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片岡理緒、おっさんやってます

「おっさん系女子と呼ばれる人種を知っているだろうか。

性格、行動、仕草、その他諸々がおっさん臭いことからそう呼ばれるようになった。

この物語はそんな女子校生に視点を当てた話なのである!」




「勝手なナレーション入れてんじゃねぇよ!?」

私は変なことを言う友人にツッコミを入れてしまった。

「だって合ってるじゃ~ん」

この娘は幼なじみの菅原明里。

幼稚園に入る前に公園で出会ってから高校まで一緒という腐れ縁というレベルを超えている。

そして、私の名前は片岡理緒。

いわゆるおっさん系女子と呼ばれるモノに分類される人種だ。

「ウチだって今年こそ彼氏作るんだよ!」

「いやいや、その性格に惚れる奴なんていないでしょ」

小馬鹿にしきった笑いを浮かべた明里にキレそうになる。

「お、お前だっていないだろ~」

しかし明里は私の予想を裏切る反応をした。

「ふっふっふ~。実は昨日告白されてね~。付き合うことになったんだぁ」

う、うそだろ…!?コイツに限ってそんなことは……!?いや、しかし、可愛いことは可愛いからありえるのか…?

「ま、マジで?」

「大真面目♪」

このVサインを作ってる指へし折りてぇ…!

「アンタもさ、そろそろ恋しなよ?そんなんだと社畜になって一生後悔しそうだし」

「う、うるせぇ!つーか、好きな奴くらいいるよ!」

はっ!しまった!

しかし、時すでに遅し。

明里は目を輝かせて聞いてくる。

「誰!?誰なの!?初耳なんだけど!!」

こうなってしまった明里を止める術はないことは十二分にわかっている。

だから私は戦う前に降参し言う。

「じ、実はね━━」




教室に入り席に着くと数人の男子が寄ってきた。

「なぁなぁコレヤバくね?」

そう言って見せてきたのは━━エロ画像である。

「うぉ、コレはエロいな…」

そう言いながら私の顔が緩んでいくのがわかる。

あ、やべ。にやける。

「お前ならわかってくれると思ってたぜ~」

「つくづくお前を女子とは思えなくなってくよw」

「あ゛?俺だってちゃんとした女子だっつーの」

「はいはい、そうでしたね~ww」

そう言って笑う私たち。

この扱いを一年も受ければ慣れてしまうものだ。

このキャラのおかげで男子からの受けが割と良く、女子からも妬まれることなく過ごせる。

それはいいんだけど、大切なモノを捨ててる気がするんだよなぁ…。


「相変わらずだな~」

「!?」


その声の主こそ私の好きな相手。

「…久保。どうしたの?」

「今日は部活あるってさ」

「りょーかい」

「そんじゃな」

「うん」


久保侑斗、それが彼の名前。

クラスメイトで同じ部活の仲間。

そんな彼のことが好きだ。

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