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第2話 シグマ・クーロン



「こんな所で、どうしたぁ?嬢ちゃんみたいな娘、此処は危険だと思うけど~?」


「あ……」


「ほらぁ、安全な所に案内してあげる」



フードの青年がジャンヌへと手を差し出しては首を傾げていて、ジャンヌは少し考えてからフードの青年の手を掴む。



「みゃ~」


「ほら、クロも行くよ~」



オッドアイのクロネコは、フードの青年の肩へと跳び乗ると座って寛ぎ始める。


フードの青年に連れられながらも、崩壊した街を眺めていたジャンヌは“何か”が頭の中で引っ掛かりを感じていた。



(目の前の人物、どっかで見たような気がするんだよねぇ)



ジャンヌがフードの青年を見ていると、フードの青年はジャンヌからの視線に気付いたのかジャンヌの方を見ていた。



「ん?どうしたぁ?」


「いや、……なんだか見覚えがある気がして」


「えー?俺は、無いけど」


「多分、気のせいです」


「そうぉ?」



フードの青年は微かに笑ってからクロネコの頭を優しく撫でてから、ジャンヌを連れて一つの少し壊れた屋敷のような建物へと入る。



「此処なら、まだ安全だから寛ぐといいよ」


「あ、ありがとうございます」


「ふふっ、構わないよぉ~」



クロネコはフードの青年から飛び降りてジャンヌの足下へと来ると、クロネコはジャンヌの目の前で立ち止まり座るとジャンヌを見つめる。



「ん?」


「みゃ~」


「ふふっ、珍しいねぇ~?クロが、俺以外に近寄ったりするなんてー」


「え?」



フードの青年はフードを外してガスマスクを外すと、青黒い髪色をしたウルフカットをしていて、左目が青色で右目が翡翠色をしたキツめな切れ長なツリ目を露にさせてから、目を細めては優しく微笑んでからジャンヌへと歩み寄り顔を近付ける。



(あ、やっぱりっ!そうだっ)


「え、あの?」


「ふふっ、気にしないでぇ?よく見たいなぁーって、そう思っただけだからね」


「あ、あの……お名前を、聞いても?」


「ん?俺?俺は、“シグマ・クーロン”って名前ね~?嬢ちゃんは?」


「……“ジャンヌ”、……ただの“ジャンヌ”です」



シグマは優しく微笑みながらも、ジャンヌの頭に触れては優しく撫でている。


ジャンヌは撫でられながらも、色々と頭の中で整理をしていた。



(やっぱり、私がやっていたゲーム“RPG”の人物っ!しかも、その物語の黒幕である人っ……)


「さーて、なんか食べ物とか残ってたかなー?ちょっと、待てて」



シグマが厨房があると思われる所へと歩いて立ち去ってから、クロネコはジャンヌの足下に居てはジャンヌの足に擦り寄って甘えている。



「クロさん」


「みゃ~?」


「……でも、そんなに冷酷で鬼畜には見えないって事は……“物語の前”って事?それだと、辻褄が合うんだよね……」



ジャンヌはクロネコを持ち上げては、クロネコを優しく抱きしめながら少し古ぼけた椅子に座る。



(本編では、クロさんは居なかったし……)


「みゃ?」


(あー、でも……“二週目”やっておけば良かったぁあああっ!!そうしたら、どうして“セカイを壊そうとしたのか”分かったのに……)



ジャンヌは後悔して項垂れていると、クロネコが軽く首を傾げてはジャンヌの側を飛んでいる光の球体を睨んでいた。



「みぃー……」


「さっきよりも、仲良くなったみたいだねぇ~?ふふっ」



少し経ってからシグマが戻ってきて、手にはサンドイッチが乗せられた皿を持っていた。



「はい、軽いのしか無かったけど」


「あ、ありがとうございますっ」


「いえいえ~」



シグマはサンドイッチを乗せた皿をジャンヌに手渡すと、クロネコを抱き上げて向かいの椅子に座り膝の上にクロネコを乗せると、クロネコの頭や背中を優しく撫でていてクロネコは幸せそうな顔をしていた。



「ん、美味しいっ」


「ふふっ、ただのサンドイッチだよ?」


「それでもっ、美味しいですっ」


「ん、それは良かった」



シグマは優しく微笑んでは、サンドイッチを頬張っているジャンヌを優しい眼差しで見つめていた。



「ねぇ、ジャンヌちゃん」


「ん、……はい?」


「唐突で、悪いんだけどね?」


「へ?」


「ジャンヌちゃんの側で飛んでいる、“ソレ”ってさぁ……“カミサマ”じゃない?」


「え……」



ジャンヌは自分の右にいる光の球体を横目で見てから、目の前で座っている満面な笑顔なのに何処と無く笑っていないシグマを見ては顔を青ざめていた。



「え、あ、あのっ」


「気配がね、すごーく“神気”がしていてね?でも、“ソレ”は此処での“カミサマ”じゃないでしょ~?だって、此処での“カミサマ”は“帝国軍”が捕らえているし?」


「え!?」


『知っているのかい、妹がどうしているのか!』


「ちょっ!?」



光の球体はシグマの話を聞いてジャンヌの前へと出ては、目の前にいるシグマへと問い掛けていた。


問い掛けられたシグマは軽く笑みを浮かべてから、目の前の光の球体を目を細めながら軽く睨んでいた。



「あぁ、知っているとも?何せ、その捕らわれた“カミサマ”のせいで世界は狂ったんだから」


『なんだと?』


「この崩壊した街は、元々は一つの国だったらしいけど……?先日、“大規模召喚術式”の生贄にされたんだと」


『っ!?』


「“大規模召喚術式”……」



ジャンヌは、何か嫌な予感がしていた。



“女神サマ”は、ヘマをしたわけじゃない。


無理矢理“異世界”との繋がりを作る為の杭となり、無理矢理“神の力”を行使させられた影響で私は死んだんだ。



『そう、か……だから、なんのコンタクトも出来なくなっていたのか』


「“カミサマ”……」


「どうやら、“カミサマ”は知らなかったみたいだねぇ?この世界で、何が起きているのかって」



シグマはクロネコを地面に下ろしてから足を組んで、懐から煙草のケースを取り出しては1本だけ取り出しては口に咥えると指で先を触れると火が灯される。



「まさか、と思うけどさぁ?“カミサマ”、ジャンヌちゃんを使って何かを企んでいたりとかしないよねぇ?たとえば、“世界救済”とか………ねぇ?」


『……』








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