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ある大学生のこれからの人生

 20○○年12月24日クリスマスイブの朝、私は携帯のアラームで起床するという、起こされる感覚ではなく、麻酔から覚めたかのようにゆっくりまぶたが開いた。麻酔から覚めたというような感覚で起床するということは、私の人生の記憶では一度もなかった。この様な起き方をしたからか、昨晩ベットに横になった記憶もなければ、昨日は何をしていたかというのも全くわからないし、検討もつかない。22年間の間に培ったアイデンティティというのも消えている。だが自然と体は約4年間通っている○○大学へ通学するという行動をとっていた。今日、講義があるのかもわからないまま、体はそんなことを考える余地もあたえず、なぜか台所にいる母を確認して、電車に乗り、○○大学を目指していた。家を出る前、台所にいる母を見て、なぜか某有名ハリウッド俳優(故人)の嫁という思考になったは謎だったが、その時だけ頭が働いたのはさらなる謎である。


  ○○大学には着くことができたが、○○大学の最寄駅を通り越したりなどのハプニングはあった。ゼミにしか出席していなかった時期だったので、ゼミの講義室を、目指した。その日から人生が始まった感覚に陥っている私はゼミの講義室の場所など分からなかったが、なんとなく直感で、ある講義室の前にたどり着いた。そして扉を開けると、私のゼミの担当教授と、ゼミ生がいた。私は、「今日ゼミの講義があったのか!」という思いにはなっていたと考えられる。講義終了5分前に出席という、大遅刻ではあったが何事もなかったかのように、席に着いた。卒業論文に関する講義だったというのは分かった。講義が終わると、いつもなら学校に残ることもなく帰路に着くのだが、その日は大学内のカフェに一人きりで、警備員に帰るよう言われるまでいた。帰宅するまでに2時間かかるが、その1時間はタクシーに乗っていた。


ど田舎にある実家に着くとタクシー代が足りず親に1万5千円ほど借り支払った。そしてさらにど田舎にあるおばあちゃんの家まで行き星空を2時間ほど眺めた。田舎で見る星空というのは非常に綺麗であるが、その間も頭は働いておらず、大学への登校の時のように、体が自然とおばあちゃんの家に向かったというようなかんじである。冬なので寒かったということもあり、2時間の間星空を眺めるということで終わったが、暖かい時期であれば朝を迎えていたかもしれない。


 そんな、今までの人生ではしてこなかった事を終えて家に着き、自分の部屋に戻るとベットの上に黒猫がいた。猫は飼っていなかったが、特に不思議に思うこともなく、寒そうなので近くにあったtシャツをかけてあげた。猫がいると自分のベットでは寝れないので、結婚して出ていった姉の部屋で寝た。極限まで眠くないと、眠りにつくのが遅い私がすぐ眠れたのは、相当疲れていたか、その日から人生が始まったという感覚に陥ったからなのであろう。そうして新たな人生の始まりのような一日は幕を閉じた。



 

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