最終話 『待ち人』
この小説はフィクションです。
実際の人物や団体などとは関係ありません。
澄玲が消えてから1日がたった。
澄玲が消えた夜に"見覚えのない教室"で聞き取れない恐ろしい声で話しかけてくる学生達の夢を見た。
起きると昼になっており、身体中が汗びっしょりになっていた。
「澄玲も同じ夢を…」
と思ったがそんな都合よく同じ夢を見ると思えず、ただの悪夢だと思うことにした。
今日は親が出かけており、家には私1人。
普通なら何にもない日となるはずだったのに澄玲が消えてからずっと考え事ばかりしてしまう。
時間があるのでもう一度、手がかりを探すべくネットで検索をかけたらあるサイトがヒットした。
『待ち人』
少しでも手がかりが欲しかった私はそのサイトを開き、男子中学生の失踪事件と町から人が消える事件を知った。
続きを読んでいた私はある文を読んで尋常じゃない程の鳥肌が立った。
その文には私が今日見た"同じ内容の夢"が書かれていたのだ。
「じゃあ、夢を見た澄玲は家に帰った後、手紙を貰った…?でも手紙を貰ったからってどうして消えるの…?それに同じ夢を見た私にも手紙が届くの…?」
鳥肌が止まらなかった。
私はどうなってしまうのか、澄玲も同じことになってしまったのか、わからないことだらけだった。
サイトを閉じようとした時、ブログにコメントが付いていることに気が付いた。
『町から人が消える事件の共通点が本当なら手紙をもらった主以外も1人消えたんじゃないか?』
『確かに。もしかして、その1人が次の"待ち人"になるんじゃない?』
「次の"待ち人"…?」
その時、家のチャイムが鳴った。
ピーポーン
前々から注文していた服の商品が届いたと思った私は急いで服を着替え、玄関の扉を開けた。
ガチャッ…
「やっほっ!」
澄玲だ。
玄関の扉を開けた先には消えた澄玲がいた。
「え…?澄玲…?」
驚きを隠せない。
行方不明になったんじゃ…
なんで私のところに…?
服がセーラー服…?
聞きたいことはたくさんあった。
「澄玲どうしたの!?みんな心配してるんだよ!?」
「いやぁ…ごめんね〜」
「今から親の所に行こ!!!」
「それより、葵についてきてほしいの!」
「"それより"ってなに!?澄玲が急に消えたからみんな心配して…」
「…いいから来てほしいの!」
澄玲が私に手を近づけてくる。
何かを感じた私は
「ちょっと待って!」
「?…どうしたの葵?」
「行くってどこに…」
この澄玲は本当に澄玲なの…?
なにか嫌な予感がする…
「それはついてからのお楽しみだよ」
「いいから教えて!それじゃないとついて…行かない…」
誰なの…この子は…知ってる澄玲じゃない…
「うーん、しょうがないなぁ…それはね…」
気付いた時には遅かった…
私は澄玲に手を握られていた…
「うっ…」
意識が遠退いていく…
「うふふ…」
「澄玲…?」
「幸せになってね」
そのまま私は気を失ってしまった。
私は気がつくと"セーラー服"を着た状態で砂浜にいた。
体は鉛のように重く、全く動かすことができなかった。
私は家を出る前に見たブログの"コメント"を思い出した。
「あっ…私が次の"待ち人"になったんだ…」
―――――数年後―――――
ガタンゴトン ガタンゴトン
「え、海むちゃくちゃ綺麗じゃね!?」
「クッソ綺麗やん!やば!写真撮ろ」
「他の人の迷惑になるから静かにしろって」
俺は今、友達と夏の旅行に来ている。
受験シーズンとあって、親に反対されたがなんとか押し切り、旅行に来ている。
「な、なぁ…?あれ人…?」
窓から見える砂浜に向けて指を向ける。
指の先には女性が1人、海の方向を向いて立っていた。
「な、なんで…彼女は…この真夏に"(冬服)セーラー服"を…来ているんだ…?」
『待ち人』を最後まで読んでいただきありがとうございます。
初めての小説でしたがいかがだったでしょうか?
まだ未熟な部分もあったと思います。
これからも頑張っていい作品を書けるよう努力していきます!
最後にブックマークや評価などいただけると嬉しいです。