飛行して離脱したのだ。


 「なぜだ?一体、何が…」


 他の兵も同じような奴が居ないかと着目して映像を見直せば、他にも理由が見当たらないまま動けなくなった兵がおり、更にその殆どが赤毛の手で何かを渡されて復活していた。

 もしやと思って赤毛の行動を追えば、率先して命令を出しながら動けなくなった兵を助けていた。


 「こいつが指揮官か?だが、兵はなぜ…。おい、この兵が何を命令してるかすぐに解析しろ」


 解析結果を手にしたエームは思わず笑んでいた。

 これは、確実に、功績として認められる。


 「冷却液、ね。奴らの弱点は、オーバーヒートか」


 恐らく奴らの防御装置は、弾丸や爆風は防げても熱は遮断できないのだ。だから熱風にやられてオーバーヒートを起こし、動けなくなった。


 こんな弱点を、利用しない手はない。


 エームは立ち上がり、新たな作戦を提案すべく親愛なる参謀の元へ歩みを進めた。






拙いお話をお読み頂きありがとうございます


明日、引き続きエーム視点の「いのちの代償 2」を

明後日、a視点に戻った「いのちの代償 3」を更新予定で

「いのちの代償」は三話で完結の予定です


続きも読んで頂けると嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ