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君と共に歩むアンタレス  作者: 妙界
第0章 異世界転生
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私の養父

私はお昼はマチルダさんのお乳を飲ませていただいているが、

夜と朝は神父様がヤギのミルクを飲ませてくれている。

最近は離乳食も食べ始めており、おかゆのようなものと、スープにパンを浸したようなものを食べている。味は微妙だ。


この教会には、神父様しか住んでいない。

時折村人が、来るが祈りにきているのではなく、

神父様に何かしらの相談をしに来ることがほとんどだ。


魔物が出ていて困っている。家の屋根が壊れた。体調が悪い。


おおよそ、神父の仕事と呼んでいいのかわからないものがほとんどだ。なぜか神父様も律義にその相談に付き合っている。

というかいままで一度も神父らしいことをしているところを見たことがない。神父とは何か今一度考えたくなった。


そう考えているうちに、食事の準備が終わったらしい。私の今日の夜ごはんはヤギミルクらしい。


「マチルダさんのがいいでしょうが、

我慢してください。」

申し訳なさそうにしているが、正直マチルダさんのお乳を飲む気まずさよりはマシなのでヤギミルクの方が好きである。

味はともかく。


「……。」

美しい蒼い瞳が私を見つめている。

神父様、お手々止まってますよ。

ご飯が飲めません。

「リア、ネックレスを話してくれませんか。」

あぁ、神父様の首からぶら下がっているネックレスをいつのまにか

握ってしまっていたようだ。

失礼しました。

パッとネックレスから手を離すとまた、哺乳瓶らしい何かを

口に突っ込まれる。

そうそう、今さらながら、私の名前はアステリアらしい。

神父様が名づけてくださったのだ。

何やら女神さまの生が由来しているとか。

みんなからは、愛称でリアと呼ばれている。


最初は中々慣れなくて名前を呼ばれても、自分のことだと気づかなかった。まぁ一か月もリアと呼ばれ続ければ流石に慣れるが。


私の養父である神父様は村の人々からユーマ様とか神父様と呼ばれている。

でも、自分の養父を名前で言うのはなんか嫌だし。

かと言ってお父さんと呼べるほど私は強くない。

なので、いつも神父様と呼んでいる。

まだ、話し始めるには怪しい時期なので心の中でだけだが。


「はい、よく食べました。」


ごちそうさまでした。


ご飯を食べ終わると、ベビーベッドのような

ところに寝かされる。

よくわからないおもちゃのようなものが多々転がっている。

 ちなみに、私のお気に入りは、このテディベアのような熊(?)

のようなぬいぐるみである。

こちらの世界にもあるんだねテディベア。


「今日はこの絵本ですよ。」

神父様は、薄っぺらい汚れた紙の束を持ってきた。

毎晩寝る前に必ず読み聞かせをしてくれるのだ。

中身がまだ生後間もない赤子ならおそらく寝付かないし

絵本の内容も理解できないから無意味であっただろう。

しかし、私からすれば非常にありがたい。

この異世界の常識を知ることができる数少ない機会である。


「昔々、世界には何もありませんでした。」

あぁいつものお話。


「そこに女神アステアが現れました。」

世界創世の神話をわかりやすく絵本にしたものだ。

「最初に闇の精霊を作りました。その次に光の精霊を作りました。光が闇を照らし世界を形作りました。」


光と闇はそれぞれ、夜と昼を作りました。

そのあと女神アステアは火、土、風、水の4つの精霊を作りました。

精霊たちはみんなで平和に暮らしました。


そこに混沌がやってきました。

混沌は精霊たちの平和を乱し、暴れました。

しかし、闇の精霊が混沌を倒しました。

その褒美に女神アステアは闇の精霊に名前を与えました。

彼だけの名前です。

ところが、一番初めに生まれた闇の精霊は傲慢で自尊心が高くわがままだったので名前をもらったことで調子に乗りました。

世界を闇に包んでしまったのです。

何時まで経っても昼がやってこない常闇の世界にしてしまいました。


そのことに怒った女神アステアは、闇の精霊を5000年封印することにしました。

闇の精霊は女神様に謝りましたが、結局封印されてしまいました。


「おしまいおしまい。」

そういって神父様は本を閉じた。


毎回思うけど中身がうっすい話だなぁ。

絵本だから仕方ないけど。


「おやすみなさい。リア。」

神父様がおでこにキスをする。


おやすみなさい。





幼少期書くのがいちばん辛いわ。カットしたい。幼少期。

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