第五話 『お迎え』
この小説はフィクションです。
実際の人物や団体などとは関係ありません。
「うーーーん!おっはよ〜!」
「おはよ〜」
あの後、なんとか睡眠をとることができた。
あの夢は一体なんだったのか…あのサイトに書いてあったことは本当なのか…考えれば考えるほど恐怖が襲ってくる。
「あれ…澄玲、顔色悪いけど大丈夫…?」
「う、うん…大丈夫!ありがとう。」
「なんかあったら言ってね」
昨晩のことを話したいけどせっかくの旅行を壊したくないし…これは自分の中で解決しよう…
そう思った。
洗面所に向かい、顔をすっきりさせた私は寝室に戻ると葵がウキウキしながら待っていた。
「よしっ!今日も観光しまくろ〜!」
「その前に朝ごはん食べに行くよ(笑)」
「えへへ(笑)そうだった!ご飯行こ〜!」
いつもの葵で良かった。
私はいつもの葵を見たら元気が湧いてきた。
「ありがとう、葵。」
「え?」
「なんでもないっ!朝ごはん食べいこっか!」
朝ごはんを食べに行ったのち、自室で支度を済ませて2日目の観光を楽しんだ。
旅行1日目以外は悪夢を見ることも何かが起こることはなく、3日目には悪夢は一体なんだったのか…そんな疑問が残っていたがサイトに書いてあった都市伝説はただの"噂"だったのだと…そう思うことで全力で旅行を楽しむことができた私は少しホッとしていた。
そして、2泊3日の旅行は終わりを迎え、私達は帰りの電車に乗って旅行の思い出を葵と振り返っていた。
ガタンゴトン ガタンゴトン
「旅行3日間楽しかったね〜!」
「そうだね〜!たくさん周ったけどリストにあげてた観光地半分ぐらいしか行けなかったね〜」
「ほんとっ!3日間あっという間過ぎてまた行きたくなっちゃった!」
「うん!私も!また行こうね!」
「そうだね!今度行く時は行けなかった所中心にまわろっ!」
その後、たくさん思い出に浸りながら最寄り駅に着いた私達はそれぞれ自宅へと帰って行った。
明日、少しでも効果があるかもしれないと思った私はお祓いに行こうと決めた。
そして帰り道の時間を使って、最寄りの神社を探した。
自宅に着いた私は駐車場に親の車がなかったことからまだ親が帰ってきてないことがわかった。
ガチャッ…
「ただいま〜」
扉を開けると家は静かだった。
今のうちにとお土産をリビングの机に起き、私は自分の部屋へと向かった。
ガチャッ…
「ん〜!3日間いなかっただけだけど自分の部屋が久しぶりに感じちゃうな〜(笑)」
荷物の整理をしようと私は部屋の奥へと足を踏み込んだ。
ふと、机の上に目をやるとそこには謎の手紙が置いてあった。
「…えっ?手紙…?」
頭から血の気が引く。
忘れかけていた都市伝説が一瞬で脳裏に蘇ってくる。
私は恐る恐る手紙を手にし、ただの手紙であってくれと願った。
私は手紙を開き、その内容を読むことにした。
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