エピソード9 森の異変 Ⅰ
大陸歴1650年 冬 交易都市ロウワン
雪が降り続けていた。
壁も屋根もまともに残っていない小屋のなか
それでも風は、なぜか中で音を立てていた。
ひゅう、と細く唸るような音が。
その中でカチンとシリンダーを閉じ弾を装填する金属の冷たい音だけが短く響く。構えは迷いなく呼吸も変わらない。
乾いた音が一つ、降る雪の中に沈んでいった。
彼はその場にとどまり、肩に雪を積もらせながら、ただ静かに時間を過ごす。
そしてようやく誰にともなく呟いた。
「くそったれな冬だな……ちくしょう」
風の音だけがそれに答えた。
ーー二日前
「ネルからの魔薬に関する情報提供を得た。魔薬にはこの森で狩った魔獣の魔晶片が混ぜられ効力が上がっているそうだ」
私兵詰所でエイデンが朝方、ネルからの会話で得た情報を開示する。
「にわかに信じられませんが、それが事実なら森の異変をどうにかすれば魔薬製造そのものを潰せるかもしれませんね」
「おぉ!流石はネルだな。白衣を着てるだけのことはある」
「でも、森と言っても結構な規模っすよ?俺らだけであの広大な範囲どうすれば?」
カイルの最もな疑問にエイデン以外の二名も「確かに」と頷く。
エイデンは懐からペンを取り出すと机上の地図にポイントを書き出した。
「最初の異変は秋の頭にあったハウルウルフの荷馬車襲撃、このとき獣避けは機能せずに猛獣どもも既に怪我をしていた。そしてここ二ヶ月で街道の魔獣出没が増加、しかもどんどん街に近付いてきてる」
「てことは…」
「この街の周辺数キロ圏内に異変の原因は存在すると踏んでいいと見てる」
地図に指を滑らせたエイデンの声は低く静かだった。
その言葉の裏に、三人の私兵は息をのむ。
オーエンが口笛を吹きかけたが、喉の奥でやめた。
ハリスは筆記を止め、カイルは無言で焚き火の薪を押し込む。
「分析するには十分な材料ですね。しかし、数キロ圏内、我々だけで可能でしょうか」
ハリスが冷静に答える。
「俺たちだけでやる。これ以上は何人たりとも干渉は許さない。この顛末は俺たちで始末を付ける」
その言葉で場の空気が締まった。そうして準備に取り掛かろうとした時にふとカイルが口を開いた。
「というか魔薬のなかに魔晶片が入ってるなんてよく気付くっすよね。何者すかあの人」
「さぁなそこらへんはオーエンやハリスの方が俺たちより長いから詳しいだろ」
エイデンが視線を二人に投げるがどちらも眉間に皺を寄せるだけだった。
「さぁな俺たちもここの私兵になったのは三年前で奴はその半年後にやって来たが、あんま一緒に仕事することがなかったからな」
「自分のことは何も話さないですしね彼女は。時折、魔導具のテストに付き合わされたりしましたけど。大方どこからの研究室とかにいたのではないですかね」
「まぁ何でもいいさ、こうやって欲しい情報は渡してくれるんだ。ありがたく活用しようぜ」
「それもそうっすね」
その後はそれぞれ装備を整え、武器を点検する。金属が鳴る音が重なり合い、詰所に一瞬の生命感が戻る。
「街道北西を馬で経由して森に入る。休憩をはさみながら往復で半日。目的は異常の確認とその処理だ」
オーエンの声は硬く響く。決意の表れか緊張から来るものかは定かではないが、私兵全員が更に身を引き締めた。
やがて準備が整い、四人は詰所を出た。
外に出ると雪が燦々と降り、街の喧噪をすっかり包み込んでいた。
白い息を吐きながら、彼らは街門を抜け、北西の街道へと歩き出す。
オーエンが荷を背負い、先頭を行く。
次いでエイデン、後方にカイルとハリス。
馬の蹄が雪を踏みしめるたび、ぎゅう、と音が鳴る。
それが唯一の会話のように続いた。
森は、死んだように静かだった。空気の密度が違う。
外の世界と隔絶されたように、すべての音が遠のく。鳥-の声も、枝のきしみも、風のうなりもない。
あるのは雪の重みと、己の息だけ。
息を吸えば鼻腔の奥が痛むほど冷たい。
「しっかし、静かっすね」
「あぁ嫌な静けさだ」
短く言って、エイデンは視線を森の方へ向けた。雪煙の向こうに、黒々とした木々の影が続く。
「獣の巣跡もないし、足跡もねえ。森の中が、まるで空っぽだ」
「寒波のせいだけじゃないっすよね?」
ハリスが手帳を開き、数値を記す。
「気温は標準。雪も軽い。だが、生命反応がない」
「気配が死んでるってやつか」
オーエンの声にはかすかな緊張が混じっていた。
エイデンは黙ったまま周囲を見渡す。
風の流れが一定ではない。まるで森そのものが生き物のように呼吸している。右から吹いた風が、数歩進むと逆の方向から返ってくる。それは森の中心に向かって、すべての空気が吸い込まれているようだった。
雪はなおも降り続く。それはまるで灰のように、静かで、冷たく、しずかに降り積もる。
時折、枝に積もった雪の塊が崩れ落ち、背に冷たさが走る。
誰も声を発さない。雪の世界の中、息づかいだけが時間を刻んでいた。
しばらく進むうちに、森の奥で何かが光った。
わずかに、青白い閃き。
それを見てオーエンは手を上げて仲間を制し、ゆっくりと近づく。
雪の下に、黒い毛並みがのぞいていた。
近づいて掘り出すと、それは狼――ハウルウルフの死骸だった。
「魔晶化してる」
ハリスが息を呑みながら言った。
ただし、その体は常軌を逸していた。
全身が魔晶化していた。まるで生きたままそうなったかのように傷一つなくそれはそこに鎮座していた。
通常ありえない現象だ。
そもそも魔晶片は魔獣の体内で蓄積された魔素が結晶化してできたものだ。
しかもその採取率は大きくても拳一つ分の大きさにしかならない。
それが全身、毛先一本余さず魔晶化しているなんて聞いたこともない。
明らかな異常にその場の全員が固唾を呑んだ。
エイデンは片膝をつき、手袋越しに結晶をなぞった。
冷たい――しかし、かすかに脈動している。生きているような冷たさだった。
「ネルの言っていたことは、事実かもしれないな。この先に何かある」
呟きが白く消えていく。
魔晶化したハウルウルスのサンプルだけを回収し先に進んだが雪はさらに深く積もっていた。これ以上の馬での移動は困難と見て下馬し徒歩での移動を再開した。
膝のあたりまで沈むその感触が、体温を容赦なく奪っていく。
風は森の奥へ流れ込み、枝葉の間を抜けるたびに白い粉雪がふわりと舞った。
エイデンたちは慎重に足を進める。
踏み出すたびに、雪がきゅっ、きゅっと軋む。
その小さな音が、やけに大きく響いて聞こえるほどに、森は静まり返っていた。
「……気をつけろ」
エイデンの声は囁きに近い。
彼は手を上げ、減速の合図を送った。
その瞬間、空気が変わった。
森の温度が、急に下がったような感覚。
肌の表面がざわりと粟立つ。
鼻腔をくすぐるのは、鉄のような匂い。
それは血の匂いに似ていた。
カイルが顔をしかめる。
「なんだ、この臭い」
ハリスが周囲を見回す。雪が風に舞うたび、視界が白く塗り潰されては消える。
エイデンは手をかざし、全員に停止の合図を送った。
その瞬間――音が、した。
“ざり”
右前方。木々の奥。
何かが雪をかき分ける、重い足音。
皆が一斉に身を低くした。
木の根の陰に身を潜め、白い息を止める。
雪の帳の向こうに、黒い影があった。
最初、それが獣だとは思わなかった。
立っていたからだ。
人よりわずかに大きい。全身は漆黒の外殻に覆われ、表面は滑らかに光を反射していた。頭部は異様な形状で、なめらかに後方へ伸びた流線。顔というものはなく、そこに感情の欠片もなかった。
「……なんだ、ありゃ」
オーエンが小さく声を漏らす。
「魔獣……? 違う、あれは……」
ハリスも言葉を失った。
それは森の中央を歩いていた。
体の周囲に、うっすらと黒い霧のようなものが漂っている。
霧は風とは逆方向へ流れ、地面に触れると、そこから小動物の死骸が転がり出る。
硬直し、干からびたように縮んだ鼠や鳥たち。
魔晶化していた。
「魔素……」
エイデンの呟きが雪に吸い込まれた。
「魔素が……漏れてやがる……なんだあれは」
魔獣ですら、ここまで露骨に魔素を放つことはない。
それはまるで、存在そのものが「魔力の炉」であるかのようだった。
オーエンがそっと銃を構える。
「撃つか……?」
エイデンは首を振る。
「まだだ。……観察を続ける」
その黒い存在は、ゆっくりと森の奥へ進んでいった。
雪を踏むたび、足元から黒い靄が広がり、木々の根を焦がしていく。
それが通った後、枝葉は凍りついたように白く変色し、まるで命を吸い取られたように崩れ落ちた。
「……やっぱりおかしい。自然の魔獣じゃない」
ハリスが低く言う。
「魔晶片の異常と関係しているとしたら、あれが――」
「異変の根だろうな」
エイデンが言葉を継ぐ。
「異変の原因はあいつだ」
彼の目は冷たく、しかしどこかで震えていた。
あの“何か”をただの魔獣として見るには、あまりにも人の形をしていた。
「新種の魔獣……」
誰かが呟いた。その言葉に、誰も反論しなかった。
黒い存在はやがて木々の奥に姿を消した。
四人はしばらく言葉を失っていた。
森の奥から、まだ“何か”の息づかいが聞こえる気がして、誰もその場から動けなかった。
エイデンはやがて銃を下ろし、静かに言った。
「あれを排除する。異論がある者は?」
「先にセザンヌ様に報告した方がいいんじゃないっすか」
カイルの進言にエイデンは首を横に振る。
「あれが異変の原因で魔薬の元ならすぐに排除した方がいい。それにまた俺たちの前に運良く姿を現すとは限らない。今ならまだ追跡できる」
「それもそうだな俺たちだけあれを排除しようぜ」
「異論はありません」
「じゃあ、決まりだ。仕掛けるのは夜。あいつに目があるように見えなかった。しかも今日は満月だ俺たちに部がある」
吹雪がひときわ強くなり、白の世界がすべてを覆い尽くした。
雪の中に立つ彼らの影も、やがて銀世界へと消えた。
夜になって雪は止んだ
空には雲の陰りはあるが、月も星も沈んでいなかった。
エイデンたちは呼吸すら慎重に、音を立てぬように雪を踏む。耳に届くのは、凍てついた木々が軋む乾いた音だけだった。
「……ここで合ってるのか?」
オーエンが低く問う。その声にエイデンは短く頷いた。
「昼間、あいつが通った跡だ。魔力の残滓が微かに残ってる」
風が止み、雪の音が消えると、そこには沈黙の脈動があった。
聞こえないはずの音が、耳の奥に波紋のように広がる。
罠を仕掛けを始めたのは、深夜を回ってからだった。正体不明の魔獣が歩いて行った先には深い谷がある。恐らく引き返してくるはずだ。
エイデンは木々の間を選び、地形を見極めながら罠を設置していく。
鋼線を雪の下に埋め、仕掛け銃を三点に配置。ハリスが魔力感知用の小型石を埋め込み、カイルとオーエンが周囲の索敵に散る。
「なぁ、エイデン」
ハリスが声を潜める。
「貴方はあれが本当に魔獣だと思いますか?」
エイデンは雪に膝をつき、罠の固定具を締めながら答えた。
「他に説明がつくか?」
「そうですよね。普通はそう考える。でも私はあれは竜人だと思うんです」
「竜人?何だそれは」
「帝国建国の物語です。この国は昔、一匹の竜と初代皇帝によって造られたという」
「………」
「人と竜は手を取り合い当時、魔族を何度も撃退したとされてます。長くも続く戦いに竜はやがて疲弊しその力を新たな世代に継がすため初代皇帝と間に子をなした。それが竜人です。竜人はその力で当時の魔王を討ち魔族を大陸の端に追いやった。しかし、その戦いで傷を負った竜人も姿を消したとされてます」
カイルの大真面目な顔で語るその話にエイデンは思わず吹き出した。
「それじゃあれか?あの化物がその竜人だってのか?ハリスお前、冗談とか言えたんだな」
「いや、別に冗談では…」
「それに竜ンつったらもっとカッコいいもんだろ?その子供があんなよく分かんねぇ見た目しってかよ」
エイデンはそう笑ってハリスの肩を叩いた。
未知とは誰しも恐ろしいものだ。冷静なハリスでもこのようになってしまう。
そう言って笑ってるうちにオーエンとカイルが合流し交代で少し遅めの夕食を取った。火は炊けないので簡易な戦闘糧食だが冷え切った身体にはそれでも染み渡るものがあった。
食事を終えしばらく経った頃、兆候は突然やってきた。
ゾワリと身体を撫でられるような魔力の奔流が四人の間を突き抜けた。
「……動くな」
オーエンの声がかすかに震えた。
エイデンは顔を上げる。
闇の奥に“それ”がいた。
木々の陰の向こう、雪を踏みしめる音はしないが確かにそこに立っている。
月明かりがそれを照らし出し黒い外殻が、波打つようにゆらめく。まるで光を飲み込むような艶を放っていた。
やはりその頭部に目はなかった。
それなのに――見られている。
全身の毛穴が総立ちになった。
視線を感じる。
理屈では説明できない。だが、確かにそれはエイデンたちを見ていた。
雪明かりが黒い輪郭を照らし、闇と白が交錯する。
黒い存在が小さく首を傾けた。
まるで、“見えている”とでも言うように。
四人がが息を呑んだその瞬間。
黒い影が動いた。滑るように地を離れた。
「来るぞ――!」
瞬間、鋼線が鳴り、罠が炸裂した。
銃声が雪原に響き、白い世界に紅の閃光が走る。
化物は弾かれたように跳ね、樹木の幹を軽やかに蹴る。
その動きは獣でも人でもない。
音をほとんど立てず、しかし重力を無視するように跳躍した。
オーエンが叫ぶ。
「この化物がぁぁ!」
エイデンも狙いを定め、引き金を引く。
乾いた銃声。
銃弾は命中した――はずだった。
だが、黒い外殻は弾丸を飲み込んだように歪み、跡形もなく吸収した。
「効いてねぇ!?」
黒い体の表面が波打ち、そこから微細な霧が散った。
霧は雪を溶かし、地面を黒く染めていく。
焦げた臭い。鉄錆のような匂い。
化物が、ゆっくりとこちらを向いた。
目がないはずの顔が、確かにエイデンたち捉えている。
「下がれ!」
エイデンは叫び、カイルとオーエンの襟を掴んで後方に投げ飛ばす。
次の瞬間、二人のいた場所が雪ごと蒸発していた。何をしたかもされたかも分からないが化物が掴んだ木の幹は樹皮が焦げ落ちていた。
恐ろしく高温。あの腕に掴まれたら人の身体など一瞬で塵芥だと言うことは想像に難くなかった。
「散れッ!」
四人は一斉に後退した。
銃声が幾度も鳴り響く。
だが、黒い外殻は損傷しない。
雪煙の中でそれはわずかに立ち止まり――消えた。
視界のどこにも姿がない。
音も、匂いも、消えた。
ただ、森が息を潜める音だけが残る。
「逃げた……のか?」
カイルがかすれ声で言う。
エイデンは銃を下ろさないまま、闇を見据えた。
「周囲を警戒しろ!」
風が再び吹いた。
雪が木々の間を舞い、白の帳が広がる。
その奥で――何かが、笑ったように聞こえた。
「ハリス、上だ!」
オーエンの叫び声にハリスが反応する。
「ッ!目標零度処理ーー」
「馬鹿野郎!避けろ!」
反射で魔法を唱えようとしたハリスだったがその選択が彼の命運を分けた。
上から落ちてきたそれは空気を切り裂きハリスの前に音もなく着地した。
ーーズルッ
そしてそれと同時にハリスの胴体は地面に落ちた。
「貴様ぁぁぁぁ!!!」
「待てオーエン!」
激昂したオーエンがエイデンの制止を振り切り化物へと突貫する。
「大地よ我が身に纏いて鎧と化せ」
オーエンの詠唱と同時に雪に埋もれていた土が彼の体を包みコンマ数秒でオーエンの肉体を大地の鎧が包んだ。
そして真正面から化物に襲い掛かり両者は両の手を掴み合い押し合う形になった。
「これでもう逃げられんぞ!」
そう言うが早いか鎧の背中からもう二本の腕を生成されると掴んだ化物を一方的に殴打する。
「俺の友をよくも!貴様は粉微塵にして家畜の餌にしてやる!」
その猛撃に化物は無す術なく後退る他なかった。
「凄い!」
その光景にカイルは感嘆の声を上げるがエイデンはそうもいかない様子でそれを見ていた。
「近すぎて援護ができない。でもなんだこの違和感…」
そこでエイデンは気が付いた。そしてすぐにオーエンに向かって叫んだ。
「離れろオーエン!今すぐだ!」
「なんでっすかエイデンさん!このまま…」
「鎧が砕けるって言ってんだよ!」
「え?」
カイルがオーエンの方を振り向くと今まさにトドメの一撃と言わんばかりに大きく腕を振り上げていた。
そしてーー
「…な!?」
その一撃が届く前に鎧は砕けた。
オーエンが纏った土は雪に埋もれ水分量が極めて高いものだった。それが取っ組み合いをしているうちに化物の高温によって急速に水分が奪われたのだ。
つまり乾燥のスタート時点で水分が多いほど、乾燥中に収縮量が大きくなり、乾燥速度が速いほど、表面だけが先に固まって内部との引っ張り合いが生じる。その力に耐えられず、ひび割れが発生したのだ。
そして鎧が砕けたオーエンに向け化物が醜悪に嗤った。
その無防備な胴体に向け奴の貫手が放たれ腹部を貫かれたオーエンがその場で崩れ落ちた。
「オーエン!」
「ギャア!ギャア!ギャア!」
エイデンの叫びと化物の雄叫びが重なる。
そして次はお前たちだと言わんばかりにエイデンとカイルの方に体を向ける。
オーエンを踏み越え、一歩一歩とその足取りさえも楽しむように二人との距離を詰めてくる。
だが、そこでその場の誰しもが予想だにしないことが起きた。
「な…に…勝った気になってんだ…この化物が…」
崩れ落ちていたオーエンがゆらっと立ち上がった。その眼は完全には死んでいない。むしろ煮え滾った怒りが脳内麻薬を増幅させていた。
「まだ俺は生きてるぜぇぇ!」
オーエンの雄叫び響く。
そして先程は届かなかった拳が振り返った化物の頭部に叩き付けられた。その勢いを殺しきれず化物が宙を舞い吹き飛んだ。
「はぁ…はぁ…どうだクソッたれめ…」
「オーエンさん大丈夫っすか!?腹は!?」
「腹を…ぶち抜かれたぐらいで死ねるかよ…しかもアイツの高熱で傷が焼けて出血もねぇ…まぁ気絶しそうだがな…」
「あとは下がってろオーエン、後は俺が殺る、俺もハリスを殺されてムカついてんだ。回復魔法は使えるな?」
「得意じゃ…ねぇけどな…そうだな…後は任せるぜ。北壁の大狼」
「あぁ任せろ」
エイデンが視線を戻す。吹き飛んだ先、雪のなかから立ち上がった化物にエイデンは身構える。
「来いよ化物、第ニラウンドだ」
お疲れ様です。
しばらく電波の届かない場所で仕事があるので約三週間ぐらい投稿できません。
執筆じたいはできると思うので(たぶん)帰ってきたら投稿します!




